包帯クラブ の商品レビュー
さくさく読みやすく、分かりやすい内容だった。傷を認めて共感してもらって昇華する、一連の過程を可視化した話。 あだ名とか分かち合い場面とか、若すぎてゾワゾワするけど、若い頃の青春物語の先も垣間見えて、読後感はほっこり。
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人には沢山の傷がある。目に見える傷も見えない傷も様々。どれだけ小さな傷も痛いものだと認め、その傷に包帯を巻くことを一切厭わない。傷が瘡蓋になるまで心にそっと寄り添ってくれるような作品。
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そうだよ、そうなんだよ、私は傷ついたし まだ膿んだりしてる傷もあるけど 傷として認めて、瘡蓋を増やしていくんだ。 そして自分だけが傷ついてるのではなく 他人も傷ついてるし、 自分が他人を傷つけていることもある。 強くて優しい人になりたい。
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嫁が一万円選書で続編を送ってもらっていたので読んだが… この作者の 悼む人が全くあわなかったので 迷いつつも買ったけど(大幅加筆版らしい)やっぱダメだった全然ダメ!あわない、嫌いだ、すらすらとは読めるけど、読んでいくうちに鳥肌がたってくる。世界に包帯クラブがとか、途中の将来の登場...
嫁が一万円選書で続編を送ってもらっていたので読んだが… この作者の 悼む人が全くあわなかったので 迷いつつも買ったけど(大幅加筆版らしい)やっぱダメだった全然ダメ!あわない、嫌いだ、すらすらとは読めるけど、読んでいくうちに鳥肌がたってくる。世界に包帯クラブがとか、途中の将来の登場人物のメール?とか 恥ずかしくなってくる感じ。しんいちぃー!らぁーん!的な寒さ 登場人物が後には海外が拠点でとか予定調和すぎる それとわざわざ民族差別がどうとか…逆も書けよと思うわ
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天童荒太さんの本が読みたくて、悼む人を読んだ後にこちらも読んだ。悼む人の印象が強くてつい比べてしまうのだけど、包帯を巻く行為は、傷という故人への悼みのようなものだなと思った。つまり、包帯を巻いたって現実で何かが変わるわけじゃないんだけど(亡くなった人を悼んだところで何か変わるわけではないんだけど)、その人が傷ついたという心理的な事実を目に見える形にして他人に共有することで傷を癒そうとする(その人の死を全くの他人である主人公が心に刻もうとする)。 重たいテーマを重くしすぎないようにか、登場人物の報告が挟まれていたり、ディノがお調子者だったりしたけど、個人的には重たーく描き切ってくれた方が好みだったなと思った。
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高校生のワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、テンポ、リスキ。どこか生きづらく傷ついた少年少女たちは戦わない形で自分たちの大切なものを守ることにした。 心の傷に包帯を巻こう。 宮地尚子さんの『傷を愛せるか』に出てきたので読む。傷を誰かに傷と認められるだけで、傷ついたと知ってもらうだけで...
高校生のワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、テンポ、リスキ。どこか生きづらく傷ついた少年少女たちは戦わない形で自分たちの大切なものを守ることにした。 心の傷に包帯を巻こう。 宮地尚子さんの『傷を愛せるか』に出てきたので読む。傷を誰かに傷と認められるだけで、傷ついたと知ってもらうだけで、救いになることはある。傷ついていいんだよって、それは包帯を巻くぐらいのことなんだよって。それすら難しい社会なんて。
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宮地尚子さんの「傷を愛せるか」という本の中で触れられていた手に取った。高校生である主人公の、まだ社会に触れていない(そしておそらくあまり小説を読む設定じゃない)瑞々しい感性と型にハマッていない表現で書き出される様々な人の「傷」。文体そのものから「ありのままの心」の形を表現しようと...
宮地尚子さんの「傷を愛せるか」という本の中で触れられていた手に取った。高校生である主人公の、まだ社会に触れていない(そしておそらくあまり小説を読む設定じゃない)瑞々しい感性と型にハマッていない表現で書き出される様々な人の「傷」。文体そのものから「ありのままの心」の形を表現しようとしているような、「傷ついているって知って欲しい」「心って、人間って、本当はもっと柔らかいものじゃなかったか」っていう作者の意図が伝わってきてこっちの心も柔らかくなる気がする。 読むカウンセリングだった。「何にもならないのはわかるよ。何にもならないことの証としてでも、巻いておこうよ」というワラの台詞が胸に刺さる。 傷ついている人、気持ちがトゲトゲしている人には是非読んでほしい一冊。 ●あらすじ 心の傷に包帯を巻こう。 関東のはずれの町に暮らす高校生、ワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、テンポ、リスキ……傷ついた少年少女たちは、戦わない形で、自分たちの大切なものを守ることにした――。 いまの社会をいきがたいと感じているすべての人に語りかける長編小説。 2006年発表、映画化もされた話題作を、文庫化に際し、全ページにわたり大幅加筆、作品としての密度をさらに増した。 挿画は『海獣の子供』の五十嵐大介。 (Amazon商品ページより引用)
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ドラマ『家族狩り』を見たことがあって、天童荒太作品は勝手に暗いイメージを持っていた中で、本作は青春もののイメージで比較的明るいかなと思いきや、やっぱり暗さも併せ持つ作品でした。 他人の傷を理解したい、和らげたいという想いを胸に、色々な傷に包帯を巻いていく「包帯クラブ」活動に邁進する青少年たちの物語。 その傷は、他人から見たらくだらいものや、包帯を巻いたぐらいではどうにもならないものなど様々。 それでも彼らは活動を続ける。 その活動が通して描かれる等身大な暗さ(人間関係、他人との比較、将来への不安と焦燥、生きる意味)と向き合う姿は、決して綺麗事ではなく、偉大だと言える。 本書はそれ自体が活動報告書のようになっていて、彼らのその後が少し垣間見える。それを読めば、彼らの活動が中途半端な気持ちでやっていたものではないと分かるはずだ。 尊敬します、本当に。 続編が最近出たのでそれを読めばまた印象が変わるかも。
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傷ついても、その気持ちを先ず自分自身が受け入れようとしないことが多い。そういう結果になってしまったのは、結局のところ自分が悪いからだと思ってしまう。だから、自分が傷ついているということも、なかなか認めようとはしない。でも、傷は心の片隅にずっと残っている。 治ってもらいたいという...
傷ついても、その気持ちを先ず自分自身が受け入れようとしないことが多い。そういう結果になってしまったのは、結局のところ自分が悪いからだと思ってしまう。だから、自分が傷ついているということも、なかなか認めようとはしない。でも、傷は心の片隅にずっと残っている。 治ってもらいたいという気持ちがあるから、他の人に包帯を巻く。だから、巻かれた人も心が少し軽くなるのだろう。決して、傷が治ったわけではないけれど。 包帯を巻くという行為は、自分以外の人から<それは傷だよ>と認めてもらうことの象徴だろう。自分には、傷を受けたと主張する権利がある。自分にも、傷を与えた者に劣ることのない存在価値があると。 だれにもある日常茶飯事なことだからと、軽んじていい傷はない。よくある傷だからと、包帯を巻かなくてもいいというわけではない。放置しても自然治癒する傷もあるけれど、包帯を巻いてもらうことで早く治る傷、痕が目立たなくなる傷もある。
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痛みは隠すもの。隠していると自分でも痛みが分からなくなるし、そもそも隠す事が前提だから何が良いのかも分からなくなる。 だからこそ、大事なのは他人の存在で受け入れられる事で、承認される事。 それが正しいのかどうなのかもまた関係が入り組んで…。 認めてくれたその人も、否定するあの人も...
痛みは隠すもの。隠していると自分でも痛みが分からなくなるし、そもそも隠す事が前提だから何が良いのかも分からなくなる。 だからこそ、大事なのは他人の存在で受け入れられる事で、承認される事。 それが正しいのかどうなのかもまた関係が入り組んで…。 認めてくれたその人も、否定するあの人も、痛みを背負っている。
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