折れた竜骨(下) の商品レビュー
「折れた竜骨(下)」を本棚に登録しました。/ http://booklog.jp/item/1/448845108X 米澤穂信が放つ、ファンタジー×ミステリー。上下巻だったけど一気読みしてしまいました! ファンタジーとしても、推理小説としても完璧です。伏線が綺麗に張られていて、...
「折れた竜骨(下)」を本棚に登録しました。/ http://booklog.jp/item/1/448845108X 米澤穂信が放つ、ファンタジー×ミステリー。上下巻だったけど一気読みしてしまいました! ファンタジーとしても、推理小説としても完璧です。伏線が綺麗に張られていて、丁寧に読めば絶対犯人が分かるように作られています。 舞台は北海に浮かぶソロン諸島。 ある日一人の騎士と従者がその島の領主に「あなたは恐るべき魔術の遣い手である暗殺騎士に命を狙われている」と忠告しにやってくる。彼らの訪問から間も無くして、領主は何者かに殺され・・・。
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とにかく全編通して、読み応えが少しも衰えないのが素晴らしい。 導入部から事件の発生、さまざまに足を運んで推理を披露し、そして見える真実…。 それらが中世ヨーロッパの時代、魔術というファンタジー要素を取り込んでなお、むしろ取り込んだからこその表現でもって描かれる。その筋書きには...
とにかく全編通して、読み応えが少しも衰えないのが素晴らしい。 導入部から事件の発生、さまざまに足を運んで推理を披露し、そして見える真実…。 それらが中世ヨーロッパの時代、魔術というファンタジー要素を取り込んでなお、むしろ取り込んだからこその表現でもって描かれる。その筋書きには無駄がなく、だからこそ洗練された読後感を生み出しているように感じた。
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下巻。 最後の最後まで面白かった。怒涛の如く世界に引きずりこまれる展開。米澤先生、流石です。 戦闘パートも魅力的な本巻。次々に起こる事象に、読む手が止まらない。遂に現れた彼ら。圧倒的な絶望感。そして、見え始める傭兵たちの真の力。そのまま戦記モノでも、納得の内容。しかし、あとがきで...
下巻。 最後の最後まで面白かった。怒涛の如く世界に引きずりこまれる展開。米澤先生、流石です。 戦闘パートも魅力的な本巻。次々に起こる事象に、読む手が止まらない。遂に現れた彼ら。圧倒的な絶望感。そして、見え始める傭兵たちの真の力。そのまま戦記モノでも、納得の内容。しかし、あとがきでも書かれている通り、「魅せられて書いたミステリ」。まさに、謎解きは戦争の後で(こらこら 最後の最後まで、この師弟は良かった。間違いなく名作。SF色も相まって、超オススメです。 「時が来たなら、迷わず義務を果たせ」
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他人を操る暗殺騎士の卑劣な魔術によって「走狗」となり領主を殺した誰か。 容疑者は10人。 一方、海からは「呪われたデーン人」たちが島を略奪する為に迫ってきていた。 鋭い洞察と正しい論理は魔術をも打ち破り真相に届く。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分の初歩的ミスで犯人がわかってしまって萎えていたけど、さまざまな場面に散りばめられた謎や要素が、うまいこと使われていたところはさすが。文庫版あとがきにもあるように、特殊設定ミステリといえば山口雅也の生きる屍の死というとても秀逸な作品があるので、どうしてもそれと比べてしまうけど、それと比肩するほど上手く特殊設定をミステリ要素に組み込んでいたかと。とくに、デーン人が密室から消失したトリックあたりが個人的に好きかな。
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狂言回し役や語り部が実はというパターンはミステリーとしてはパターン化しているものではあるが、本人が忘れてしまうという魔法が織り込まれていることが本作のミソである。前編までは世界観と登場人物たちの立ち位置の説明が主であり、犯罪の発生までだったので、少々、間延びした感があったが、後編...
狂言回し役や語り部が実はというパターンはミステリーとしてはパターン化しているものではあるが、本人が忘れてしまうという魔法が織り込まれていることが本作のミソである。前編までは世界観と登場人物たちの立ち位置の説明が主であり、犯罪の発生までだったので、少々、間延びした感があったが、後編では、ミステリーには無いファンタジーとしての活劇もあり、一気に盛り上がり、最後は王道の探偵、かく語りきというパターンで謎解きが進行する。探偵の謎解きでは、何故、容疑者たちの立ち位置と、その周りに入念に張りめぐされた伏線の全てに意味を持たせ、フーダニットに収斂していくところは、まさに王道である。ファンタジーとしても一級で、続編があってもおかしくはないぐらいの世界観である。
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これはやっちゃいけないパターンでしょ。 まぁ、それとは関係なく恐ろしくつまらない。話の展開に面白くなる期待がなにも持てないのを我慢して読み進めたのに、最後がこれでは救われない。
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下巻は戦闘シーンもあって、怒涛の展開。推理ものに戻って、最後は驚きの展開。一日で一気に読み終えました。とても面白かった。
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ファンタジーという特殊設定の中でどれだけ探偵術は有効か、という試みがユニークなミステリの下巻。クローズドサークル内に起こった殺人、限られた容疑者の中から純粋推理によって導き出される犯人。「論理と思考の力は魔術に勝てるのか?」というテーマがぴりりと効いており、誰が犯人か判明するラス...
ファンタジーという特殊設定の中でどれだけ探偵術は有効か、という試みがユニークなミステリの下巻。クローズドサークル内に起こった殺人、限られた容疑者の中から純粋推理によって導き出される犯人。「論理と思考の力は魔術に勝てるのか?」というテーマがぴりりと効いており、誰が犯人か判明するラストまでぐいぐい読ませる。呪われたデーン人のものがなしい佇まいもよい。
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最近よくある、主人公が犯人でした!、という安い物語では決してない。魔法という一種のミステリにおいては反則級の要素を用いつつ、その枠の中で推理を完成させている。この状況であれば彼は犯人ではない、という非常に論理的な構成を具に繰り返した結果の、探偵役が犯人だった、である。 新しいミ...
最近よくある、主人公が犯人でした!、という安い物語では決してない。魔法という一種のミステリにおいては反則級の要素を用いつつ、その枠の中で推理を完成させている。この状況であれば彼は犯人ではない、という非常に論理的な構成を具に繰り返した結果の、探偵役が犯人だった、である。 新しいミステリの形を私はここに見ている。これからも楽しみ。
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