七つの海を照らす星 の商品レビュー
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物語としては、うーん。レビュー評価が高く、期待しすぎました。 最後のエピソードなんかは驚かされたし、たくさんの伏線を丁寧に回収していて、よく出来ているんだろうなとは思うものの、「そんな都合よく?」「いや、その要素を答え合わせで足すの?」みたいな感覚が多くていまいち盛り上がれない。自分がミステリーをあまり読まないから馴染みがないだけなのかもしれません。 むしろ、児童養護施設の子たちと接する機会が多いので、職員の大変さ、子どもたちの抱える問題や対応の難しさを多少なりとも理解できる部分もあって、その要素の方が興味深く読めました。 でもだからこそ、現実はこんな爽やかに納まるものでは決してなく、あくまでフィクションだから希望の要素を前面に出しているんだろうな、とか余計なことを考えてしまい、これまた複雑な気分になってしまいました。 アルバトロスはどうしよう。
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児童養護施設「七海学園」に伝わる七不思議を、ひとつづつ紐解く連作ミステリ。一つ読むごとに、伏線の張り方と回収の見事さに驚きました。読みやすくとても美しいミステリです。児童養護施設の最近について知らないことも多く、制度の矛盾や理不尽さに心を抉られ、序盤はかなり読むのが辛かったのです...
児童養護施設「七海学園」に伝わる七不思議を、ひとつづつ紐解く連作ミステリ。一つ読むごとに、伏線の張り方と回収の見事さに驚きました。読みやすくとても美しいミステリです。児童養護施設の最近について知らないことも多く、制度の矛盾や理不尽さに心を抉られ、序盤はかなり読むのが辛かったのですが、謎解きに力を貸してくれる児童福祉士・海王さんがとても素敵で、読んでいる私自身にも癒しになりました。一番の好みは「滅びの指輪」。受賞作である一編「夏期転住」を中心に据え、こんな連作にまとめ上げてしまった著者の力量は凄いですね。
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児童養護施設を舞台に、子どもたちを巡る日常の謎をテーマにした短編集。六つの物語が最後に収斂するつくりはすごいな、と思いました。鮎川賞受賞作ということは、デビュー作なのでしょうが、解説にもある通り、伏線のはり方や読者を上手に誘導していく書き方は完成度の高さを感じます。「夏季転住」とか伏線でだいたいオチの予想がついたのですが、最後の七章でそれをひっくり返してしまうのも驚き。個人的には人の優しさがほの温かい「裏庭」が好きです。
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児童養護施設・七海学園を舞台としたミステリー。 同じ主人公での7つの物語があとで繋がってくる、よく考えられた物語。個人的には人名を覚えるのが不得意なので、その緻密な物語設定が理解できず、楽しめてないように思う。 人名をメモしながら読めばよかった。
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『七つの海を照らす星 』 児童養護施設で起こる不可思議な事件を解明すべく、保育士である主人公が日々奮闘する本作。 物語全体に張り巡らされた伏線が七つ目の謎として実を結んだ時、思わず感嘆の声がもれた。 子どものさりげない台詞や心の機微まで鮮明に描かれている1冊
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養護施設「七海学園」の七不思議を巡る短編集。日常の謎。 特に最初の、端々の不思議な出来事と、不良少女の真相の謎が良かった。一つ分かるとカラクリが全て解けて、あちこちに仕掛けられた伏線と真相の鮮やかさに驚いて。次の話からは(自力で解くことは出来ないけれども)、伏線を見つけることに意...
養護施設「七海学園」の七不思議を巡る短編集。日常の謎。 特に最初の、端々の不思議な出来事と、不良少女の真相の謎が良かった。一つ分かるとカラクリが全て解けて、あちこちに仕掛けられた伏線と真相の鮮やかさに驚いて。次の話からは(自力で解くことは出来ないけれども)、伏線を見つけることに意識が行って、なんかまたこれも伏線か、とマンネリ化してしまっていましたが、最後に後書きにもあるように星と星を結んだら星座が見えるような、そんな感じの本でした。 児童養護施設を舞台にしているのも、新鮮で良い。現実はそこまで仲が良いのかそうでないのか分かりませんが、なんとなく身近になったなと。
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初読の作者ですが、これはすごい‼︎ 「七海学園」という児童養護施設を舞台とした日常ミステリーとなっております。 ポイント①:7編の連続短編小説であり、1編の長編小説でもあります。 ポイント②:児童養護施設という今までにあまりないテーマを用いています。 ポイント③:とにかく伏線が凄...
初読の作者ですが、これはすごい‼︎ 「七海学園」という児童養護施設を舞台とした日常ミステリーとなっております。 ポイント①:7編の連続短編小説であり、1編の長編小説でもあります。 ポイント②:児童養護施設という今までにあまりないテーマを用いています。 ポイント③:とにかく伏線が凄い!(ここまで伏線回収が素晴らしい作品ははじめてかもしれません) ポイント④:未読の方は人生を損しています(笑) などのポイント要素が盛りだくさん。これはもう読むしかないでしょう(笑) 未だ未読の方は是非ご覧になって下さい!
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続編にあたる『アルバトロスは羽ばたかない』が文庫になり購入したのでそちらを読む前に久しぶりに再読。初読の時にも思いましたが、やはり素晴らしい作品ですね。楽しく読みました。
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かなり評判が良かったので、アルバトロスとセットで見つけて即買いしたのです 短編が7本。 探偵役はどちらかと言うとアームチェア。 主人公と友達は社会人で、少年少女が登場人物。 どの短編も立派にトリックが効いてて唸るのです が。 少年少女ばかり出て来て、心が荒んだ大人なしーな...
かなり評判が良かったので、アルバトロスとセットで見つけて即買いしたのです 短編が7本。 探偵役はどちらかと言うとアームチェア。 主人公と友達は社会人で、少年少女が登場人物。 どの短編も立派にトリックが効いてて唸るのです が。 少年少女ばかり出て来て、心が荒んだ大人なしーなにはちょっと眩しすぎたのです 孤児の子供たちのお話なんて、良い話になるに決まってるじゃないのですか!!1 どの子も悲しい生い立ちが予想できて、その時点でもうムムムってなるのですよ。 そんな設定ズルすぎる……ora もうね、結果、どの話も良い話。みたいになってしまっていて 読みたかった趣旨とはちょっと離れてしまったのです が。 そう。 が。なのですよ 大人サイドのお話も面白いのですよね。とっても 巧妙と言えるトリックで、読了後清々しい気分になったのです アルバトロスとセットで……と聞いていたので、そっちもとっても楽しみなのでした
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これは凄い。 凄い小説だ。 なんとか賞受賞と聞くと、鬼才だとか奇才だとかいうものの内容を連想してしまうのだが、今作は、秀才だ。 とても巧く構成されている。そして面白い。 児童養護施設の現状についても、勉強させられる。 一人ひとりに物語がある。人生...
これは凄い。 凄い小説だ。 なんとか賞受賞と聞くと、鬼才だとか奇才だとかいうものの内容を連想してしまうのだが、今作は、秀才だ。 とても巧く構成されている。そして面白い。 児童養護施設の現状についても、勉強させられる。 一人ひとりに物語がある。人生がある。 だから小説は面白い。
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