わたしをみつけて の商品レビュー
「いい子じゃないと、いけませんか。」 内へ内へと向けられた思い。 「いい子じゃないと、捨てられる。」 その思いが、周りの人たちに支えられ外へと向けられる。 「わたしはわたし。」居場所を見つけるまでの流れが自然で 心静かに読み終える事が出来る。
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中脇初枝さんが包み隠さず表現してくれる「人の心」にハマッています。どんなに情けない人にも,どんなに酷い人にも,作品の最後には救いの光が当てられているのが嬉しいです。私自身も抱えたことのある「説明のできない感情」をここまで解りやすく表現してくれる嬉しさも。
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生まれてすぐ捨てられてしまい施設で育ち、 大人になり、准看護師として働いている女性の物語。 「きみはいい子」に根底で通ずる作品と感じた。 捨てられてしまったからという特有のものではなく、 誰もがみな共感できるアイデンティティの形成、獲得にかかわる ゆらぎ、葛藤、抑圧などが見事に...
生まれてすぐ捨てられてしまい施設で育ち、 大人になり、准看護師として働いている女性の物語。 「きみはいい子」に根底で通ずる作品と感じた。 捨てられてしまったからという特有のものではなく、 誰もがみな共感できるアイデンティティの形成、獲得にかかわる ゆらぎ、葛藤、抑圧などが見事に描かれている。 子どもの頃、いや大人になってからでも持ち続ける 「いい子にしなくては…」という強迫観念めいた不安。 その不安と向き合いながらも自分というものを主張したり、 周りから諭されたりして自分というものが確立されていく。 本作では捨てられたという自分の存在にとって決定的な事実により、 「自分」というものの不安定さやあいまいさ、 根本的にわるい子ではないかと思う感情など、 主人公の心の機微がやさしくつつましく紡がれている作品だと感じた。 自分に自信のもてないひとにとくに一度は読んでほしいと思った。
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ページを開いた瞬間、優しい印象を受けました。行間、インクの濃さ、上下の空きなどのせいだと思います。本を読んではっとしたり、気づかされることがよくあります。それは複数の本にまたがって、同じ事だったりもします。この本からは、「現状の自分が持つ幸せに気づく大切さ」をメッセージとして受け...
ページを開いた瞬間、優しい印象を受けました。行間、インクの濃さ、上下の空きなどのせいだと思います。本を読んではっとしたり、気づかされることがよくあります。それは複数の本にまたがって、同じ事だったりもします。この本からは、「現状の自分が持つ幸せに気づく大切さ」をメッセージとして受け取りました。 医療現場の描写は、本当にこんなんだったら怖すぎる!し、大変なお仕事だよなあ、とも思う。読んでおいてよかった、とも思います。
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親に捨てられ施設で育った准看護士の女性の話。 心を閉ざしていた彼女だが、新しく赴任されてきた師長の行動や言葉でたくましく成長していく。 ずっと彼女が抱えてきた自分の居場所をなくすのが怖いという心理描写が細やかで、痛いほど伝わってきた。 それにしても、なんてひどい院長だろう。看護師たちの意識が変わることによりあの病院も変わっていくといいのだが。
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損なわれてしまった人たちが、徐々に自分を見出していく。なんとなくではない。努力して温かさは伝わっていく。師長と菊池さんに感謝。おかしいけれど。フィクションであることをわかった上で。
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三月に生まれたから弥生、ではなく 三月にに捨てられたから弥生。 准看護師として働く、親に捨てられいい子でも悪い子でもない弥生の物語。 ところどころじーんとくる言葉たちが多い中で、惜しいなーって思うことが多すぎる。前作きみはいい子でこの著者を知りましたが、感動系、可哀想系でキレイ...
三月に生まれたから弥生、ではなく 三月にに捨てられたから弥生。 准看護師として働く、親に捨てられいい子でも悪い子でもない弥生の物語。 ところどころじーんとくる言葉たちが多い中で、惜しいなーって思うことが多すぎる。前作きみはいい子でこの著者を知りましたが、感動系、可哀想系でキレイに物悲しくまとめただけでなんか足らない。その物足りなさ、惜しいなーと思わせる感じが今作ではより強くて、じーんとくるものがあったなかでほんとうに残念。 終わり方もそう。結末とかわからない感じとかうまくやればそれはそれで良いけど、これは弥生が初めて世の中にはいい人もいると思わせてくれた菊地さんの生死をハッキリさせないこと。雰囲気的に多分助かるんだろうけど、こういう終わり方は好きではないし、好きな人いないんじゃないかな。 なんか携帯小説っぽいんだよね、随所で。 それかセカチュー的な。泣かせてやるよほらほらという作者の意気込み的なものはひしひしと伝わりました。惜しいな。
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親に捨てられ施設で育った准看護士の女性のお話。新任の師長との出会いをきっかけに心を閉じていた主人公が強く逞しくなっていく展開は丁寧な心理描写で良かった。でも、前作ほどの感動はなくサラッと読了。医療現場のエピがよくある内容だからか。
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中脇 初枝先生、担当者様(@kimi_iiko)、ありがとうございます。 大過なく、ひたすら自分を・息を殺して過ごす、その日常が・人生がぐわーっと中盤から大きく動き出すところが、いや、本当は序盤から動き出していることに気がついたとき愕然とするというか ああ、『自分』は変わる・変え...
中脇 初枝先生、担当者様(@kimi_iiko)、ありがとうございます。 大過なく、ひたすら自分を・息を殺して過ごす、その日常が・人生がぐわーっと中盤から大きく動き出すところが、いや、本当は序盤から動き出していることに気がついたとき愕然とするというか ああ、『自分』は変わる・変えられるのかなぁ。 変わろうとする人、戦っている人、みんながんばれ。 個人的には、この直前に読んだ小説が『世界地図の下書き』で、事情のある子どもたちの施設が出てくるあたりうっと胸が詰まりかけた。 いやホント、選択の妙だったんだけど、偶然て無くて全てが必然だとすると、何に呼ばれたんだろう私。
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※このレビューにはネタバレを含みます
現市長の苗字の山本、親に捨てられた月が3月だから弥生 そんな悲しい名づけ方があることをこの本で知りました。 弥生の名前にコンプレックスを持つ主人公は「また捨てられないために」 誰にでもいい顔をしてしまう。時間を守らない医者にも手術前にいいかげんな態度をとる院長にも。自分が何者なのか、誰から生まれてきたのか分からないままただ日々生きるために仕事を無難にこなす。唯一自分の家だけが”ずっといてもいい場所”だと安心できる。 そんな日常を生きてきた弥生が新しくきた看護師長に感化され、少しずつ変化していく様が描かれています。 ”我慢”して”いい子”でいないと誰からも必要とされないと思っていた弥生に対して師長は優しく間違いを正してくれる。師長の言葉で今まで気づけなかった人の優しさを知り、弥生が”我慢”することも”いい子”でなくてもいいのだと思えるようになるまでの道のりにでてくるエピソードはじわじわと胸を打ちます。 師長によって変わったのは弥生だけではなく、神田さんもその一人です。正看護師ながらミスを繰り返す神田さんは暴力を振るう男性と縁が切れず、子どもに対して暴力を振るってしまう。 立場も性格も違うけれど弥生と同じ”我慢”をしている神田さんも師長により他人からの優しさに気づきます。 「きみはいい子」でもでてきた子どもに暴力を振るってしまう親の立場を偽善的ではなく、何故悪いことだと自覚していて繰り返してしまうのかが描かれていて考えさせられます。 「暴力の痛みは暴力を受けた人にしか分からない」痛いと知っているのにそれを子どもにしてしまう。 ままならぬ感情と葛藤を抱いている神田さんが師長により前を向いていく姿は弥生とはまた違う側面から人のさりげない優しさを垣間見ることができました。 医者と看護師、看護師と患者の家族、すべてが思い通りにいくわけではありませんが、困難のなかでも師長や菊池さんのような善意の人がいて見守ってくれていると思える。そんな人のために生きたい、自分のような人を見守っていけるようになりたいと願うようになる弥生。 日常のなかでは見過ごしがちなさりげない優しさ、自分ひとりで生きているわけではないということに気づかせてくれる本でした。
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