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開かせていただき光栄です の商品レビュー

4.2

130件のお客様レビュー

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    46

  2. 4つ

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2020/05/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

楽しみにしていた一冊を読み終えた。 物語の舞台は18世紀のロンドン、外科医であるダニエルの私的解剖教室をで発見された二体の屍体の謎解きミステリー作品。 四肢を切断された少年と顔を潰された男性は誰なのか? 何故に四肢を切断され、顔を潰されたのか? 捜査に乗り出した盲目の治安判事ジョンは、ダニエルと5人の弟子と共にその謎の解明にあたる。 謎が謎を呼ぶ重厚なミステリー作品でありながら、異国の歴史を感じ、個性豊かな登場人物に魅了され、青春ドラマのような要素も含む。 至極の作品だと思います。 説明 商品の説明 18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が……解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描く短篇「チャーリーの災難」と解剖ソングの楽譜を併録。解説/有栖川有栖 内容紹介 18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が……解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描く短篇「チャーリーの災難」と解剖ソングの楽譜を併録。解説/有栖川有栖 内容(「BOOK」データベースより) 18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が…解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描いた短篇を併録。 著者について 1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ・幻想小説・歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、時代小説『恋紅』で第95回直木賞を、幻想小説集『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、歴史ミステリ『死の泉』(早川書房)で、1997年の「週刊文春ミステリー・ベスト10」の第一位に選ばれ、第32回吉川英治文学賞を受賞した。そして本書が2011年の各年間ミステリ・ベストで上位を占め、2012年に本格ミステリ大賞を受賞。さらに2013年にはその功績を認められ、日本ミステリー文学大賞に輝くなど、第一線で活躍をしている。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 皆川/博子 1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ・幻想小説・歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、時代小説『恋紅』で第95回直木賞を、幻想小説集『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、歴史ミステリ『死の泉』(早川書房)で、1997年の「週刊文春ミステリー・ベスト10」の第一位に選ばれ、第32回吉川英治文学賞を受賞した。そして『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU』が2011年の各年間ミステリ・ベストで上位を占め、2012年に本格ミステリ大賞を受賞。さらに2013年にはその功績を認められ、日本ミステリー文学大賞に輝くなど、第一線で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2020/04/15

18世紀のロンドンが舞台。当時の情勢に全く知識がなかったけど、描写が分かりやすくて世界観に入り込めます。翻訳本でなく、日本人が書いたことに驚き。解剖医と弟子たち、天才詩人…個性豊かな登場人物と、二転三転していく事件。面白いです。

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2020/04/12

まだ解剖学が整っていない18世期ロンドンの 解剖教室で起こった、死体出現のミステリー。 隠した死体とは別に四肢が切断された少年と 顔が潰された死体の出現。 これだけやと王道ミステリーですが、 色んな時代背景や事件が絡まってて 一筋縄なミステリーじゃないところが面白い。 皆川...

まだ解剖学が整っていない18世期ロンドンの 解剖教室で起こった、死体出現のミステリー。 隠した死体とは別に四肢が切断された少年と 顔が潰された死体の出現。 これだけやと王道ミステリーですが、 色んな時代背景や事件が絡まってて 一筋縄なミステリーじゃないところが面白い。 皆川博子さんの作品はその時代にも興味が持てて 毎回色んな発見をさせられます。

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2019/12/28

「双頭のバビロン」が余りに読み応えがあって、今でも雰囲気に呑まれた感じがある。 皆川さんのミステリで、聞いたことのある作品が少し前に話題になっていたのを思い出した。 早速読み始めたが、こんどは解剖教室の話、グロテスクな描写は前のものでお手合わせ済みなので、余り気にしない。 ただ...

「双頭のバビロン」が余りに読み応えがあって、今でも雰囲気に呑まれた感じがある。 皆川さんのミステリで、聞いたことのある作品が少し前に話題になっていたのを思い出した。 早速読み始めたが、こんどは解剖教室の話、グロテスクな描写は前のものでお手合わせ済みなので、余り気にしない。 ただ、読み始めると、教室の五人の生徒が、本の中や頭の中を走り回るので、登場人物一覧をジッと眺めて、ひとまず先生と生徒の名前を覚えた。 容姿端麗、眉目秀麗のエド(エドワード)が一番出番が多いが、彼と同室の天才細密画家ナイジェルも重要。 後は、おしゃべりなクラレンス、太目のベン、やせっぽっちのアル。 さて、時は18世紀のロンドン、舞台は外科医ダニエル先生の解剖教室。 わが国では「解体新書」の腑分けが始まるよりも7.80年先んじているのかな。やはり江戸幕府の下で、西洋医術は遅れに遅れている。 英国でも外科医の地位は低く、特に解剖医となると、薄気味悪い印象で住みやすくはない。解剖死体を手に入れるのもやすやすとは出来ない。裏から手を回し、墓あばきに金を払ってやっと手に入る貴重品だった。 弟子の5人は先生を慕って集まっていて、向学心に燃えている。 そこに妊娠6ヶ月の貴族令嬢の死体が運ばれてくる。視察団から隠した暖炉から取り出してみると、下に重なっていた覚えのない死体が出てくる。 そうこうしているうち開けてなかった隣の部屋の解剖台に、四肢を切断された少年の死体が乗っかっていた。 この三体の死体を巡って、事件が展開する。 死体になって解剖台の乗っていた少年は、町に出たときエドとナイジェルがふと知り合った詩人志望の少年だった。 彼は、独学で中世の文学を学び、当時の筆致(古語)で文章や詩が書けた、その上教科書にしていた貴重な古文書を持っていた。 この少年と弟子たちのつながりが物悲しい挿話になっている。 ダニエル先生は世事に疎いが、兄の内科医は上流階級に取り入り、富と名声を手に入れていた。屋敷の一部を解剖教室にし、経費の面倒を見ていた。 それが、どうも詐欺に会って高額な投資に失敗し破算寸前らしい。貴重な標本を抵当にして資金を借りているらしい。 弟子たちは、解剖室の将来と尊敬する先生のために、増えた死体の真相を探り始める。 そこに、盲目の名判事、ジョン・フィールディングが登場する。 貧民が増え世情が乱れている、彼は裏金では転ばない高潔な人物だった。盲目のハンデは微妙な声を聞き分ける聴覚と、手に触れることで感じる触覚を備えていることで補って余りある。そのうえ、明晰な頭脳をもち行動力もある、出来事の経緯を整理して分析する。厳格な中に柔らかいハートも持ちあわせている。 眼の代わりをする賢い姪もついている。 右往左往しながら、死体が増えた原因になった殺人事件が解決する。 法廷場面で、思いがけなく胸が熱くなるシーンもある。 エンタメ要素満載で堪能した。 弟子たちが歌うアルファベットの歌が楽しい、話の最後でやっと「Z]の部分が完成する。 皆川さんの作詞らしい。 題名は、解剖前に弟子たちが揃って言う言葉。 うれしいことに続編もあるとか。解剖教室を解散した弟子たちのその後の話で、また見つけて読もうと思っている。

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2019/10/10

幻想系に強い作者というイメージだったが良い意味で裏切られた。国も時代も異なる舞台でありながら滞りなく疾駆する物語と緊密なプロットに、本格ミステリ大賞受賞も納得の一冊。

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2019/09/27

初読みの作家さん。まず言いたいのは、ものすごくおもしろかった!!!これ翻訳物じゃないの⁈とびっくりするほど、18世紀当時のイギリスの世相や人々を生き生きと描写していて感心しました。当時のイギリスの治安の悪さ、裁判制度や警察組織の腐敗、男娼の妖艶さ、田舎者の少年への虐待ともとれる冷...

初読みの作家さん。まず言いたいのは、ものすごくおもしろかった!!!これ翻訳物じゃないの⁈とびっくりするほど、18世紀当時のイギリスの世相や人々を生き生きと描写していて感心しました。当時のイギリスの治安の悪さ、裁判制度や警察組織の腐敗、男娼の妖艶さ、田舎者の少年への虐待ともとれる冷酷的差別、奴隷制度への現在との認識の差…とにかくおもしろかった!!!そしてミステリでもあり、出てくるキャラがまた個性的で良い☆最後の大どんでん返しは、えーっ⁉️って声出ました!みんな読むべきですよ!!!個人的にベストセラーです。

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2019/09/17
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最初、ネイサンくんに感情移入できなくてちょっと読みづらかったけど(最後まで読むと生意気かわいいなって思う)、そこを過ぎたら引き込まれていく。顔がいいだけかと思ったエドや、ただの内気な少年に見えたナイジェルがどんどん魅力的でつかみどころのない存在になっていってドキドキする。判事とアンのコンビも好きだなあ。アンがかっこよくて素敵。 18世紀ロンドンは映画を観ているような気分で読める。辛い描写も多いけれど、この時代のこの場所、がすごく濃密に描かれている。 いちばん好きなのは薔薇亭の描写。そこだけ違うものを読んでいるかのよう。うっとりしてしまう。 ところで、 これを読んでいる途中に、何を思ったか忘れたけどふと気になって、続巻の登場人物紹介を見てしまって、…ものすごいネタバレを目にしてしまいました… 何してるんだ自分… となったので、そんな人いないと思うけど気をつけて…

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2019/07/22
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ラストまでまったく目が離せないし、2人を疑ってしまって申し訳ない…っていう気持ちでいっぱいです今 妖精女王と妖精王っていう「双」を最後にぶち込んできてそんな…ちょっとズルくない…?最後まで最高ちゃう…? 続編も読むよ… あとからあそこ伏線だったんか!ってなる部分多いし、美しく、かつ救いなく風呂敷を畳んでいて、 正しく「本格ミステリ」でした! 美しさは汚濁の中から生まれる、の通りに汚くてどうしようもない倫敦から美しく冷たいふたりが生まれてしまったのかなぁなどと思い。 そんなふたりの中身を少々ではあったけれども、開かせて頂き誠に光栄でした。

Posted byブクログ

2019/07/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とても面白かったです。 ミステリーとしても、青春ものとしても上質でわくわくして、グロテスクで妖しい世界も堪能しました。 登場人物たちが皆さん個性的で、ダニエル先生も弟子たちも、優しいネリーも愛すべき人たちでした。ダニエル先生面白すぎですが、エドとナイジェルへの苦悩が切なかったです。遅すぎた「愛している」はキュッとしました。クラレンスとベンとアルも良い人。 増える屍体、ネイサンを取り巻く状況…など二転三転する展開で最後まで惹き付けられました。法廷のラストにうわー!と思い、その後のエドとナイジェルを思いました。 充足した楽しい読書でした。 有栖川有栖さんの解説で描かれる皆川博子さん、恐ろしい人だ…と思いました。皆川さんと同時期に生きていられて、著作が読めることが幸せです。

Posted byブクログ

2019/06/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本の小説は苦手なのだけど、日本人がイギリスを舞台にして書いたということなので、読んでみた。 どんでん返しも的確に用意されていて、予想以上に面白かったけど、文章が曖昧だったり、場面転換がぼやけていたりして、好みとはややはずれていた感。

Posted byブクログ