残月 の商品レビュー
高田郁さんの題名はすごく素敵で、品位を感じる。今回は「残月」、明け方まで残っている月で、その月は誰のことを指しているのだろう。誰の想いのことだろう。 古の文豪たちも「残月」を文脈で使っていたが、高田郁さんは題名で使っているのだ。 おりょうさんたち、芳に転機が訪れる。そして澪と種...
高田郁さんの題名はすごく素敵で、品位を感じる。今回は「残月」、明け方まで残っている月で、その月は誰のことを指しているのだろう。誰の想いのことだろう。 古の文豪たちも「残月」を文脈で使っていたが、高田郁さんは題名で使っているのだ。 おりょうさんたち、芳に転機が訪れる。そして澪と種市にも。采女宗馬がまた絡んでくる。 巻頭から前作の大火による又次が偲ばれる。野江はどうなったのか。佐兵衛の消息は?さてどうなることか? 別れもあれば、出会いもある。人と人の繋がり、やおら時は進んでいくものだ。 「残月」の捉え方は人それぞれだが,少なくとも又次に対しての想いは共通するのではないだろうか?見上げた空には月や星が煌めく、その情景と季節の料理とが、人の思いに絡まり、物語が構成されている。ひとつひとつの文章が美しさを醸し出し、心を打つ。野江に対する澪の残月がこれからの展開に灯を灯している。
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父親代わりの又さん、じいちゃん代わりの種市、ふきちゃんが、大きくなってきた。天満一兆庵の方も一区切り。澪と野江、吉。と物語もいよいよ佳境に入ってきた感じ。
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みをつくし料理帖第八段。 全巻の衝撃が大きかったのもあり今回は安心して読めました。 物語もいよいよ佳境を迎えてきたようで早くも寂しさを感じてしまいます。 又次の死を少しずつ乗り越えていく澪達。 いよいよ佐兵衛との再会が叶ったり、またまた登龍楼が絡んできたり、、、 そしてまさかの...
みをつくし料理帖第八段。 全巻の衝撃が大きかったのもあり今回は安心して読めました。 物語もいよいよ佳境を迎えてきたようで早くも寂しさを感じてしまいます。 又次の死を少しずつ乗り越えていく澪達。 いよいよ佐兵衛との再会が叶ったり、またまた登龍楼が絡んできたり、、、 そしてまさかの芳に春がやってくるとは! 今回も目白押しの内容でした。
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りうさんの言葉「子の幸せと親自身の幸せを混同しないことです。いっぱしに成長したなら、子には自力で幸せになってもらいましょうよ。そして、親自身も幸せになることです。…」深くて沁みたなぁ。 芳さんが自分の幸せを得る布石となる言葉だった。皆少しずつ幸せに変化していく巻だった。澪の幸せは...
りうさんの言葉「子の幸せと親自身の幸せを混同しないことです。いっぱしに成長したなら、子には自力で幸せになってもらいましょうよ。そして、親自身も幸せになることです。…」深くて沁みたなぁ。 芳さんが自分の幸せを得る布石となる言葉だった。皆少しずつ幸せに変化していく巻だった。澪の幸せは何か?次の巻を楽しみに。
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読後感の良さよ…前の巻は見習ってほしい。笑 子が自分の願う道と違う方に進む時の割り切り方、親しい人を亡くした時の心の持ち方、親が自分の幸せを持つこと。そういった、料理とは関係ない部分でも沁み入るようなシーンが多かった。
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あさひ太夫とつる屋の料理人のやりとりにほろり。 源斉先生のナイスアシスト。 芳に訪れる転機。 またもや料理を盗むあの店。 出てくるいい人たちが幸せになることを願いたくなる。次巻も楽しみ。
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全体的にしんみりした内容。 展開上仕方ないことかもしれないが、次からはもう少し華やかな料理を楽しみたい。
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悲しいことがあっても、嬉しいことがあっても、変わらぬ頑張りに敬服しきり。頑張りは変わらないけど、強さや成長、時の移ろいも強く感じる。
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大好きなシリーズです。 今回は最初から悲しい。 でも、何が起きても前を向いて進む澪と野江が大好きです。
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みをつくし料理帖シリーズ8巻。一難去ってまた一難といった感じだったこれまでからするとあたたかな希望を感じる話が続いた。作中の表現を借りるなら寒中の麦が育っているといった感じでまだ春は先だとしても春に向かって育つ何かを感じさせるような。シリーズも残り2巻。楽しみです。
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