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4.2

129件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2021/06/30
  • ネタバレ

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グロでダークな雰囲気の18世紀ロンドン。舞台建も目新しいけど、二転三転のストーリーが素晴らしい。作者の手練れ具合に何度も裏をかかれました。もちろん、しっかり伏線を貼られているので、騙されたというか清々しい気分。 ミステリー作家としては、あまり聞いたことがない人だなと思ったら、この小説を書いた時点で80代、今では90歳を超えた大ベテランだったんだね。失礼いたしました。しかし、そのお年でこんなみずみずしい小説をかけるのも驚き。

Posted byブクログ

2021/06/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

18世紀のロンドンを舞台にした、解剖教室の師弟にまつわる殺人事件。初めにいきなり3つの死体が出てきたときは混乱したが、話が進むにつれてその背景が紐解かれ、物語の面白さが増した。 ネイサンが手紙を破り捨てたという点から、エドとナイジェルが嘘をついているということは序盤からわかっていたため、少なくともネイサンの殺人には二人が関わっていると思い込んでいた。だからこそ、ネイサンが生きていたという展開には驚くとともに、弟子を信じられなかったと後悔するダニエルに感情移入することもできた。

Posted byブクログ

2021/05/26

大変面白く読ませていただきました。 本書を読んで、 人の恨みと憎しみは根深いものだと感じました。 二転三転する展開に振り回され、まさかの結末に心が苦しくなりました。

Posted byブクログ

2021/03/31

18世紀のロンドンが舞台。少し前に19世紀末のロンドンが舞台の作品を読んだところだったので、その空気感の違いに驚いた。本を開いている間は自分がロンドンにいるような錯覚を覚えるほど、丁寧に書き込まれたその時代の空気感が濃密な作品。他の方も言ってるけど、翻訳モノじゃないのが驚きでした...

18世紀のロンドンが舞台。少し前に19世紀末のロンドンが舞台の作品を読んだところだったので、その空気感の違いに驚いた。本を開いている間は自分がロンドンにいるような錯覚を覚えるほど、丁寧に書き込まれたその時代の空気感が濃密な作品。他の方も言ってるけど、翻訳モノじゃないのが驚きでした。ミステリとしても結末にたどり着くまで二転三転する展開でとても楽しめました。登場人物も魅力的で、あの人がああなる結末に胸が痛みました。

Posted byブクログ

2021/01/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『U(ウー)』に続き、皆川博子3冊目。 これまた語彙力を手放して大喜びしてしまいたいくらいに濃厚な世界で500ページ超えてもずっと面白かった もうあのシーンもこのシーンも、あのキャラもこのキャラも好きすぎるけど最後の墓地の投げキスはめちゃくちゃズルくてやっぱ最高じゃないですか

Posted byブクログ

2020/12/30

18世紀の英国を舞台に、当時はまだ禁断の学問として見做されていた解剖学を主題とした推理小説。 死体を墓泥棒から非合法的に調達して、人体の構造究明に励んでいる解剖教室の師弟たちの下に、見知らぬ死体が忽然と現れる。 一方、その死体となる少年の話も時間軸をずらして平行して語られる。彼が...

18世紀の英国を舞台に、当時はまだ禁断の学問として見做されていた解剖学を主題とした推理小説。 死体を墓泥棒から非合法的に調達して、人体の構造究明に励んでいる解剖教室の師弟たちの下に、見知らぬ死体が忽然と現れる。 一方、その死体となる少年の話も時間軸をずらして平行して語られる。彼がいつどうやってなぜ死ぬのかが気になり、五百頁も長く感じなかった。 解剖学の師とその五人の弟子たち、犬、また事件を糾明する盲目の判事やその女性助手らの人格設定がしっかりしており、またその有り様が生き生きとしている。 猟奇的な内容にも関わらず、彼らの情感豊かな言動によってかあまり暗さは感じなかった。 転換に次ぐ転換、そして時代設定、当時の裁判制度を効果的に使い、最後の大転換に繋げた著者の手腕に惚れ惚れする。 不自然な日本語の題名は、作品内の陽気な弟子の一人がdelighted to meet youをもじった英語の冗句を無理矢理邦訳したため。結果的に、内容が気になる題名になっているような。 『死の泉』の重厚で陰惨な内容に惹かれて読んだのだけれど、軽妙な筆さばきで描かれる本作の雰囲気も結構好み。 義理人情で結ばれる師弟愛がよかった。

Posted byブクログ

2020/07/27

初めての皆川博子さんの作品だったが、前情報無しだったこともあり油断していた。 本格ミステリーで、二転三転と物語は進むし、登場人物は悪役も、身内も良いキャラクターをしているし、この時々のシーンや、風景が目に浮かぶような描写も素晴らしい。 実のところ、意外性等はない王道な内容にも思え...

初めての皆川博子さんの作品だったが、前情報無しだったこともあり油断していた。 本格ミステリーで、二転三転と物語は進むし、登場人物は悪役も、身内も良いキャラクターをしているし、この時々のシーンや、風景が目に浮かぶような描写も素晴らしい。 実のところ、意外性等はない王道な内容にも思えるし、比較的ハッピーエンドなのだが、安心して読めたとは言い難く、内容の緩急にいつも翻弄させられた。好い。

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2020/06/19

面白かった!何度も騙されました(^ ^) 翻訳本かと思いきや、日本の作家さんの小説。 舞台はイギリスですが、海外小説特有の「あれ、これ誰だっけ」があまりなく、個々のキャラクターもわかりやすく魅力的に描かれていたのが良かったです。 時代背景が悲しくもありましたが、会話のテンポもよく...

面白かった!何度も騙されました(^ ^) 翻訳本かと思いきや、日本の作家さんの小説。 舞台はイギリスですが、海外小説特有の「あれ、これ誰だっけ」があまりなく、個々のキャラクターもわかりやすく魅力的に描かれていたのが良かったです。 時代背景が悲しくもありましたが、会話のテンポもよく、すらすら読み切ってしまいました。

Posted byブクログ

2020/06/17

舞台は18世紀ロンドン。 私的解剖室に突如出現した二つの死体。 真相がわかったと思いきや二転三転するストーリー。 魅力的な登場人物。 もう夢中でページをめくって、ラスト数ページは胸をかきむしる思いで読んだ。 美しく哀しい世界観も美麗な表紙も素晴らしい。 続編も読む。

Posted byブクログ

2020/05/08
  • ネタバレ

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楽しみにしていた一冊を読み終えた。 物語の舞台は18世紀のロンドン、外科医であるダニエルの私的解剖教室をで発見された二体の屍体の謎解きミステリー作品。 四肢を切断された少年と顔を潰された男性は誰なのか? 何故に四肢を切断され、顔を潰されたのか? 捜査に乗り出した盲目の治安判事ジョンは、ダニエルと5人の弟子と共にその謎の解明にあたる。 謎が謎を呼ぶ重厚なミステリー作品でありながら、異国の歴史を感じ、個性豊かな登場人物に魅了され、青春ドラマのような要素も含む。 至極の作品だと思います。 説明 商品の説明 18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が……解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描く短篇「チャーリーの災難」と解剖ソングの楽譜を併録。解説/有栖川有栖 内容紹介 18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が……解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描く短篇「チャーリーの災難」と解剖ソングの楽譜を併録。解説/有栖川有栖 内容(「BOOK」データベースより) 18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が…解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描いた短篇を併録。 著者について 1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ・幻想小説・歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、時代小説『恋紅』で第95回直木賞を、幻想小説集『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、歴史ミステリ『死の泉』(早川書房)で、1997年の「週刊文春ミステリー・ベスト10」の第一位に選ばれ、第32回吉川英治文学賞を受賞した。そして本書が2011年の各年間ミステリ・ベストで上位を占め、2012年に本格ミステリ大賞を受賞。さらに2013年にはその功績を認められ、日本ミステリー文学大賞に輝くなど、第一線で活躍をしている。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 皆川/博子 1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ・幻想小説・歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、時代小説『恋紅』で第95回直木賞を、幻想小説集『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、歴史ミステリ『死の泉』(早川書房)で、1997年の「週刊文春ミステリー・ベスト10」の第一位に選ばれ、第32回吉川英治文学賞を受賞した。そして『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU』が2011年の各年間ミステリ・ベストで上位を占め、2012年に本格ミステリ大賞を受賞。さらに2013年にはその功績を認められ、日本ミステリー文学大賞に輝くなど、第一線で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Posted byブクログ