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残月 の商品レビュー

4.2

332件のお客様レビュー

  1. 5つ

    121

  2. 4つ

    131

  3. 3つ

    42

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2021/02/20

苦しい展開が続いていたが少しずつ明るい兆しが見え始める。雪の下で耐えた蕗の薹が目を出し始めるような、そんな雰囲気のする巻 2021.2.20 22

Posted byブクログ

2021/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『みをつくし料理帖』第八巻となる『残月』もまた、他の巻と同じく四話が収録されているが、この巻では、澪の母親代わりの芳が存在感を放っている。料理店の女料理人として腕を揮ってきた澪とそれを取り巻くつる家の面々が、一期一会でこれまで出会ってきた人たちと交錯し、その交わりが新たな物語を生み出している。一期一会とは言ったものの、決して出会うばかりではない。別れもあるし、出会うことで新たな懊悩が生み出されることもある。このようなとき、人はしばしば右往左往してしまうものだが、かつての天満一兆庵の女将を務めた芳は、かようなときにこそ光を放つ。一流の料理店の女将という経験がそうさせるのは間違いないが、目の前にある障害に瞬時に対応できる瞬発力を見るにつけ、芳という女性が『みをつくし料理帖』において重要なポジションにいたことを再確認する。 澪もまた、一介の町人相手の、今に例えるなら庶民的な定食屋でありながら、江戸の料理番付に「とろとろ茶碗蒸し」が評価されたことで、江戸で一二を争う一柳や登龍楼といった大店とかかわりを深めてゆく。そんな折、一柳の店主を父に持ち、今は版元をしている坂村堂が、父の知り合いの旅籠店主の祝言での料理を澪に頼みに来る。一柳は一柳なりの矜持で「仕出し料理」は受けないということで、澪、つまりつる家にお鉢が回ってきたのである。 一柳の店主柳吾とその子坂村堂。柳吾と知り合いの旅籠の主人は、かつて芳とひと悶着あった。 芳の息子で、天満一兆庵の江戸店をかつて切り盛りしていた佐兵衛は、澪が吉原廓で知り合った友しのぶとの交わりを通じて、芳が長年待ちわびた息子との邂逅を果たすこととなる。 澪が請けた祝言の席での料理がきっかけで、芳は息子佐兵衛との再会とは別の、新たな出会いをも果たす。並の女性なら運命の波に翻弄され、自ら逃げ出してしまうかもしれないが、芳はそれでも毅然としている。そんな芳が、人前では見せない弱さを、我が愛娘ともいえる澪の前でだけ時に晒してしまう。この弱さも、『残月』の読みどころの一つだろう。 いずれにしても、つる家を中心にして多くの人が交わり、つる家がなければあるいは互いに出会うこともなかったかもしれない人々が十重二十重に絡み合うさまは、注意して読み進めないとそれぞれの人たちの関連性が不明瞭になってしまうほどだ。人々の絡み合いが、物語に深みを与えていることは言うまでもない。料理で言えば、旨味のもととなる出汁のようなものであろう。 そして、澪はついに、火事で焼失した翁屋の仮宅で、名医源斉の仲介を経て、あさひ太夫こと野江とついに対面することとなる。これまでは翁屋の瀟洒な襖越しに互いの声を交換するだけだったが、本作では澪は野江と互いに顔を見合わせて話をするのである。そのいきさつもまた、人と人との出会い、一期一会の人たちとの交わりを大切にしてきた澪ゆえの、ある意味では当然の帰結だったのかもしれない。情けは人のためならず――人にかけた情けは、輪廻して、巡り巡っておのがもとに舞い戻るという例えの通りだ。 十巻からなる『みをつくし料理帖』もあっという間に二巻を残すだけとなった。つる家の店主種市は本作の中で大きな決心をした。その決心を後押ししたのは、普段、仏頂面して文句ばかり垂れている戯作者というのも面白い。あれこれ言いながらも、みな澪の虜になっているということだ。澪がこれまで多くに人にかけてきた情は、ぐるりと回って、今まさにおのが運命を動かそうとしている。いよいよ物語はクライマックスを迎えることとなるだろう。

Posted byブクログ

2020/11/21

この巻を読んでいる途中で、芳が柳吾と生活を共にし、佐兵衛は一柳の後を継ぐような気がしたが、巻末で前者が現実になった。さて後者は?

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2020/11/18

前巻がきつかったので不安だったけど。 最後のお話、やっと見えた希望に心があたたまりました。 澪ちゃんも幸せに、どうか幸せになりますように

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2020/10/28

作者さんの嫌がらせのような苦難の連続に、読欲が止まりません。 辛いことから這い上がることができる登場人物たちに心が暖まります。

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2020/10/04

澪の幼なじみと、野江としてでは無く、あさひ太夫として、数々の人の手を借り、つる屋の料理人として、14年ぶりに顔を合わせることができた。 ずっと心の底で支え合っている友でも、幼なじみの顔をせず、話をする。 なかなかできることではないと思う。 ご寮さんの息子の、佐兵衛とも、様々の巡...

澪の幼なじみと、野江としてでは無く、あさひ太夫として、数々の人の手を借り、つる屋の料理人として、14年ぶりに顔を合わせることができた。 ずっと心の底で支え合っている友でも、幼なじみの顔をせず、話をする。 なかなかできることではないと思う。 ご寮さんの息子の、佐兵衛とも、様々の巡り合わせを経て、やっと顔を合わせることができた。 妻子を娶り、息子の可能な限りの、今の身の丈に合う幸せを知り、ご寮さんも、親離れを考え始めるのだろう。 りうさんのアドバイスが冴えている。 そして、一柳の旦那さんが倒れ、看病にご寮さんが行くことになり、ここは初めて会う訳では無いが、ご縁ができ… いよいよ澪は、つる屋を出ることになりそうで… 人と人の、不思議な巡り合わせや、時の流れを感じる8巻。

Posted byブクログ

2020/08/23

みをつくし料理帖シリーズ8作。佐兵衛との再会、あさひ太夫との対面、采女宗馬との勝負、ご寮さんの恋、7作に比べると明るい話が多かった。

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2020/07/29

第一話の残月では、又次の死がまだ辛い。 作中の面々と同じように動揺と寂寥感が拭えず、涙目で読み進めた。 若旦那の消息が知れついに再会できたり、坂村堂と柳吾の確執が和解されたり、何とご寮さんが求婚されたりと、目まぐるしく事態が好転する中、采女宗馬との対決の決着も近い?! ますます先...

第一話の残月では、又次の死がまだ辛い。 作中の面々と同じように動揺と寂寥感が拭えず、涙目で読み進めた。 若旦那の消息が知れついに再会できたり、坂村堂と柳吾の確執が和解されたり、何とご寮さんが求婚されたりと、目まぐるしく事態が好転する中、采女宗馬との対決の決着も近い?! ますます先が楽しみで、頁をめくる手が止められない。

Posted byブクログ

2020/07/16

前回、悲しい感じで終わったので、今回が平和に感じてしまった。 でも、何気に色々な物事は目まぐるしく回っています。 巻末に、この時代は災害や火事が多かったと作者さんが書いてありました。 前回、相当苦情が来たのだろうなぁと思いました。

Posted byブクログ

2020/06/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ネタバレ備忘録 疫病。摂津屋、澪と大夫の関係探る。盂蘭盆会の精進料理、凍豆腐揚げ。ふくべは夕顔=干瓢。清右衛門の絵師、太一に本あげる。お礼にチャレンジの剥き物、しのぶ発見、佐兵衛消息につながるも夜逃げ。大雨心配し見にきたとこ柳吾見つける。仔細不明も芳、天満一兆庵存続断念。登竜楼、澪引き抜き4千両で啖呵を切る。黄身味噌漬で勝ち。伊佐三家引越、美緒懐妊。源斉、澪・野江再会設定。種市、清右衛門から又次と澪の願い聞き、つる屋から送り出す決意。房八後添えに仕出し、柳吾、坂村堂と口論で倒れ芳の看病そして見つけた幸せ。

Posted byブクログ