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よだかの片想い の商品レビュー

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140件のお客様レビュー

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    33

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2013/08/30

生まれつき顔にアザがある女の子の恋物語。「このアザがなかったら、知らなかった世界や出会えなかった人がいる」という主旨のことを作中で言っていたけれど、そういう外見的なコンプレックスが性格や考え方に与える影響の大きさは計り知れないと改めて実感。私はほくろを気にしていた時期があったので...

生まれつき顔にアザがある女の子の恋物語。「このアザがなかったら、知らなかった世界や出会えなかった人がいる」という主旨のことを作中で言っていたけれど、そういう外見的なコンプレックスが性格や考え方に与える影響の大きさは計り知れないと改めて実感。私はほくろを気にしていた時期があったので、アイコの気持ちが何となく理解できた。もしこれがなかったら、これを気にしないくらい可愛く生まれていたら…やや後ろ向きだったアイコが逢坂さんと出会って、女性として、人間として成長していく様が清々しく、ページをめくる手が止まらなかった。終わり方も大人のそれで、余韻で満たしてくれる一冊だった。島本理生、やっぱり良いなあ。

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2013/08/17

島本理生さんの作品って、いつもどこかに欠点のある人が多いなぁと思う。今回の主人公もそう。けれども、そこをソフトに乗り越えていく、その欠点さえも自分の一つとして受け止めてしまうという考え方が良いなぁと思う。そういうある意味での強さだったりしなやかさだったり、人間って完璧を求めがちだ...

島本理生さんの作品って、いつもどこかに欠点のある人が多いなぁと思う。今回の主人公もそう。けれども、そこをソフトに乗り越えていく、その欠点さえも自分の一つとして受け止めてしまうという考え方が良いなぁと思う。そういうある意味での強さだったりしなやかさだったり、人間って完璧を求めがちだけど、それって息苦しいんだよね…というのを改めて思い出させてくれるそんな小説だと思う。

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2013/08/14

図書館にて。 素敵な作品だった。 生まれつき顔にあざのある少女のまっすぐな恋の物語。 飛坂さんとのエピソードは読んでいても夢のようで、最初の頃のただ気持ちをぶつけるだけのアイコがだんだんと変わっていく様子がとても美しかった。 飛坂さんとの別れのシーンもりりしくて好き。 融通が利か...

図書館にて。 素敵な作品だった。 生まれつき顔にあざのある少女のまっすぐな恋の物語。 飛坂さんとのエピソードは読んでいても夢のようで、最初の頃のただ気持ちをぶつけるだけのアイコがだんだんと変わっていく様子がとても美しかった。 飛坂さんとの別れのシーンもりりしくて好き。 融通が利かないだけに正直でまっすぐなアイコとはいずれ別れが来るだろうとは思っていたが、飛坂さんの中にも大切な人として残っていくんだろうな。 そしてそして、原田君いい! 多分完全にわき役だったけど、そばでアイコの良さをちゃんと見ていてくれたし、さりげなく優しい。ETに似ててかっこよくはないかもしれないけど、この人すごく特別な人だと思うけどな。 飛坂さんとのようなロマンチックなものはないかもしれないけど、アイコが原田君の良さに気付けるようになったらまた一皮むけるんじゃないかな~なんてな笑

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2013/08/13

久し振りに島本理生の本を読んだ。相変わらず女性から見た恋愛を書くのがうまいなと思う。ただ、今回は、登場人物の感情、特に主人公のアイコの心の動きを細かく書き過ぎている印象があり、細部まで行き届いているのだが、読者が自由に想像できる余韻・余白が少なかったように思う。 ストーリーは、恋...

久し振りに島本理生の本を読んだ。相変わらず女性から見た恋愛を書くのがうまいなと思う。ただ、今回は、登場人物の感情、特に主人公のアイコの心の動きを細かく書き過ぎている印象があり、細部まで行き届いているのだが、読者が自由に想像できる余韻・余白が少なかったように思う。 ストーリーは、恋愛小説にしては骨太で、アイコの強さも弱さもよく描かれており、読み応えがあった。初恋に踊る女心の微妙な綾のようなものもリアルで、社会性と恋愛をうまく小説にまとめている気がした。ハッピーエンドに堕さない大人なエンディングもよかった。

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2013/08/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

顔に大きなあざを持つ少女と、 温かな家庭とは縁なく生きてきた青年。 本来、出会うはずのなかった二人が 束の間の交際期間を経て、別れていく。 出会わなければ知ることのなかった喜びや苦しみ。 でも、知ったからこそ前に進めるのだ。 恋は人を変えるとはよく言ったものだ。 頑なな殻を破った彼女は、きっと美しくなったに違いない。

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2013/08/05

男と女なんて、今日好きだって言っても、明日にはもう嫌いになってるかもしれない。 そういう、うたかたみたいなものだから。 なんでもかんでもあせって決めないほうがいいよ ああ、笑顔っていうのはこういうときのためにあるのか、と初めて学んだ。 自分が面白いから、楽しいから、だけじゃなく...

男と女なんて、今日好きだって言っても、明日にはもう嫌いになってるかもしれない。 そういう、うたかたみたいなものだから。 なんでもかんでもあせって決めないほうがいいよ ああ、笑顔っていうのはこういうときのためにあるのか、と初めて学んだ。 自分が面白いから、楽しいから、だけじゃなくて。 相手を追い詰めないように。けっして苦しめないために。 一緒にいるっていうのは、相手を肯定しながら、同じ場所にいることなんだからさ。 それは立派な理由だし、責任だ。 シンプルな言葉で胸の奥まで響くようなことを書く。 この人のこういうところが好きやなって読む度に思う。

Posted byブクログ

2013/07/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

左の目から頬にかけてあざがある理系女子大生の前田アイコ。幼い頃からからかいの対象にされ、恋や遊びはあきらめていた。しかし取材を受けた「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本が話題となり、本が映画化されることに。アイコは対談企画で出会った映画監督の飛坂逢太に惹かれ始める。アイコは飛坂への思いを募らせ不器用に距離を縮めていきながら、自分のコンプレックスとも正面から向き合うことになる。 女性にとって容姿に関わることは重要な問題である。まして隠すことも難しい顔にあざがあるなんて。私がアイコに同情していたことは間違いない。あざを取り去ることがアイコの幸せだと信じていた。だからアイコがレーザー治療を躊躇したことに愕然とした。 アイコは、あざがあったからこそ見えた世界があったと気付く。アイコと飛坂が二人で歩いていると、すれ違った男の子たちがアイコのあざを揶揄した。それを聞いた飛坂は男の子たちに謝罪を要求した。戸惑うアイコに飛坂はなんでもないことのように言うのだ。「一緒のときに、あなたが悪く言われたら、反論する責任が僕にはあるでしょう。一緒にいるっていうのは、相手を肯定しながら、同じ場所にいることなんだからさ。それは立派な理由だし、責任だ」それはアイコにあざがあったからこそ聞くことのできた飛坂の言葉だった。 また飛坂は完成した映画の冒頭で、アイコに対する思いをほのめかす。彼女は小さな体の中に果てしない夜空を抱え、自分はその星々に見守られて救われたのだ、と。他人とは違うというコンプレックスのために辛さや寂しさを感じながら生きてきたアイコ。だからこそ、他の人が気付かないような「痛み」に気付き、寄り添うことができたのだろう。アイコの中の広大な夜空もまた、あざが与えてくれた世界なのだった。 結局二人の関係は終わってしまうのだが、アイコの人生を変えたという意味で、これは運命の恋だったと言えるだろう。少し寂しさを感じるが、しかしひとつの恋を通して大きく成長したアイコの姿がまぶしかった。

Posted byブクログ

2013/07/26

初期は好きだったのに、いつのまにかしっくりこなくなっていた島本さんに、この作品でまた会えたね、という気持ちになりました

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2013/07/22

顔にアザのある23歳の大学院生の恋の話。日経の書評にこれは赤毛のアンだと書いてあり、なるほどよだかの星やみにくいアヒルの子というより自分の欠点を個性ととらえて前向きに生きて行く姿がアンに似ているなと思いました。だから彼女はレーザーでアザを取ったりしないのです。幸せになって欲しいで...

顔にアザのある23歳の大学院生の恋の話。日経の書評にこれは赤毛のアンだと書いてあり、なるほどよだかの星やみにくいアヒルの子というより自分の欠点を個性ととらえて前向きに生きて行く姿がアンに似ているなと思いました。だから彼女はレーザーでアザを取ったりしないのです。幸せになって欲しいです。 私の中学からのかなり仲良しの友達は顔に大きなホクロがありましたが美少女で明るくて、しかもモテてたし、高校生になってレーザーで取ったのですがそれについても一言も話し合ったことがなかったなぁ。むしろフラメンコダンサーのくせにお腹が出ていて当時運動部で腹筋を誇っていた?私はよくクマさんのお腹ー!とからかってたなぁ。お腹のことやホクロを見て見ぬ振りをしたことで傷つけたかなぁなどと実際の友達とヒロインを重ねながら読みました。

Posted byブクログ

2013/07/21

  顔にコンプレックスのあるあいこがまっすぐに生きている姿に心打たれる。あいこが嫌な目にばかり合う被害者として書かれているのでなくて、どこにでもいる女の子として書かれていて、恋をして心を開いて人にぶつかっていくことで、周りの人の気持ちにも気づいて成長していくところに希望が見える。...

  顔にコンプレックスのあるあいこがまっすぐに生きている姿に心打たれる。あいこが嫌な目にばかり合う被害者として書かれているのでなくて、どこにでもいる女の子として書かれていて、恋をして心を開いて人にぶつかっていくことで、周りの人の気持ちにも気づいて成長していくところに希望が見える。  愛子のまっすぐさ、真面目さを理解し、愛してくれる人たちが周りにたくさんいることがうれしい。一生懸命生きることが大切なんだなと思わされる。

Posted byブクログ