残月 の商品レビュー
シリーズ8作目。 明るい日差しが差し込んできたようなストーリーに少しほっとしました。 澪を取り巻く周りの人たちの歯車が少しずつ動き始めていきます。 種市の決意、伊佐三一家の決意、佐兵衛の話。 澪は母と慕う芳から親離れを、美緒も幸せになり、ふきも前を向いて手習いに精を出す… 澪を...
シリーズ8作目。 明るい日差しが差し込んできたようなストーリーに少しほっとしました。 澪を取り巻く周りの人たちの歯車が少しずつ動き始めていきます。 種市の決意、伊佐三一家の決意、佐兵衛の話。 澪は母と慕う芳から親離れを、美緒も幸せになり、ふきも前を向いて手習いに精を出す… 澪を始め、みんな強くなったなぁと心が温かくなりました。
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主人公の周りの人達が順番に幸せになりつつあります。残るは主人公と医師と幼馴染と・・・もしや想い人の再登場があるのか・・・?などと期待しております。
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プロポーズきたー!! 「あなたは得難いひとだ。残る人生をあなたとともに歩みたい、そう願っています」 「亡くなった嘉兵衛さんへの想いもあるでしょう。気持ちに区切りをつけることは難しいかもしれない。けれど、私はそうした想いも全て受け止めて、あなたというひとと生きていきたいのです」 ...
プロポーズきたー!! 「あなたは得難いひとだ。残る人生をあなたとともに歩みたい、そう願っています」 「亡くなった嘉兵衛さんへの想いもあるでしょう。気持ちに区切りをつけることは難しいかもしれない。けれど、私はそうした想いも全て受け止めて、あなたというひとと生きていきたいのです」 「芳さん、どうか、私のもとにいらしてください。あなたが受けてくださるまで、この命のある限り、待たせて頂きます」 かっこいいわー!渋いっ!器がでかいっ!大人の男! 柳吾って、そういえば房八と芳との仲に入ってくれたよな・・・。房八の手前、複雑なこともあるかもしれんけど、柳吾かっこいいわ!
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ついに果たされた再会 母の幸せも見えて来ました 前々から臭ってはいましたが、天満一兆庵の江戸店が潰れたのにはやはり・・・ それに見事な啖呵を切った澪 店主の決心、ふきの成長、澪の行く道に条件は整いつつあるようです
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悲しいこと続きの前巻から少しづつ幸せが。芳さんは本当に良かったです。今回の主役ですね。これまでひとつだったつる家の面々にもそれぞれ今後への思いが芽生えています。どうなるんでしょう。それにしても源斉はいい人すぎますね、彼こそ報われてほしいです。 ドラマ楽しみ!
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【読書感想】「残月 みをつくし料理帖」 高田郁 吉原の大火、「つる屋」の助っ人料理人・又次の死。つらく悲しかった時は過ぎ、澪と「つる家」の面々は新たな日々を迎えていた。そんなある日、吉原の大火の折、又次に命を助けられた摂津屋が「つる家」を訪れた。あさひ太夫と澪の関係、そして又次が今際の際に遺した言葉の真意を知りたいという。澪の幼馴染み、あさひ太夫こと野江のその後とは。(第一話「残月」) その他、若旦那・佐兵衛との再会は叶うのか?料理屋「登龍楼」に呼び出された澪の新たなる試練とは・・・。雲外蒼天を胸に、料理に生きる澪と「つる家」の新たなる決意。希望溢れるシリーズ第八弾。 発売日直後に買ってたけど読めておらず、最近読みました。 相変わらず面白い。このシリーズはハラハラする展開があるわけではないんですけど、「じっくりじんわり。」な良さがあります。 澪の作る料理は相変わらず町の人たちに評判がよい。 読んでて本当においしそう。 ひとつひとつのメニューは現代の食生活と比較すると全然新しいものではないし、むしろ超地味なんだけど、 何故だか澪のように「丁寧に」作って食べてみたい、と思ってしまいます。 又さんが亡くなって「つる家」のみんなはまだまだ悲しみのなかにいるんですが、そんななか迎えた初盆に澪は亡き人を思う面影膳を作ります。町では流行り病で子供を失った人も多く、「つる家」のみんなだけではなく「つる家」を訪れた客たちも面影膳を食べそれぞれが亡くなった人たちを思いだします。 お盆の終わりが近付いた日の朝、「つる家」の下足番で又次を慕っていた少女ふきは、天国に又次を帰すのがいやで送り火を焚くために使う皿をこっそり植木鉢のうしろに隠します。 昔の人たちはお盆とか正月とか季節や暦を今よりもずっと大切に大事にしてたんですよね。 私もお盆には実家で墓参りに行くし、季節の行事もなんとなくは知ってるけど、そんなにしみじみとした思いとか行事の意味とか考えてませんでした。ふきが又次を天国に返したくなくて送り火を焚くためのお皿を隠すって、子供にとってもお盆のもつ意味をちゃんとわかってて、仏様が降りてきて戻っていくっていうのを信じていたからこその行為なわけです。なんだかそれがいいなぁと思いました。 別に今の時代がダメだとか昔がよかったとかいうつもりはないんですけど、現代の早すぎて疲れやすいテンポの生活のなかで、例えばこういうふうに季節の行事とか昔からの暦のいいところを少しもらって、しみじみとご飯を食べたり、親しい人や親しかった故人を思うとかしてみると、なんかそのときだけでもテンポがゆっくりになって、少しホッコリできるんじゃないのかなぁ。 そういう時間をみんなが少しずつでも持てたら、少しだけ世界がゆるくなんないかなぁ。 この小説を読む前、育休の後半あたりから私は歯の詰め物がとれて数年ぶりに歯医者に行きました。で、虫歯を発見されてちょっと前まで治療してたんです。 この虫歯があったことが大袈裟かもしれないけどなかなかショックだったんですね(笑) 「そういえば親が二人とも入れ歯になってるけど、いつのタイミングで私は入れ歯になるんだろう」とか、「歯がなくなっていくときは抜いてもらわないといけないのか」とかぐるぐる考えて、今までの己の歯に対してのあまりの無関心さに憤りを覚えました。「酔っ払って歯磨きせずに寝るとか、朝忙しすぎて歯磨きしないとか、なんて歯に対してかわいそうなことをしていたんだ!」と。 そして、改めて思ったんですよ。 毎日三食きちんと食べてちゃんと歯磨きするとか、 毎日のご飯をよそ見して焦がしたりせず美味しく作って食べるとか、 毎日洗濯をしてちゃんと取り込んで畳んでタンスにしまえることとか、 毎日お化粧をしてキレイな身なりで仕事にいくこととか、 毎日子供と向き合って遊べることとか、 毎日お風呂にゆっくりつかってノンビリする時間を作ることとか、 毎日自分の体調とか体のこととか少しでも気をつけることとか、 言ってみれば当たり前の、ごくごく基本的な日々のことを「丁寧に」続けることってすごく難しいなぁと。 いや、できる人にとってはどれも当たり前にできていることかもしれず、そういう人からみたら全部バカみたいなことなのかもしれないけど、「丁寧に生活する」って私にはだまだ遠いことなんですよねぇ。 そんなことを思っていた矢先にこの小説をよんだので、なんだか本のなかの人たちが、丁寧にご飯を作って、丁寧に味わってご飯を食べて、丁寧に近くにいる人を思うことの、その丁寧な部分に、すごく目がいきました。 ロハスな生活とか自然食とかまでいかなくても、ほんのすこしずつでも、丁寧に暮らしてみようかなぁ。 雑だもんねぇ。根本が(笑)。。。
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「みをつくし料理帖」シリーズ第八巻。前巻の悲哀を色濃く残しながら、それでも皆が少しずつ希望を取り戻し、前へ進んでいきます。 料理を通して真摯に人を思う澪の心意気はいつものことながら、「人のため」だけではなく、料理人としての自分の才を存分に発揮する一品を追い求める澪に、いままで...
「みをつくし料理帖」シリーズ第八巻。前巻の悲哀を色濃く残しながら、それでも皆が少しずつ希望を取り戻し、前へ進んでいきます。 料理を通して真摯に人を思う澪の心意気はいつものことながら、「人のため」だけではなく、料理人としての自分の才を存分に発揮する一品を追い求める澪に、いままでと違うかっこよさを感じました。 澪を取り巻くつる家の面々にも変化が訪れ、澪にもついに料理人として次の段階へ向かう道が示されます。 今回特に印象に残ったのが、ふきの成長。かけがえのない人を失って特に悲しみようの深かったふきが、やがて又次の教えを守り、形見のたすきを締めて澪の傍らに立つ姿を頭に思い描くと涙が出ます。 それにしても、人物の魅力もさることながら、情景描写が本当に素敵。 秋の深まりを「初雁を眺め、赤蜻蛉と親しむ」、初雪を「まだ積もる力もない儚い雪」などなど・・・。 情景が変わるごとに入る描写の一文に惚れ惚れしながら読みました。
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みをつくし料理帖の8~大火傷を負って死んだ又次のために精進料理を作るのだが,高野豆腐は江戸っ子の口に合わないらしい。戻して味を含ませ,掛けた氷豆腐の粉を付けてごま油で揚げると好評を得た。内藤新宿に住むあさひ太夫の新造だったしのぶが店に来て包丁細工を見て,吊り忍売りを思い出した。澪だけがしのぶを訪ねると天満一兆庵の若旦那に違いはないが,看病していた女房は元飯盛で母親にそのことを教えたくなかったのだ。登龍楼からの誘いを四千両の賭で逸らし,暫く待っても若旦那の佐兵衛からは連絡がなく,長屋も引き払ってしまったという。料理の思案していると大雨が降り,両親を失った大坂の出水を思い出す。佐兵衛も心配して見に来るかも知れないと思い俎橋に行くと,一柳の亭主・柳吾と若い男が揉み合っている。その若い男こそが佐兵衛でつる屋に引き摺っていき母子の再会はなったが,佐兵衛は二度と包丁を握ることはないが,落ち着き先が決まったら連絡すると言って帰っていった。医師の源斉が訪ねてきて,焼け出された翁屋の亭主が澪を呼びつけた。あさひ太夫とつる屋の料理人として対面した幼馴染みは,太夫を救った又次の最期を伝えた。源斉の言葉から黄身か白身だけを調理する術はないかと思案し,澪は黄身の味噌漬けに味醂の絞り滓を加える工夫をなし,口ではこの程度と蔑む采女を驚かすことはできた。芳に迫っていた旅籠屋が後添いを貰う宴席の料理を坂村堂を通して澪は依頼され,天上昆布を拵えた。久し振りに柳吾と話した嘉久は激昂し倒れた。嘉久は本物の料理屋がなくなってはいけないと娘に父の気に入った料理人の婿を添わせようと提案したのだった。戯作者の口利きで,澪は吉原再建時につる屋から出ることが決まり,下足番だったふきに澪は料理を仕込み,芳は柳吾の看護の為に一柳に通い,父と子の仲も取り持った~源斉との仲が進んでいくのね。このシリーズの最後だけ先に読んじゃったけど…二人は手を取り合って大坂へ…。黄身の味噌漬けはさっそく登龍楼が盗みました!
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今回は、前の巻とはうってかわって、良いことがたくさんあった巻だった。 野江ちゃんに会えたし、佐兵衛さんに会えたし、 芳さんは天満一兆庵の再建は諦めたが違う幸せを掴めたし、坂村堂さんと一柳さんは仲直りできたし。 まだまだ山あり谷ありではあるだろうが、そろそろ物語の終息に向かってるのかな。
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今回は希望が強く兆すような回でした 決意の別れと希望の出会い 澪はまた強く一歩を踏み出すでしょう
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