折れた竜骨(下) の商品レビュー
ファンタジーという特殊設定の中でどれだけ探偵術は有効か、という試みがユニークなミステリの下巻。クローズドサークル内に起こった殺人、限られた容疑者の中から純粋推理によって導き出される犯人。「論理と思考の力は魔術に勝てるのか?」というテーマがぴりりと効いており、誰が犯人か判明するラス...
ファンタジーという特殊設定の中でどれだけ探偵術は有効か、という試みがユニークなミステリの下巻。クローズドサークル内に起こった殺人、限られた容疑者の中から純粋推理によって導き出される犯人。「論理と思考の力は魔術に勝てるのか?」というテーマがぴりりと効いており、誰が犯人か判明するラストまでぐいぐい読ませる。呪われたデーン人のものがなしい佇まいもよい。
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最近よくある、主人公が犯人でした!、という安い物語では決してない。魔法という一種のミステリにおいては反則級の要素を用いつつ、その枠の中で推理を完成させている。この状況であれば彼は犯人ではない、という非常に論理的な構成を具に繰り返した結果の、探偵役が犯人だった、である。 新しいミ...
最近よくある、主人公が犯人でした!、という安い物語では決してない。魔法という一種のミステリにおいては反則級の要素を用いつつ、その枠の中で推理を完成させている。この状況であれば彼は犯人ではない、という非常に論理的な構成を具に繰り返した結果の、探偵役が犯人だった、である。 新しいミステリの形を私はここに見ている。これからも楽しみ。
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初・米澤穂信。上巻と比べて展開が早すぎる。内容が濃くてハラハラしながら一気に読み進めてしまう。終盤はもっと長めに、ゆったりと書いてほしかった。しかしボリュームはちょうどいい。終わりは嫌いじゃない。いいと思う。「全部(話を)片づけていけよ」と思わなくもないけど、「その後」の解説は親...
初・米澤穂信。上巻と比べて展開が早すぎる。内容が濃くてハラハラしながら一気に読み進めてしまう。終盤はもっと長めに、ゆったりと書いてほしかった。しかしボリュームはちょうどいい。終わりは嫌いじゃない。いいと思う。「全部(話を)片づけていけよ」と思わなくもないけど、「その後」の解説は親切だと思う。久しぶりにいい余韻が残った作品。おススメ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
文句なく面白い作品。 読む前は魔術やら暗黒騎士やらが出てくるファンタジー物で、ミステリーってどうなの? って思っていたけど、実際は魔術でなんでもありの展開ではなくて 決められた設定の中で展開されるちゃんとしたミステリーものでした。 ストーリーも爽快で、キャラクターにも愛着がもてるのも読みやすかった。 特に、最後のシーンでのファルクの「最後の稽古をつけてやろう!」の 台詞はその時のファルクの心中を察すると涙ものでした。 是非とも続編を読んでみたいです。
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ファンタジーの世界での犯人探し。凶器を使えたかどうかに加えて、魔法の対象になり得たかどうかが犯人を絞り込むポイントになっている。 魔法の世界の中で様々な制約条件があることと、デーン人との戦いなど、事件と直接関係しない部分も多いことで、ミステリーとしてはあまり入り込めなかった。 タ...
ファンタジーの世界での犯人探し。凶器を使えたかどうかに加えて、魔法の対象になり得たかどうかが犯人を絞り込むポイントになっている。 魔法の世界の中で様々な制約条件があることと、デーン人との戦いなど、事件と直接関係しない部分も多いことで、ミステリーとしてはあまり入り込めなかった。 タイトルは何か深い意味があるのかな?
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いやいや、下巻は一気読み。 不吉に降り出した雪が魔術や呪いが跋扈する閉ざされた島の世界を盛り上げる。 いきなりファルクに毒が盛られて立ち回りが演じられ、それも束の間、領主殺人の謎を追うさなかに呪われたデーン人が襲来し、達人技や魔術が入り乱れる合戦が繰り広げられる。 戦勝の宴で行わ...
いやいや、下巻は一気読み。 不吉に降り出した雪が魔術や呪いが跋扈する閉ざされた島の世界を盛り上げる。 いきなりファルクに毒が盛られて立ち回りが演じられ、それも束の間、領主殺人の謎を追うさなかに呪われたデーン人が襲来し、達人技や魔術が入り乱れる合戦が繰り広げられる。 戦勝の宴で行われる謎解きは、これまで蒔かれた異世界の出来事が伏線としてきちんと回収される。 次の展開が待てなくて次々と頁を捲るって感じ。 理屈で納得させた決着に、理に落ちずベタなラストがまた好ましく。
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ミステリーと聞いて読みだすと、不死者や魔術といったファンタジー要素がでてきて、ミステリーとしての要素が本当にあるのか疑ったものです。 ですが読み進めてみると、決してなんでもありなゴリ押しといった謎の解決ではなく、オリジナルの設定を活かし、かつ整理された理詰めの謎解きは、疾走感をも...
ミステリーと聞いて読みだすと、不死者や魔術といったファンタジー要素がでてきて、ミステリーとしての要素が本当にあるのか疑ったものです。 ですが読み進めてみると、決してなんでもありなゴリ押しといった謎の解決ではなく、オリジナルの設定を活かし、かつ整理された理詰めの謎解きは、疾走感をも感じさせるものでした。 米澤さんの書籍の中でも珍しい切り口の書籍と思います。 他の書籍を読んでいる人でも驚かさせるのではないでしょうか。 より一層この作者の作品を好きになれた書籍です。
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文中にあった会話で、…だろうなと思いはしたけど、結末までは考えてなかった〜。舞台も時代も良かったのでは(^O^)
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始めは前巻から引き続き殺人者が誰なのかの調査を続けていくのですが、呪われたデーン人の襲撃が始まり、彼らとソロンで雇われた傭兵や騎士たちとの戦いの場面にしばらくの間入ります。曲者ぞろいの傭兵たちが戦う場面は緊迫感があって面白かったです。 その後、殺人者の正体が明かされますが、予...
始めは前巻から引き続き殺人者が誰なのかの調査を続けていくのですが、呪われたデーン人の襲撃が始まり、彼らとソロンで雇われた傭兵や騎士たちとの戦いの場面にしばらくの間入ります。曲者ぞろいの傭兵たちが戦う場面は緊迫感があって面白かったです。 その後、殺人者の正体が明かされますが、予想外の展開で終わり方も良かったです。
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途中で犯人がわかってしまって残念だったけど、気付いてから最後までも面白く読めたし色んな意味で裏切りがなく良かった。 ニコラかっこいい。
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