反省させると犯罪者になります の商品レビュー
反省文は抑圧を生む 被害者の心情を考えさせると逆効果 頑張るしつけが犯罪者をつくる 2015/05/03読了
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教育相談の講義のネタにKindle版を買ってみた。 言っていることは、まあ分かるけれども、「反省」をキチンと定義していただきたいところですな。
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パッと見で、なんだか違和感を感じるタイトルだが、反省文を書かせる更生は効果がなく、罪を犯した人が自分の内面と向き合って、自律的に反省の念が湧いてくるようなものにしないといけないという本。 理論として正しそうに思うんだけど、この内容で更生を受けた犯罪者の再犯率がどうなのか実際のデ...
パッと見で、なんだか違和感を感じるタイトルだが、反省文を書かせる更生は効果がなく、罪を犯した人が自分の内面と向き合って、自律的に反省の念が湧いてくるようなものにしないといけないという本。 理論として正しそうに思うんだけど、この内容で更生を受けた犯罪者の再犯率がどうなのか実際のデータが見てみたい。 あと、どうでも良い疑問だが、酒井法子だけ、なぜかさん付けで呼んでいる。 --- 問題行動はチャンス。なぜ子供が問題行動を起こしたのかを考える機会を与えられたのだ。 普通の反省文は本音を抑圧させる。すると抑圧が抑圧を呼び、やがて爆発する。 まずロールレタリングで否定的感情を全て吐き出させる。内面を見つめたり他者への理解をすることで落ち着きを取り戻し、結果的に反省に至る。 幼少期から抱き続けてきた寂しさやストレスを克服するために、必要以上に自分を強く見せることで他者から認められたい。それがエスカレートすると結果として犯罪に手を染める。 しっかりしたしつけをし過ぎると、いじめられても親に迷惑をかけたくない、恥ずかしいという考えにつながる。子供に大人の振る舞いをさせてはいけない。 加害者の視点だからこそ、本音が出せる。本音が出ないと、自分の内面と向き合えず、表面的な教育になってしまう。 指示や命令ばかりする親は、子供は親の指示や命令に応えているかどうかを常に親の反応を伺うようになる。すると、内発的な道徳感ももてなくなる。 子供が本音で話している時、親は正論を言ってはいけない。必ず親が勝つので、親子関係が悪化し、二度と本音で話してもらえなくなる。 絶対的に正しい価値観あるいは間違った価値観など存在しない。見方を変えれば長所にも短所にもなる。
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■被害者の心情を理解させるプログラムは,再犯を防止するどころか,再犯を促進させる可能性がある。 ▸ 被害者の心情を理解させることは,ある意味では彼らがいかに社会的に避難さることをしたのかを理解させることであり,自己イメージを低めさせ,心に大きな重荷を背負わせることになる。 ▸ 社...
■被害者の心情を理解させるプログラムは,再犯を防止するどころか,再犯を促進させる可能性がある。 ▸ 被害者の心情を理解させることは,ある意味では彼らがいかに社会的に避難さることをしたのかを理解させることであり,自己イメージを低めさせ,心に大きな重荷を背負わせることになる。 ▸ 社会での生きにくさを増加させることにつながってしまい,社会不適応を促進しているのかもしれない。 ■孤立こそ再犯を起こす最大のリスクとなる。 ▸ 「孤立」と「やけくそ」がセットになると,大きな事件が起きることは過去の数々の重大事件が証明 ■頑張る「しつけ」が犯罪者をつくる ▸ しつけがいじめの一因に ■正論は言ってはいけない。正論は相手の心を閉ざす「言葉の凶器」 ■プチキレの勧め
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読み終わるのに意外と時間がかかった。しかも、最後の方は流し読みに。 主旨は分かる。教育論としてはそれほど目新しいところはない気がする。 しかし、なぜか説得力を感じないというか、素直に受け入れられない気持ちになるのはなぜだろう? 同じ境遇にあっても犯罪に流れる人もいればそうならな...
読み終わるのに意外と時間がかかった。しかも、最後の方は流し読みに。 主旨は分かる。教育論としてはそれほど目新しいところはない気がする。 しかし、なぜか説得力を感じないというか、素直に受け入れられない気持ちになるのはなぜだろう? 同じ境遇にあっても犯罪に流れる人もいればそうならない人もいる。著者のいうとおり、犯罪を犯した人が自分の内面と向き合うことができれば再犯を防ぐことができるのか? それが有効な人もいるかもしれないが、常習累犯窃盗や再犯を繰り返す性犯罪者にはそれほど有効ではない気がする。 子供と接する時の参考にはなるが、被疑者被告人弁護の参考にはしづらい。
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納得、腑に落ちる内容。 子育て中の親(自分自身もだが...)、学校教育関係者など、多くの人に読んでもらいたい。 なにやら、世の中、道徳が教科化されるようであるし、「いじめ」の問題について、逆効果の教育が行われないことを望む。
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著者にかかると総ての犯罪行動は親から受けた抑圧が原因となってしまうようだ。 人間の行動は、なんでもかんでも原因と理由があるという仮定には同意できない。人間の行動や感情などアリと大差ないのではないかというのが、つまりタマタマそうなった、そう考えたということが自分で思っている以上に多...
著者にかかると総ての犯罪行動は親から受けた抑圧が原因となってしまうようだ。 人間の行動は、なんでもかんでも原因と理由があるという仮定には同意できない。人間の行動や感情などアリと大差ないのではないかというのが、つまりタマタマそうなった、そう考えたということが自分で思っている以上に多いというのが、おいらの考えだ。 では、この著者の意見に賛成できないかというと、そうではなくて、たいへん興味深い提言だと感じた。(☆3は高評価) ただ支援者がストーリーを持って非支援者の前に立ったら、それがどのようなストーリーであれ、非支援者はその求められているストーリーに乗ってしまうように思う。 非支援者の前には何も持たずに、ニュートラルで立ちたい。
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人間は、何かやらかすと、その後は少しでも怒られないように言い訳を考えるものだ。それが人の本能である。だから、言い訳を考えている状態の人に反省を強要すると、当然のこととして反省せずにうわべだけの謝罪が出てくる。ところが、周りにいる人は、このうわべの謝罪をもって反省の印と考えがちで...
人間は、何かやらかすと、その後は少しでも怒られないように言い訳を考えるものだ。それが人の本能である。だから、言い訳を考えている状態の人に反省を強要すると、当然のこととして反省せずにうわべだけの謝罪が出てくる。ところが、周りにいる人は、このうわべの謝罪をもって反省の印と考えがちである。だから、受刑者に真の反省をうながすためには反省を強要してはいけない。 受刑者は養育者から受容された経験が乏しく、それゆえに他者と健全な人間関係を築くことが困難で自身の思いを抑圧している。これが犯罪行為の原因であり、そのことを自分で理解しなければ真の反省には至らない。それを理解するために必要なのは他者による受容であり、反省を迫ることは抑圧をさらに強くすることにしかならない、というのがこの本の主張。 他者による受容と社会性(他者・社会に貢献したいと自ら願う気持ち)の獲得について最近考えてるのだけれど、まさにそういう話だった。養育者に受容され健全な人間関係を築く能力を獲得した人とそうでない人。前者は他者に対して愛を持って利他行為を行うのが自然なんだろう。後者は他者を自分の領分を犯し自分を制圧してくる存在として警戒する。自分がありのままに存在することを許されなかった人が、他人に対してありのままに存在することを許さないとしても不思議ではない。
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反省させる、のではなく、自分の心の中を見つめ直す機会として真の反省を芽生えるように導く。 犯罪なり、問題行動なりを起こすとき、そこには必ずその人なりの理由がある。それを無視して被害者側の視点に立って考えろと言っても無理があるというのは分かる気がします。 言われて相手の立場に立って...
反省させる、のではなく、自分の心の中を見つめ直す機会として真の反省を芽生えるように導く。 犯罪なり、問題行動なりを起こすとき、そこには必ずその人なりの理由がある。それを無視して被害者側の視点に立って考えろと言っても無理があるというのは分かる気がします。 言われて相手の立場に立って考えられるなら、そもそもそんなことしない場合の方が多いでしょうから。 タイトルはなかなか過激だけれども、タイトルだけ見て、反省は必要だろ!と思う人こそ、きちんと読んだ方が良いと思います。
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先日、岡本 茂樹 氏 による「反省させると犯罪者になります」を読み終えました。 かなりショッキングなタイトルの本です。 著者の岡本茂樹氏は立命館大学産業社会学部教授ですが、刑務所での累犯受刑者の更生支援活動にも従事しています。本書は、その岡本氏の実現場での豊富な経験を踏まえ...
先日、岡本 茂樹 氏 による「反省させると犯罪者になります」を読み終えました。 かなりショッキングなタイトルの本です。 著者の岡本茂樹氏は立命館大学産業社会学部教授ですが、刑務所での累犯受刑者の更生支援活動にも従事しています。本書は、その岡本氏の実現場での豊富な経験を踏まえ、犯罪者を更生に導く心のケアについて熱く説いたものです。 「反省」より前に、まず自分自身で罪を犯すに至った自らの過去を振り返らせることが大事だとの主張です。そしてそこにある否定的感情を出し尽くして初めて、自分のやった過ちに向き合えるのだと言います。そこからが、本当の「反省」の始まりです。
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