包帯クラブ の商品レビュー
宮地尚子 「傷を愛せるか」で包帯クラブに触れていたので読んでみた。 わたしだったらどこに巻くだろう?と読了後に考えたけど、場所では拭えず、自身にやはり巻きたいところだよな…と思った。 しかし物理的には心理的にも効果があるというのは、「手当て」のようでいいと思う。そうであってほしい...
宮地尚子 「傷を愛せるか」で包帯クラブに触れていたので読んでみた。 わたしだったらどこに巻くだろう?と読了後に考えたけど、場所では拭えず、自身にやはり巻きたいところだよな…と思った。 しかし物理的には心理的にも効果があるというのは、「手当て」のようでいいと思う。そうであってほしい。 続編も読むか悩むところ。
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はるか昔に映画を観てとてもよかったという記憶があるので、原作も読んでみた。傷になった思い出の場所に包帯を巻いて手当てをする、というアイデアがとても面白いし、人によっては効かないかもねと前置きしているのもいいし、クラブの面々が依頼者の傷に対して「それは傷ではない」というジャッジをしないのも素敵だと思った。 若いときに読むとグッと来るものがありそう。今は「青春やな〜」とは思うけど、我が身において考えられない。 映画でテンポが行方不明になって捜しているときに、ディノがビルの屋上の柵に包帯を巻きまくって「出てこいやー」って叫んでるシーンがあって(多分あったはず)、そこが好きだったけど原作にはなかったのがちょっと残念。
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中学生のときに出会いたかった作品。 痛みを「傷」として他者に認めてもらうことで癒えてゆく若者の心の機微が丁寧に描かれている。 世界から受けた傷を、言語化すること表現することも、もしかしたら上手く自覚することも出来ない思春期に、他者から「それは傷だと思うよ」といってもらえることで、...
中学生のときに出会いたかった作品。 痛みを「傷」として他者に認めてもらうことで癒えてゆく若者の心の機微が丁寧に描かれている。 世界から受けた傷を、言語化すること表現することも、もしかしたら上手く自覚することも出来ない思春期に、他者から「それは傷だと思うよ」といってもらえることで、風景は変わってみえる。 このことは、大人になっても、むしろ多くのことに忙殺される大人にこそ、当てはまるのではないかと思った。
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人にはその人だけの傷があること。それは他人には測れないこと。 自分も他の誰かも、加害者と被害者のどちらにもなりうるということ。 中学高校の時考えていたことだったから、大学生になって読んだけど、もう少し早く読むべきだった。そしたらもっと孤独じゃなかった。
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他人にとっては些細なことでも、自分が傷ついたのであればそれはれっきとした傷であって傷として認めていいんだよ、という温かなメッセージを受け取ることのできる作品。 そして傷を放置するのではなく、きちんと丁寧にケアしてあげれば、完治することはなくてもいくらか心を軽くすることができると...
他人にとっては些細なことでも、自分が傷ついたのであればそれはれっきとした傷であって傷として認めていいんだよ、という温かなメッセージを受け取ることのできる作品。 そして傷を放置するのではなく、きちんと丁寧にケアしてあげれば、完治することはなくてもいくらか心を軽くすることができると、改めて教えてくれる作品でした。
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続編の「ルック・アット・ミー」を先に読んでしまいました。実在しない「包帯クラブ」の話ですが、本当にあるのではないかと、調べてしまいました。それぐらい、傷を負った人の心に寄り添う活動と姿がリアルです。彼らの成長したその後を知っていながらも、高校生の主人公たちの様子は、とても新鮮でし...
続編の「ルック・アット・ミー」を先に読んでしまいました。実在しない「包帯クラブ」の話ですが、本当にあるのではないかと、調べてしまいました。それぐらい、傷を負った人の心に寄り添う活動と姿がリアルです。彼らの成長したその後を知っていながらも、高校生の主人公たちの様子は、とても新鮮でした。
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高校生という最も多感で、自分の存在意義などについて色々考える時期がテーマの青春小説。単なる人生の肯定では無く、一度全てを否定した上でそれでも生きる意味を見つけられた彼らが羨ましい。もう少し生きてもいいかもしれない、そう思える作品。
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一万円選書で選んでいただいた一冊。 正直、タイトルや表紙の感じからして自分では手に取らなかったと思う。 ザ・フィクションという感じのわかりやすく都合の良い展開は、正直好みではなかったけれど、岩田さんが私の選書カルテを読んでなぜこれを選んでくれたのかを考えながら読むことで、直接描かれていること以上のことを色々と感じることができ、自分自身の傷について考えるきっかけをいただいた。 同じ出来事でも人によって傷の深さが違うということ、誰にも話せず一生背負わなければいけないと思っていた傷が、実は話してみると意外と救われたり、人を救うきっかけになったりすること…今1歳の娘が高校生になった時、この本からそんな気づきを得てくれたら良いなと思いながら、その時まで本棚に飾っておく。
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読もうと読もうと思っていた本を、 今年はよく読む。 よくやっている、すごいぞ! たまには自分を褒めてあげよう。 読みたいと思いながらも、 やがて忘れていく本がほとんどの中、 何年も時には10年以上も心に残り続ける本は、 何かしら僕の問題意識を 打つものがあるのだと思う。 そう...
読もうと読もうと思っていた本を、 今年はよく読む。 よくやっている、すごいぞ! たまには自分を褒めてあげよう。 読みたいと思いながらも、 やがて忘れていく本がほとんどの中、 何年も時には10年以上も心に残り続ける本は、 何かしら僕の問題意識を 打つものがあるのだと思う。 そうした本はだいたいの場合、 読む前にもう読み終わっている。 何を言っているのだろうか。 自分でもよくわからないけれど、 自分なりに内容を想像し、 頭の中ではすっかり物語が広がっている。 だから読まなくても、 十分に読書しているのだ。 ただこの本に関していうと、 その中身が想像できなかった。 包帯クラブ・・・? 一体どっちに向いた、どんなお話なのだろう。 登場人物はどんな人で、どんなトーンなのか。 表紙を見て、一気に弾けた。 なんと青春ものか。 ただ依然、ストーリーは想像がつかない。 読み進めるうち、すっかり虜となる。 包帯、それは傷に巻くもの。 身体の傷じゃなくて、巻くのは心だ。 その行為がささやかに心を癒す。 感性がいい。 瑞々しく清々しい。 こんな風に傷ついたことがあったと思い出す。 もうすっかり瘡蓋になって、 痛むことすら忘れてしまっていた。 続編もあるようだ。
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ワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、テンポ、リスキ。 横文字の人物名が苦手な私がすいすい読めたのも、個性派?揃いの登場人物たちのおかげ。傷ついてない人間なんていない。傷を舐め合って何が悪いのか。私も包帯を巻きたくなりました。
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