七つの海を照らす星 の商品レビュー
やたら多い登場人物・・・ 全篇に散りばめられた伏線・・・・ 何ともいえぬ爽やかさを含んだ文章・・・・・ ミステリの枠を超えた爽快小説。
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鮮やか。最後の章を読むとパーッと明るくなった感じでした。そうきたかーって。 タイトルに表紙絵に作者名だけ見るとラノベっぽいけど、全然そんなことはなく(まあ、ラノベの定義もよくわかりませんが)。流行り言葉で言うなら、人が死なない日常ミステリ系とでも言うのでしょうか。 この作品、中身的には「和菓子のアン」に雰囲気が似ていますね。主人公はるのんがアンちゃんみたいな感じで。女性ですが、なかなかサバサバした性格で、おかんとのやり取りとか面白く。また、子供たちそれぞれの境遇は明るいものではないけど、はるのんの表現が暗くなることなく話に入り込める感じです。 舞台は児童養護施設、七海学園。様々な事情により家庭では暮らせない子供たち。学園7不思議になぞらえた事件というか出来事。ただ謎解きされるだけではなく、謎解きが子供たちを救うというか希望みたいなモノが感じられます。そしてただ謎を解くのではなく、敢えて不思議は不思議のままにしておくとか。ここら辺も「和菓子のアン」と同じだなーと思って。「解かれなくてもいい謎」の椿店長とか。 以下ネタバレ。未読の方は絶対に見ないように。 とにかく最後の7章がもう、ホーッて感じ、まさか野中佳音が小松崎直とは。あー、そんな展開持ってきたんだー、と感心。そして本人自らのタネ明かし。まさか7人の姫、すべてだったとは。佳音の心情の吐露がつらい。でも、そこで良い保育士さんに巡り合えて、なんとか立ち直って、主人公北沢春菜と共に過ごすやり取りに明るさが灯ります。 解説にもありますが、児童養護施設が舞台ということで、社会派のような括りに見えたり、ミステリミステリに見えたり、不思議≒ファンタジーなような、いろんな側面を有したお話だと思います。なんにしても、子供の素直さを大事にし、そしてそれを温かく見守れる大人がいること、そんなごく当たり前の世の中が良いよな、と心がホッと落ち着くような温まるような読後感でした。2章の最後は棘があるというか、すこし恐怖感がありましたけど。 回文がさらさら出てくるのはすごいというか、ふつう無理だろーとか思いますけどね(笑)にしても長文回文すごい。しかも言葉が綺麗なんだな。これはこれで唸らされてしまう 児童福祉とか養護施設とか、ちゃんと理解できたわけではないけど、こういう世界があるのだな、と少しわかりました。児童虐待とかのニュースがなくならない昨今、何かと生きづらい世の中、子供たちにはいらんこと心配せず育つことができる環境を整えないとね。 続巻があるということで早速注文しようと思ったらまだ文庫されていないなんて・・・早く文庫化してー
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鮎川哲也賞受賞作品。児童養護施設を舞台とした、日常の謎系連続短編集。 以前同じような仕事をしていたからか、謎は割とわかりやすかったかな。伏線がかなり分かりやすく散りばめられているせいもあるかも。 最終章は、ちょっとやり過ぎな感はありますが、、全編通して面白く読めました。 紹...
鮎川哲也賞受賞作品。児童養護施設を舞台とした、日常の謎系連続短編集。 以前同じような仕事をしていたからか、謎は割とわかりやすかったかな。伏線がかなり分かりやすく散りばめられているせいもあるかも。 最終章は、ちょっとやり過ぎな感はありますが、、全編通して面白く読めました。 紹介してくれた方は、辻村深月が好きなら好きかも、といった勧め方でしたが、どちらかゆうと昔の創元推理の日常の謎系作家さん達を思いうかべました。七海女史とか、北村薫とか、ね。 と、思ったら、選考者評にも同じよなこと書いてありました。こういった受賞作品は、選考者の評が読めるのもまた楽しみの一つです。
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途中で断念。 家庭に何かしら事情のある子供が暮らす施設の話。 児童相談所の人がそれぞれの子供の秘密を解き明かしちゃう。 淡々としてて読み切れなかった。
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何年か前、「単行本は高いなぁ」と思っていた本。文庫化ということで買ってみたが、面白かった! 子どもたちの環境には切ないものもあるが、最後ほっこりした。 続きがあるようなので、早く続きが読みたい。
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もしかしたらちょっと私の心が弱っているのかもしれず、ここのところ優しさにあふれるお話に興味が偏っているかも。 児童福祉施設が舞台であるから、まあ子どもたちを優しく見つめる内容かなとは思っていたけど、それだけでなく、人間そのものに対する愛情にあふれている一冊。 いやー、読んでよかっ...
もしかしたらちょっと私の心が弱っているのかもしれず、ここのところ優しさにあふれるお話に興味が偏っているかも。 児童福祉施設が舞台であるから、まあ子どもたちを優しく見つめる内容かなとは思っていたけど、それだけでなく、人間そのものに対する愛情にあふれている一冊。 いやー、読んでよかった。
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ずっと気になっていて読みそびれていた本の文庫化。 児童養護施設「七海学園」で起こる七不思議に纏わる7つの短篇集です。 どこか悲しく、でも温かい物語でじっくり読みいってしまいました。 そこはかとない不思議な雰囲気もとても好きです。 ほんの少しだけ不思議が残っているのも良いですよね。 とても繊細に作り込まれた物語と文章が素晴らしくて、ひとつひとつの物語もちゃんと落ちがちゃんとあってそれだけでも楽しめたのですが、最後に全てが繋がった時の驚きは溜息ものでした。 素敵な回文の数々にも感嘆しました。 アルバトロスも早く読んでみたいです。
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児童養護施設「七海学園」。 勤めて2年目の保育士・北沢春菜は、児童福祉司の海王さんの力を借り、そこで子供たちが出会った不思議な事件の謎を解明すべく、奮闘する。 児童養護施設が舞台なだけあって、子供たちの背景はなかなかに複雑。 だけどそんな中でもいきいきと過ごす姿には、健気さやた...
児童養護施設「七海学園」。 勤めて2年目の保育士・北沢春菜は、児童福祉司の海王さんの力を借り、そこで子供たちが出会った不思議な事件の謎を解明すべく、奮闘する。 児童養護施設が舞台なだけあって、子供たちの背景はなかなかに複雑。 だけどそんな中でもいきいきと過ごす姿には、健気さやたくましさを感じさせられる。 1話目の葉子、2話目の優姫はとくにその強さ、繊細さが印象的だった。 落ち着いた文章で描かれる連作短編集。 日常系ミステリという意味では北村薫や加納朋子作品に似た雰囲気も感じる。 なにげなく読み進めていったら最終章で大きな動きがあってびっくりした。
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児童養護施設七海学園で起こる様々な謎を、保育士の北沢春奈と児童福祉司の海王が解決していく連作短編。 それぞれの短編で起こる謎というものは七海の七不思議と呼ばれる物だけあってどれも不可思議なオカルト的のものが多いのですが、それをきっちりと各短編、伏線を活かしての論理的な解決を...
児童養護施設七海学園で起こる様々な謎を、保育士の北沢春奈と児童福祉司の海王が解決していく連作短編。 それぞれの短編で起こる謎というものは七海の七不思議と呼ばれる物だけあってどれも不可思議なオカルト的のものが多いのですが、それをきっちりと各短編、伏線を活かしての論理的な解決を示してくれます。各短編独立してみても、完成度の高いものがそろっていると思います。 舞台が児童養護施設ということもあり、話の背景はシリアスなものが多いのですが、そういうところもきっちりと包み込んでくれる優しさも感じられます。保育士の春奈も海王さんの人柄もとてもよく顕れていることがそう感じる理由であるように思います。 子どもたちの描写もまたいいです。各短編に出てくる子どもたちにはそれぞれの事情があり、そのため彼らの背景の説明だけでなく、性格や個性もしっかり出さないと、この物語を成立させるのは難しいと思うのですが、どの子たちもしっかりと描けていたように思います。架空の人物たちとは分かっていながらも、みんな幸せになってほしいと思ってしまいました。 そして連作のラストを結ぶ第七話はまさかの展開でした。さすがにそれはやりすぎだろう、と初めは思ったのですが、読み終えてみると、そうなるべくしてそうなった物語だったのではないか、とも思えてきました。運命は信じていない自分ですが、この本を読み終えたときは運命の美しさに思いを馳せてしまいました。 また回文が一つの要素として絡んでくる短編があるのですが、その回文の巧さ、美しさにびっくり! こういう言葉のセンスの良さも著者である七河さんの実力を示しているように思います。 第18回鮎川哲也賞受賞
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児童養護施設の先生を通して、七不思議を解き明かしませう。 な、こうくるか!?って謎解きです。 最終話のショックに備えて、存分に推理してください。 子供達の強かさと脆さと希望も感じられます。
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