反省させると犯罪者になります の商品レビュー
最近いろんな人が紹介しているのを目にするようになった。タイトルが刺激的で、「おや?」と思う人が増えたのだろうか。 私は以前から、被害者側の心情だけがクローズアップされる報道に違和感を持っていた。確かに被害者側の心情は考慮されるべきだが、第三者までが被害者サイドに立ったような発言を...
最近いろんな人が紹介しているのを目にするようになった。タイトルが刺激的で、「おや?」と思う人が増えたのだろうか。 私は以前から、被害者側の心情だけがクローズアップされる報道に違和感を持っていた。確かに被害者側の心情は考慮されるべきだが、第三者までが被害者サイドに立ったような発言をするのは、どうなんだろうと思っていたのだ。特に、犯人が逮捕されたときなどに「まだ反省の言葉はない」とか、「反省の色が見えない」などという非難の言葉がすぐに出てくる風潮には疑問を持っていた。 人はそんなにすぐに反省なんかしないものだ。それは自分を振り返ってみてみれば一目瞭然のことだと思うのだが、なぜか他人にはすぐさま反省を要求してしまうのだ。 そもそも「反省」とは他人が強制してさせるものではない。自分の中から自然と沸き上がってくる感情でないと意味が無いのだ。そしてそのためには、まず自分の感情と正面から向き合う必要がある。 いじめ問題でもそうだが、「いじめは悪いことです。反省しなさい」と要求することがどれだけ無意味なことか、真剣に考えなくてはいけない。 いじめの加害者は、自分の行為を正当化しているか、あるいはいじめの自覚を持っていないのが普通なのだから。 被害者に対して謝罪の言葉を述べるとか、「反省文」なるものをどれだけ書かされようとも、それで真の反省に至ることはないと思う。 人は誰だって、自分のことを理解してもらいたいと思っている。それはいじめの加害者だろうと、犯罪者だろうと同じである。しかし、その気持ちの探求をおざなりにしたまま、上っ面の謝罪や反省文を強制されているうちは、いじめも犯罪も減らないだろうと思う。 しかし、たいていは、上っ面の謝罪や反省をまず要求する。そうせずにはいられなくなるのだ。そして、偽りの謝罪や反省を手に入れて「こんなものは本物じゃない」とさらに糾弾する。 本当の謝罪や反省や後悔を得たいなら、遠回りなようでも加害者の心情をクリアにするところから始めなくてはならない。 今まで漠然と思っていたことが実証とともに言語化されていて、我が意を得たりの1冊であった。
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いい本だった。なぜ反省"させる"はいけないのか。そこに抑圧が確実にあり、内政を促さずその犯罪に至った経緯を見ないからだと。麻生さんと言ってること似てるなーとも思う。
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タイトルがおもしろそうなので読んでみた。 ひとが悪いことをしたときに反省させるだけでなく、「自分の内面を深く見つめること」が必要だと説く。 悪いことをしたその背景など、本質的な部分にまで目を向けていかないと、犯罪者になるだとか世代間でそのような教育が連鎖していくなど、ちょっと心配...
タイトルがおもしろそうなので読んでみた。 ひとが悪いことをしたときに反省させるだけでなく、「自分の内面を深く見つめること」が必要だと説く。 悪いことをしたその背景など、本質的な部分にまで目を向けていかないと、犯罪者になるだとか世代間でそのような教育が連鎖していくなど、ちょっと心配しすぎかなと思うところもあるけど、おおむねおもしろかった。 「自分を深く掘り下げる」ことの大切さを改めて思わされる。人間って、たぶんあったかい生き物やなあ。
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問題行動の原因追求をしないままイタズラに反省だけを求めると、上部だけの反省や真の原因に対する抑圧に繋がり、やがて更なる問題行動に繋がる、との事。 子育て中の自分にとって、恐ろしいほど的を射た内容だった。 この本に出会えて良かった。
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厳しくしつける。悪いことをしたら反省させる。反省していたら罰を軽くする。これ、全部ダメだという。 最初はビックリするけど、読んでいくうちに納得して考えが変わる。 まずタイトルになっている「反省」。小さい頃から大きくなるまで、とにかく反省しろ反省させろというシーンが多い。ところが、...
厳しくしつける。悪いことをしたら反省させる。反省していたら罰を軽くする。これ、全部ダメだという。 最初はビックリするけど、読んでいくうちに納得して考えが変わる。 まずタイトルになっている「反省」。小さい頃から大きくなるまで、とにかく反省しろ反省させろというシーンが多い。ところが、自発的に反省したのではなく、反省しろと言われて反省(したような作文や発言を)するとそれで許してもらえるという体験を重ねるうちに「反省したふり」ばかりがうまくなるし、自発的な本当の反省にたどり着くきっかけを失ってしまう。そうすると、「悪いことはしない」ではなく「悪いことをしてもばれない」ことが重要だと誤認する。 悪いことをしても「反省した振りさえすれば許してもらえる」のだと誤認する。結果的に、再発防止にはつながらない。 「反省しなさい」の多くはまず「被害者の立場気持ちを想像しなさい」から始まるが、これもよくないという。むしろ「加害者である自分の気持ちをどんどん掘り下げなさい」からはじめるべきだと。 これが、刑務所で犯罪者の更生プログラムに関わってきた著者の意見。 なるほど〜。自分にもたくさん思い当たることがある。 もう一つ面白かったのは、厳しいしつけに関わるところ。「人に迷惑を掛けない」「我慢する」「わがままを言わない」「いい子にしている」などのしつけは、すべて孤独孤立と同じ方向を向いているという。「気持ちを押し殺すこと、他人に頼らないこと」を目指すべき方向にすることが回り回って「もうダメだ、犯罪しかない」につながるし、刑務所を出たあとにうまく生きられず戻ってきてしまう原因にもなっているという。 そうではなく「他人に頼ること」「気持ちに素直になること」「迷惑をお互いと思うこと」こそ大事な子育てだという。 これは佐々木正美さんや内田樹さんの言葉にも通じるものがあるなぁ。 反省を強要すると自発的に本当に反省する機会を失う。 犯罪に対する厳罰化は、再発防止にはむしろ逆効果になる。 厳しいしつけと子供の虐待やいじめは表裏一体である。 奇妙なタイトルの奇妙なロジックの本かと思っていたら、人生の価値観が変わるようなおもしろビックリ本でした。
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HONZのレビューを読んで手にとった。とても納得した。問題行動が起きたら、まずは本音を吐き出してから反省しないと、感情を抑圧して状況が悪化する。犯罪だけではなく、あらゆる場面に応用できる考え方だった。多くの人に読んでほしい一冊。
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文章は単調でくどいが、主張はクリア。 私自身は概ね同意である。 しかし,この主張を受入れられる人は、幸いにして、そのように育ってきた人なのだ。
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