なくしたものたちの国 の商品レビュー
さてさてさんのレビューを見て読み始めました! ちょっとファンタジー要素がある不思議な内容の話でいつの間にか引き込まれて一気に読んでしまいました。 特に好きなのは三章「なくした恋と、歩道橋のこと」タイトルも素敵です! 生き霊仲間で、超弩級の恋愛の話をするのですが、 その中の1...
さてさてさんのレビューを見て読み始めました! ちょっとファンタジー要素がある不思議な内容の話でいつの間にか引き込まれて一気に読んでしまいました。 特に好きなのは三章「なくした恋と、歩道橋のこと」タイトルも素敵です! 生き霊仲間で、超弩級の恋愛の話をするのですが、 その中の1人の権堂君が言うセリフで 「自分が好きだと思うのとおなじだけを、 相手がかえしてくれなくて、あるいは返してくれてるようには思えなくて、それで、どんどんどんどん、好きが吸い取られていって、気づいたらとんでもないくらいの好きになってるんじゃないかな」 おお!すごく納得いきました。 一番最後のところもすごく好きな言葉なので抜粋します! 「どこからここにきたか、ここからどこにいくか。 それはまったく等しい事のように、わたしは思える。 忘れないようにしようと、ひとつひとつのものや景色や人に触れてわたしは思う。 別の場所で、違う場所で、違う姿で、違うかたちで、違う命のありようで出会ったときに、思い出せるように、忘れないようにしよう。 愛した人たち、愛したものたち、どうか忘れませんよに。 素晴らしい小説でした。挿絵も可愛いです。
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短い5つのお話。 進むにつれて主人公が子供から大人になっていく。 前半の子供時代の部分は好きだった。 特に、いろんなもの(ヤギや木の葉はやドアノブ)と会話ができるなりこから見る世界はとても面白かった。 後半は私には正直よく分からなかった。
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こういうの、好きな人は好きだろう。 私にはなんだかよくわからなかった。 こういう、ふわっとした感じは苦手。
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挿絵がほっこり。お話にもほっこり。 1話目はユキちゃんという山羊と話せるファンタジー。ちょっと違うかなと思ったけれど、最後まで読んでよかった。 懐かしい気持ちも思い出したし、主人公が大人になっていく構成が面白かった。 なくしたものたちは、待っていてくれる。 自分もいつか、死ん...
挿絵がほっこり。お話にもほっこり。 1話目はユキちゃんという山羊と話せるファンタジー。ちょっと違うかなと思ったけれど、最後まで読んでよかった。 懐かしい気持ちも思い出したし、主人公が大人になっていく構成が面白かった。 なくしたものたちは、待っていてくれる。 自分もいつか、死んだらそこにいく。 いつかまた、姿形は変わってもまた会える。 この本を読んで、小さい頃大切にしてたぬいぐるみたちをふっと思い出した。日々忙しい中で、忘れていることはたくさんあると思う。 でも時々は、思い出せたらいいな、、
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成長と共に失ってきたもの、忘れてきたもの。それでいいのだけれどふとした瞬間に思い出すと蘇る感情を想起させる、そんな本。歳を重ねれば重ねるほどこの感覚が強まるのかも。
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子供の時いつも遊んでいたおもちゃとか大切にしていたもの、一緒に遊んだ動物や友だち、人生のその時そのときに喜怒哀楽を分かちあった大切な人たち…。けれどそういったモノや人達はいつの間にか自分の目の前から無くなってしまっている。それらは、彼らは、何処へいってしまったのだろうか?もう二度...
子供の時いつも遊んでいたおもちゃとか大切にしていたもの、一緒に遊んだ動物や友だち、人生のその時そのときに喜怒哀楽を分かちあった大切な人たち…。けれどそういったモノや人達はいつの間にか自分の目の前から無くなってしまっている。それらは、彼らは、何処へいってしまったのだろうか?もう二度と会えないのだろうか?そんな、誰もが胸の奥深いところで一度は思ったことがあるであろう問いに優しく答えるかのように、この物語は暖かく安心な場所へと誘ってくれます。松尾たいこさんのイラストから生み出された角田光代さんの珠玉の小説。私もずっと、同じようなことを、思っていたので、時が流れていくことが時にたまらなく辛く感じていたのですが、この本を読んで、ああまたきっと、形を変えて、場所をかえて、みんな会うことができるのかもしれないなぁ…と思い、深く癒されました。私も安心して前を向いていけるような気がします。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とっても良かった。過去作にpresentsという短編集を出されているが、同じぐらいに好きだ。 presentsと同じように、人が生まれてから死ぬまでに得るもの・無くすものが描かれている。もちろん、タイトル通り、無くしたものにウェイトが置かれている。 主人公は雉田成子さんという名前で、生き物の声が聞こえたり、亡くなった飼い猫の生まれ変わりにであったり、生き霊になれたり不思議な出来事に出会ってはその現象に遭うことが無くなる。それをきっかけに、物ではないが得るものがあるということは、無くしたものが得たものに姿・形を変えて成子さんのもとに巡ってきたのだろうと思った。 そして成子さんが「なくしたものたちの場所」に来たということは───?? 人でも物でも、今ここで一緒に存在していることが不思議に思える。人や物、何でも大切にしたくなる、そんな一冊だった。
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久しぶりに、あっと衝撃を受けた本。 本を読んで涙が出たのはいつぶりかな。 わたしも小さい頃から落し物したり、物をよく無くす。 それに、 大切にしていたペットや、大好きな人との別れ、 これからくるであろう永遠の別れを想像しただけで 本当に怖くて怖くて仕方がない。 でも、この本に...
久しぶりに、あっと衝撃を受けた本。 本を読んで涙が出たのはいつぶりかな。 わたしも小さい頃から落し物したり、物をよく無くす。 それに、 大切にしていたペットや、大好きな人との別れ、 これからくるであろう永遠の別れを想像しただけで 本当に怖くて怖くて仕方がない。 でも、この本にあるように なくしたものたちの国があって、そこに向かって毎日 少しずつ進んでいるのだとしたら。 自分が死ぬ時、みんなで待っていてくれて また会えるのだとしたら。 死と、新しく生きることは、きっと同じことなんだ。 そんな風な、普段言葉だけで聞かされても、嘘だーと 思ってしまうようなことが、すーっと入ってくる。 生きている時のことを忘れても、 愛している人、物たちにはどうやっても出会ってしまう。 姿形を変えていても、きっとそうなんだ。 そう確信しました。 大切に持っていたいと思える本。
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「忘れたっていいのよ」 忘れたもの失くしたものは、無くなったんじゃなくて別のところに移動した。 だったら忘れる事も失う事も怖くないや、って、おだやかなゆったりとした気持ちになれました。 5年とちょっと前、精神病棟に入院していたとき読みました。患者仲間に(たしか伊坂幸太郎の)の...
「忘れたっていいのよ」 忘れたもの失くしたものは、無くなったんじゃなくて別のところに移動した。 だったら忘れる事も失う事も怖くないや、って、おだやかなゆったりとした気持ちになれました。 5年とちょっと前、精神病棟に入院していたとき読みました。患者仲間に(たしか伊坂幸太郎の)の本をもらってその御礼にプレゼントしたのもこの本でした。 優しくてそのまま。たおやかに流れる文章、空間、挿絵。 文庫が出たとき迷わず買いました。 今回で3回目か4回目。 どの話も愛おしい。
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なんて素敵な本なんだろう。読むのがもったいないくらい。 やぎのゆきちゃん、お母さんのかんむり、だれかを好きだった思い、片方だけのピアス、木々の葉。みんな、なくなってなんかいなかった。わたしを待っていてくれたんだ。記憶はなくなるんじゃない、静かに、別の場所に移動していくだけ。温かい...
なんて素敵な本なんだろう。読むのがもったいないくらい。 やぎのゆきちゃん、お母さんのかんむり、だれかを好きだった思い、片方だけのピアス、木々の葉。みんな、なくなってなんかいなかった。わたしを待っていてくれたんだ。記憶はなくなるんじゃない、静かに、別の場所に移動していくだけ。温かい思いに包まれて、今のままで大丈夫だよって言ってもらえた気分。また読み返したい。
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