開かせていただき光栄です の商品レビュー
ドブと死臭と、この世のありとあらゆる醜いものと美しいものの表裏一体を描かせたら一流なのはいつもの通りなのに、出てくるキャラクターが記号的なので軽快に読める。ドブ臭が軽快に漂ってくる。
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少し切ない、美しいミステリーです。 時代背景をしっかりと捉え、 きちんとお調べになった上で執筆されたことが伺えます。 医学、解剖学に関する内容も多いので、 そういった事に関心がある方にはお勧めできる作品です。 最後まで展開にハラハラし、後半は読みきってしまうのが残念なほどで...
少し切ない、美しいミステリーです。 時代背景をしっかりと捉え、 きちんとお調べになった上で執筆されたことが伺えます。 医学、解剖学に関する内容も多いので、 そういった事に関心がある方にはお勧めできる作品です。 最後まで展開にハラハラし、後半は読みきってしまうのが残念なほどでした。 すばらしい作品に出会えたと思います。
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冒頭すぐに、「これって、解剖医ジョン・ハンターのことだよな。どれどれ。」と巻末の参考文献を見てみると、やはり載ってました『解剖医ジョン・ハンターの数奇な人生』。 これを題材によくぞ、このようなミステリを思いついたもんだ。 18世紀ロンドンの世界観が脳裏に浮かんでくる文章は、なかな...
冒頭すぐに、「これって、解剖医ジョン・ハンターのことだよな。どれどれ。」と巻末の参考文献を見てみると、やはり載ってました『解剖医ジョン・ハンターの数奇な人生』。 これを題材によくぞ、このようなミステリを思いついたもんだ。 18世紀ロンドンの世界観が脳裏に浮かんでくる文章は、なかなかのものだ。
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初めて読んだ皆川博子作品 知り合いの方に教えてもらって読んでみた。 最初は読むのに時間がかかるかなと思ったけど乗ってきたら早かった(笑) 面白かった(≧▽≦) 最後は…うん。 思い込みは良くないよね(笑) 2人がこの先どうなるのか、とても興味があります。 そしてダニエルが一番可愛いオジサンでした(笑) なので、最後はダニエルのことを想うと切ないかな。
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ヴィクトリア朝の栄華を誇るイギリスの裏の面が知れて面白かった。 二転三転する展開には最後まで息が付けなかった。 まるで実際に当時のロンドンで彼らと共に行動をしているようだった。 最後は立場によって感想が分かれると思う。 賄賂に左右される裁判の杜撰さや、床屋と外科医が同じ扱いだなん...
ヴィクトリア朝の栄華を誇るイギリスの裏の面が知れて面白かった。 二転三転する展開には最後まで息が付けなかった。 まるで実際に当時のロンドンで彼らと共に行動をしているようだった。 最後は立場によって感想が分かれると思う。 賄賂に左右される裁判の杜撰さや、床屋と外科医が同じ扱いだなんて、今から見れば信じられないし、診療することを遠慮してしまう。 彼らのような人たちのおかげで現在の医療があると思うと、思わず尊敬してしまった。 続編が読みたいと思ったら、本当にあった。嬉しい。 最後に一つ、これだけは言いたい。ネイサンおめでとう。頑張ってほしい。
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初・皆川博子さん。思っていたよりも、複雑で濃厚なミステリーだった。最後の裁判で分かる新事実に驚いた。ダニエルの弟子たちが皆、個性的で楽しい。特に、エドワードとナイジェルが魅力的かつ謎めいていて、2人の行く末が気になる。ジョンやアンたちの活躍も頼もしい。付録の解剖ソングや、題名の「開かせていただき光栄です」に、著者のセンスを感じた。
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面白かったー! 18世紀ロンドンという、かのシャーロックホームズと時を同じくする舞台設定です。 その猥雑さ、いかがわしさ。不衛生さに危なっかしさ。 それらをお腹一杯堪能しつつ、科学捜査のまだ無い時代というフィールドを丹念に味わい尽くせるミステリでした。 途中で 「なんぼフィクショ...
面白かったー! 18世紀ロンドンという、かのシャーロックホームズと時を同じくする舞台設定です。 その猥雑さ、いかがわしさ。不衛生さに危なっかしさ。 それらをお腹一杯堪能しつつ、科学捜査のまだ無い時代というフィールドを丹念に味わい尽くせるミステリでした。 途中で 「なんぼフィクションとはいえ、よその国をそこまで悪く言わんでもええべさ……」 と思ってしまうくらい精緻な筆致により、無垢で見返りを期待しない純粋な人間愛の際立つこと。 あーー面白かったわーー! 読み返してニヤニヤするのが楽しみです。
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私設の解剖学教室に忽然と現れた二体の遺体。一体は手足が切断され、もう一体は顔がつぶされた状態でした。事件はここから始まります。 まず18世紀のロンドンという舞台設定がいいですネ。18世紀というと、シャーロック・ホームズや切り裂きジャックが生まれるずっと前のこと。この頃のロンドンは...
私設の解剖学教室に忽然と現れた二体の遺体。一体は手足が切断され、もう一体は顔がつぶされた状態でした。事件はここから始まります。 まず18世紀のロンドンという舞台設定がいいですネ。18世紀というと、シャーロック・ホームズや切り裂きジャックが生まれるずっと前のこと。この頃のロンドンは犯罪率が高く、些細な窃盗でも女性や子どもが絞首刑にされていたということです。また、ロンドンで生まれた子どもの74%以上が5歳未満で亡くなっていたともいわれています。身分の格差が激しく、賄賂がまかり通り、孤児たちがうろつきまわる街は、薄汚く荒んでいたようです。当時のイギリスのことはよく知りませんが、作品全体に漂う空気が、それらしい雰囲気を醸し出しています。 登場人物も個性的です。盲目の治安判事とその助手。堕落した貴族や、荒んだ世の中の仕組みにつけ込む悪党たち。田舎から出てきた才能ある詩人。解剖教室に通う青年たちは、いわゆる医大に通う学生ではなく、外科医の弟子なんですネ。その頃の外科医は偏見に晒され、どうも身分が低かったようです。医学の進歩には、人体の解剖が必要不可欠であるという信念がないと、その道に進む人は少なかったと思われます。 トリックもさることながら作者はきっと、文化の中心でありながら享楽と退廃の蠢く、光と影の街ロンドンを描きたかったのではないかという気がします。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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最後まで犯人が分かりそうで分からないもどかしさも、登場人物も(特に先生と弟子との関係)、街の雰囲気も全部すき
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何度も何度も騙されて、読み終わったあとはぼーっとしてしまいました。曲者だと思っていたダニエルが一番素直だったなあ。登場人物にも、風景にもリアリティーがあって、ぐいぐい引き込まれます。こんなに複雑なのに、矛盾もなく、ミステリーなのに切なくなる、不思議な読後感でした。文章もすごく綺麗です。
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