開かせていただき光栄です の商品レビュー
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18世紀ロンドン。私的解剖教室を開くダニエル・バートンは、5人の弟子とともに墓暴きから屍体を買って日々解剖研究に勤しんでいた。その日、買い取った屍体は貴重な妊娠六ヶ月の令嬢。犯罪捜査人の訪問を受け一時的に令嬢の屍体を弟子たちが隠す。その直後、隠し場所から新たな、四肢を切断された少年の遺体と、顔を潰された男の遺体が発見さる。増える屍体の謎。四肢のない少年のことを、一番弟子で容姿端麗なエドワード・ターナーと、天才素描画家のナイジェル・ハートはその素性を知っていた。盲目の治安判事ジョン=フィールディングは彼らの言葉の嘘を聴き分け、事件の捜査を始めるのだが…。 解剖学が認められていない時代のロンドンの空気を緻密に描き、展開する本格ミステリ小説。 面白かった!後半は息もつかせぬどんでん返しの連続。そもそも誰が一体主人公なのか焦点が定まらない、いや、意図的に焦点をずらされていた。現代では成立しない動機とトリックの連続に唖然とするのみ。 どうやら三部作のようなので全部読んでしまおう!皆川博子氏、あっぱれ!
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こういうの読みにくいんだよなぁ...と思いつつも、どんどん引き込まれていき、何度も騙されて、最終的に全て伏線回収。 やっぱり読み終えるのに時間がかかったけど、オススメされて最後まで読めて良かった!と思える作品でした。 こういうジャンル(と言っていいのか)が好きな人には堪らないと思います。
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友人におすすめ頂いた作品。 とてもとても面白かった。 個人的に好きなジャンル、時代背景という事もあって、まるで洋画を観ているように映像が浮かんでとにかくずっと面白かった。 登場人物の個性がしっかりしていて「あれ?この人どんな人やったっけ?」が一度も起こらなかった。最初のページ...
友人におすすめ頂いた作品。 とてもとても面白かった。 個人的に好きなジャンル、時代背景という事もあって、まるで洋画を観ているように映像が浮かんでとにかくずっと面白かった。 登場人物の個性がしっかりしていて「あれ?この人どんな人やったっけ?」が一度も起こらなかった。最初のページに名称とだいたいの人物像が書いてあるところも親切で良い。
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時代設定が面白い。 死体解剖黎明期のロンドン。解剖中の死体とは別に増える死体?!嘘に嘘を重ねて何が真実かわからないうちにあちこっちに思考を持って行かれて振り回されて。収まるところに収まって、ハッピーエンド? パートンズのわちゃわちゃした掛け合いが緊迫感を緩め、楽しさに拍車をかけ...
時代設定が面白い。 死体解剖黎明期のロンドン。解剖中の死体とは別に増える死体?!嘘に嘘を重ねて何が真実かわからないうちにあちこっちに思考を持って行かれて振り回されて。収まるところに収まって、ハッピーエンド? パートンズのわちゃわちゃした掛け合いが緊迫感を緩め、楽しさに拍車をかけていて良かった。 ダニエル先生が中山七里の光崎教授に エドとナイジェルが萩尾望都のエドガーとアランに 重なって見えた。
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期待して読んだ。 期待し過ぎていたのかも知れない。 舞台は十八世紀、イギリスはロンドン。 今ほど医学は進んでおらず、解剖という行為そのものにまだまだ誤解や偏見がある時代。 解剖学を進歩させようと情熱を傾ける医師ダニエルの私的な解剖教室から、四肢の切断された謎の少年の遺体と顔を潰された謎の男の遺体が突如発見された! ツカミは抜群! さらに 解剖学に心血を注ぐ外科医。 その容姿端麗な一番弟子。 天才的な素描画家の弟子。 盲目の治安判事。 その姪で判事の目となる助手。 「鉄の罠」の異名を持つ助手。 などなど個性的な登場人物が活躍します。 でも……。合わなかったな~。 ワクワクもドキドキも恐怖も不思議も愛着も何も感じることができなかった。 残念。 はっきりとした難点がひとつ。 登場人物が把握しづらい。 たとえば、外科医の容姿端麗な一番弟子、エドワード・ターナーは、仲間内では「エド」と呼ばれ、「ターナー君」と呼ばれることもあり、公的には「エドワード・ターナー」と呼ばれることも。 他の登場人物も同様にいろいろと名があります。 おかげで500ページ近くある本書のラスト近くまで、巻頭にある登場人物一覧に指を挟んだまま読むことになりました。 続編も出版されているようなので期待したんですが、読み終えて「疲れたな~」という感想しか持てませんでした。
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カタカナの名前覚えられねーーー!! と2回挫折した本ですが、1年ぶり3回目にして読み終わりました。そしたらまあおもしろいことおもしろいこと。。。テーマは復讐でしょうか。鬱積したものが終盤に解き放たれて清々しいです。 さらに著者が執筆時に80歳ということで、本筋とはまったく関係ない...
カタカナの名前覚えられねーーー!! と2回挫折した本ですが、1年ぶり3回目にして読み終わりました。そしたらまあおもしろいことおもしろいこと。。。テーマは復讐でしょうか。鬱積したものが終盤に解き放たれて清々しいです。 さらに著者が執筆時に80歳ということで、本筋とはまったく関係ないところで驚きました。文章が若々しいので失礼ながら20代の作家さんを想像してました。
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話が二転三転し、飽きることなく読み進めることができました。 頭の回転が遅い自分にはなることが出来ない存在です。
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文句なく素晴らしい!!!でもこの本は実は一度途中でやめてた。それというのもやはり皆川さんの描くペダンティック的文体(悪口ではないつもり)には、描く世界の前知識がないと若干辛いのですよ。ところが奇しくも「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」を読んだ後に読み返し始めたら、面白いこと面...
文句なく素晴らしい!!!でもこの本は実は一度途中でやめてた。それというのもやはり皆川さんの描くペダンティック的文体(悪口ではないつもり)には、描く世界の前知識がないと若干辛いのですよ。ところが奇しくも「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」を読んだ後に読み返し始めたら、面白いこと面白いこと。本作の主人公ダニエル・バートンは明らかにジョン・ハンターがモデルであり、実在の彼を取り巻く人々、兄や最愛の弟子たち、そして当時の習俗がこれでもかと描かれており、伝記を読んでいた身としてはあちこちでニヤニヤできるという。いやホント、まずジョン・ハンターについてしっかり知識をつけておくことで本書を読む楽しさが何倍増にもなるのでオススメですよ。
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なんで今まで読んでいなかったんだろう、皆川博子。絶対好きな感じなのに。謎すぎる。 なんとなく敷居が高い早川、さくさく読み進めてしまった。翻訳小説のような印象を受けた。 エドとナイジェル…これからどうするつもりなんだろう。短編のバートンズの活躍が好きすぎて、私は延々にこういうの...
なんで今まで読んでいなかったんだろう、皆川博子。絶対好きな感じなのに。謎すぎる。 なんとなく敷居が高い早川、さくさく読み進めてしまった。翻訳小説のような印象を受けた。 エドとナイジェル…これからどうするつもりなんだろう。短編のバートンズの活躍が好きすぎて、私は延々にこういうのを見ていたかった。
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完敗。 明らかに何かをしているエドとナイジェル。 この二人は何をしたのか。メインテーマとなる部分を全く紐解けなかった。カタカナが出てくる作品が苦手で海外ミステリを嫌う傾向にある自分でもすらすらと読める、それでいてスッキリとした読後感のある良作。
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