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なくしたものたちの国 の商品レビュー

4.1

61件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

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珠玉のファンタジーと美しいイラストとのコラボ,のはずが

角田さんのファンタジー,文章力と表現力の素晴らしさで何が起きてもすっとはいってくる。さすが。 松井さんのイラスト,きれいです。では,果たして二つの良い作品がコラボしてよい本に仕上がったのか? 例えば最初の短編、”晴れた日のデートと、ゆきちゃんのこと”。帰り道はだいだいいろだ、...

角田さんのファンタジー,文章力と表現力の素晴らしさで何が起きてもすっとはいってくる。さすが。 松井さんのイラスト,きれいです。では,果たして二つの良い作品がコラボしてよい本に仕上がったのか? 例えば最初の短編、”晴れた日のデートと、ゆきちゃんのこと”。帰り道はだいだいいろだ、のひとことで、幼い日の一日の終わりに近づいた時間帯,まだ今日を引きずって遊んでいたい気持ちと,暮れて行く太陽の沈む前にうちに帰りたい気持ちとの甘酸っぱいせめぎ合い、住んでいた町の景色、色,一瞬にして鮮明に読者に情景を浮かび上がらせる。だから、いらないのだ。イラストが。 絵本は,最低限の文章で,書かれていない部分を描いてある絵から補足して行くもの。どちらも目一杯だと、味の濃いおかずばかり並んでいる食卓のように邪魔しあってしまうように思う。

はみがきこ

2026/04/11

最後まで読んで涙が出るような、救われた、と思うような、大切なお話。 このお話を手に取ったら、どうか最後まで読んでもらいたいな。 みんな、水にうつる私キラキラ光る冠をかぶって、水の上をボートで行くのかもしれない。 私は、どれだけのものをなくして来たのだろう、今まで生きてきて。なんと...

最後まで読んで涙が出るような、救われた、と思うような、大切なお話。 このお話を手に取ったら、どうか最後まで読んでもらいたいな。 みんな、水にうつる私キラキラ光る冠をかぶって、水の上をボートで行くのかもしれない。 私は、どれだけのものをなくして来たのだろう、今まで生きてきて。なんとも不思議で、あたたかくて、光に包まれた、心に残るお話だった。 いつまでもずっと感じ続けてしまう、みたいな。 夢なのかもしれない。人は夢の中にいるのかもしれない。何もかもすぐに忘れてしまうような夢。 子どもの時にしかなかったこと。忘れてしまうような、キラキラしたこと。それをなくす狭間の時。 分からなくても自分の正義で精一杯生きてきた。 すべてはなくなっていくけれど、覚えたことは覚えている。懐かしく思い出すこと。愛してしまうこと。 手元に置いて、読み返したい。

Posted byブクログ

2026/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一気に一度読み終わったが、内容も文章の言葉の的確さ、美しさ、儚さや、もうとにかくすごく良かった。また読み返して感想書きたい。それぞれご小品で別々の物語なのかな?と思ってたのが、全部繋がってて、感動。何度も読みたい。じっくり読みたい。 再読 どの作品も、ひりひりするくらい、気持ちの描写が凄い。手に取るようにわかる、というか。 ゆきちゃんとの再会も本当に嬉しくて感動的。 自分のもとに来なかったちいさな女の子のことも、その子のふるまいも、本人が、あ。と気づいた時の、せつなさでは言いきれない思いも。 デパートでの出会いからの、あばれ馬のような恋愛についての苦しいような描写も。 なくしたものたちの国。いつのまにかなくしたものたちが、いる場所。 本当に感動的な作品。電車で読んでて乗り過ごしそうになったり、降りて歩いてても、作品の世界に入り込んでしまってて、ふわふわ、していた。

Posted byブクログ

2025/10/23

すごく好き。 「どんなこともいつか懐かしくなる日がくるわ」 なんだか泣きたくなって、そんな気持ちになる自分が嬉しい。 絶対また時間をおいて読み返す。 超弩級の恋は足りないから超弩級になるんだと思う 自分が好きだと思うのと同じだけを、相手がかえしてくれなくて、あるいはかえして...

すごく好き。 「どんなこともいつか懐かしくなる日がくるわ」 なんだか泣きたくなって、そんな気持ちになる自分が嬉しい。 絶対また時間をおいて読み返す。 超弩級の恋は足りないから超弩級になるんだと思う 自分が好きだと思うのと同じだけを、相手がかえしてくれなくて、あるいはかえしてくれているようには思えなくて、それで、どんどんどんどん、好きが吸い取られていって、きづいたらとんでもないくらいの好きになっているんじゃないかな なくしたものばかりだ、と、二袋目の写真を見ながら、わたしは思う。落としてしまったもの、なくしてしまったもの、置き忘れてしまったもの、いなくなってしまったもの。写真はそれらで満ちている。 ここで笑っている友だちと、連絡が途絶えたのはいつだろう? あんなに大事にしていたこのピアスを、どこで落としたんだっけ?

Posted byブクログ

2025/02/25

成子ちゃんの一生のお話。とても救いのあるお話たちで読んでよかった。今まで自分の元にいたものや人、今もどこかで、自分の居場所で安心して過ごせていたらいいなあ。あとかたもなく消えてしまうんじゃなくて、形を変えたりしながらも今もどこかにいてくれたらうれしいな。死んでしまったじいちゃんば...

成子ちゃんの一生のお話。とても救いのあるお話たちで読んでよかった。今まで自分の元にいたものや人、今もどこかで、自分の居場所で安心して過ごせていたらいいなあ。あとかたもなく消えてしまうんじゃなくて、形を変えたりしながらも今もどこかにいてくれたらうれしいな。死んでしまったじいちゃんばあちゃん買っていた猫やうさぎにもいつか会えますように。絵も色がはっきりしてて好きだった。

Posted byブクログ

2024/04/24
  • ネタバレ

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泣いた。なくしてしまったもの、もう会えない人。それらはきっとどこかに存在し続ける。わたしとは交わらないどこかの国で。 喪失のかなしみをのりこえたいときに、オススメしたい小説。

Posted byブクログ

2025/12/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日常を描いているようで、その中に起こるちょっと不思議でファンタジックな事柄を日常に落とし込んでいるような気がする小説でした。ヤギのユキちゃんだって、ミケの生まれ変わりの銃一郎だって、ナリコ以外の人にとってはただのヤギでありただの少年なのに、彼女たちを特別大事に思っているナリコにとってはかけがえのない大事な人たちなんだと思いました。そういう大事に想われた経験のあるものだからこそ、無くなってしまった後に「なくしたものたちの国」へ行けるのかなと考えました。

Posted byブクログ

2023/04/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

出会えて良かった本。読んだ後、ああよかったと思った。物語だけど、分かる、と思うことばかりだった。 過去に無くして後悔したときの記憶やこれから無くすだろう、無くなるかもしれない、という私自身の不安が、本に触れている間だけでもなぐさめられたように思う。 不思議な出来事が起こるんだけど、騒ぎ立てず、静かに受け入れているところとか、最悪のタイミングだった時の心情とか、黒い気持ちでいっぱいになって自己嫌悪するところとか、作り話だとしても分かり合える人と出会えたようで嬉しかった。 ヤギのゆきちゃんと会話できなくなった場面では、そういえば、私も飼ってた犬とそういうことがあったのを思い出した。言っても信じてもらえないと思うし犬は犬だし、と押し留めていた思い出が不意に肯定されたようで嬉しいような、最期の時を思い出してしまってすごく悲しいような気持ちになった。話の中で、ゆきちゃんがずっと優しいことも余計に寂しさを誘った。 一瞬ジブリの黒猫が浮かんだけどそれはかき消した。 〜〜↓すごくネタバレ・あらすじ↓〜〜 主人公の小さい頃〜死ぬまでの5つの話。嫌な人は出てこない。 小学生の時、ヤギのゆきちゃんと友達になってお母さんのティアラを持ち出して無くしてしまった話、 高校生の時、昔飼ってた猫のミケの記憶がある男の子と知り合って、初めて終電で帰った日におばあちゃんが亡くなってた話、 33才の時、不倫をして生き霊になってしまった話、 生き霊卒業後、結婚して子供もできたけど電車に娘を忘れてきて管理庫に探しに行く話、 最後に、今までの色々と繋がって人生の終わりに向かう話。でもそれには怖さとか暗さは全く無くて、ゆきちゃんにもまた会えたし無くしたものも見つかった。 あぁこれかぁーとか、よかった、安心した、と思えるようなハッピーエンドだった。

Posted byブクログ

2022/10/24

忘れないようにしようと、ひとつひとつのものや景色や人に触れて私は思う。別の場所で、違う姿で、違うかたちで、違ういのちのありようで出会ったときに、思い出せるように、忘れないようにしよう。愛した人たち、愛したものたち、どうか忘れませんように。忘れてもいいのよと、耳元でおだやかな風のよ...

忘れないようにしようと、ひとつひとつのものや景色や人に触れて私は思う。別の場所で、違う姿で、違うかたちで、違ういのちのありようで出会ったときに、思い出せるように、忘れないようにしよう。愛した人たち、愛したものたち、どうか忘れませんように。忘れてもいいのよと、耳元でおだやかな風のようにだれかが言う。そう、その声の主だってわたしは思い出せないのだ。とても近しくて、たのもしい、やさしいだれか。忘れてもいいのよ、忘れていたって出会えばまた、どうしたって愛してしまうのだから。いいえ、どうしたって出会ってしまうのだから。P.182 ↑一番印象に残った言葉

Posted byブクログ

2022/07/31

主人公ナリコの一生が、5つの短編で描かれている。 不思議で甘酸っぱくてやさしい世界感でありながら、『死』というものを考えさせられた。 命あるものはいつか死ぬ。そしてまた生まれる? 『いま』を大切に生きよう、愛そうと思えた。

Posted byブクログ