忘れられたワルツ の商品レビュー
2011年から2012年頃に書かれたようで、作者の震災後の複雑な気持ちの変化が感じられた。 絲山さんの感性か高尚すぎて 私には 理解や共感が追いつかず。 伝えたいメッセージが わからないまま。
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オーロラを運ぶ女と遭遇する「葬式とオーロラ」、見ず知らずの駅に降り立ってしまう「NR」が面白かったです。え、いつの間に非現実に入り込んだのだろうという不思議な世界観でした。一風変わった人たちの人生の一場面を垣間見るストーリー。少し辛い過去を抱える登場人物の不穏な空気の中にも、ふと...
オーロラを運ぶ女と遭遇する「葬式とオーロラ」、見ず知らずの駅に降り立ってしまう「NR」が面白かったです。え、いつの間に非現実に入り込んだのだろうという不思議な世界観でした。一風変わった人たちの人生の一場面を垣間見るストーリー。少し辛い過去を抱える登場人物の不穏な空気の中にも、ふと笑える会話もありで、そうか、そうだったと、所々共感してしまう。ヤンキーとチャラ男の違い、ブリーフとトランクス論。 ほんのり震災の要素が絡まっている。過去と今とは違う、もうふつうなんてなくなった。5年後のふつうなんて想像できない。そうだな・・。 直接的ではないのに、後でふわりと響く独特な雰囲気でした。今日の地元紙、日曜の本の紹介の頁に著者の紹介が載っていた。なんという偶然。
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意味がわからなければ、わからないままに、読めばなぜか懐かしを覚える絲山秋子さんの作品です。独立した7話が収録されています。「忘れられたワルツ」、2013.4発行。どれも味わい深いです。絲山さんですから、車、煙草、病の話はしっかりテーマになっていますw。私は、第3話「葬式とオーロラ」、第7話「神と増田喜十郎」が気に入りました!
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絲山秋子の本は何冊か読んだ。いずれも少し不思議な感じがある世界なのだが、本書はかなり幻想的な特色を持つ。 意味のわからない話やメタファーもあるが、意味を探りたくなる深みがある。 東日本大震災の後に書かれた短編集と知り、なるほどと意味を了解した部分もある。 不穏さ、もの悲しさに浸るような作品も、どこかユーモラスでそれがシュールに思えるのがこの作者の持ち味だろう。 描写は極端に省略され、それでも情景が浮かぶ。上手い。 読書会の課題だったのだが ・忘れられたワルツ ・ニイタカヤマノボレ ・神と増田喜十郎 この三編がとても気に入った。
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小品7作 どの作品も主人公はそこし変わった人 理解できるところとそうでないところがありそこし読みにくかった
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短編集。 震災が共通項となっているが、正面からそれを描いているわけではない。 どの物語にもどこかにあの3.11の影が現れる。 しかし、タイトルの「忘れられたワルツ」は、よくわからなかった。妹は精神的におかしくなってしまっているのだろうか。姉と母はもういないのだろうか。 そうだとす...
短編集。 震災が共通項となっているが、正面からそれを描いているわけではない。 どの物語にもどこかにあの3.11の影が現れる。 しかし、タイトルの「忘れられたワルツ」は、よくわからなかった。妹は精神的におかしくなってしまっているのだろうか。姉と母はもういないのだろうか。 そうだとするととても悲しい話だったが、一番印象に残った。
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どこかシュールな7話が収められた短編集。 冒頭いきなり「恋愛とはすなわち雑用である」と言い切った一文で始まる『恋愛雑用論』。 雑用でしかないけれど決して不要ではない、というのがミソである。 日下部さんと金子くんの掛け合いのような会話が笑える。 社長の言う通りお似合いの二人だ(日下部さんは怒るだろうけれど)。 また「離婚したから遊びに来ませんか」で始まる『強震モニタ走馬燈』も良かった。 新年早々、このたった一行の年賀状を寄越した女友達はとにかくマイペースで、暇さえあれば強震モニタを見ているという変わり者。 けれど悩みだろうが悪口だろうが筋が通っていようがいまいが、何を言っても否定しない。 こんな友達いいな。 今日も一人でモニタ監視をしているであろう彼女に、是非とも凹んだ時に逢ってみたいものだ。 東日本大震災の後に書かれた短編達。震災について直球で書かれず、読んでいる内にあの震災のことだと分かる感じ。 特に表題作は、初めは気付かなかった震災の影響に心がざわざわした。 痒いのが早く治るといいね…。
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恋愛も雑用と一部と考えてしまう事務員と、小利口くん。 風変わりな離婚した魚住が毎晩見る地震計の揺れ。 理科の先生の葬式とオーロラを運んでると言った知らない女。 鉄塔と変だけど気の合った今は亡きいとこと別れた恋人。 ノーリターンで直帰だった上司と部下が行き着いた先。 母の浮気調査のために家を出て行った姉を案じる妹と変わった家族。 市長になった同級生を支え続け女装することになった男と神。 恋愛雑用が一番面白かったと思うけど 長い病院の待ち時間で読み進めたからか、 頭にうまく入ってこない部分もあり たぶんこの本の面白さを全身で感じ取れていない。
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良く判らなかったというのが素直な感想。 「震災後を生きる者たちの不安/不穏を描き出す」といった解説があり、確かに作品中に震災がチラチラ顔をのぞかせるのだけれど、別に震災が有ろうが無かろうがこんな不安/不穏は存在するので。。。 それぞれの短編は面白いのだけれど、一冊の本としての印象...
良く判らなかったというのが素直な感想。 「震災後を生きる者たちの不安/不穏を描き出す」といった解説があり、確かに作品中に震災がチラチラ顔をのぞかせるのだけれど、別に震災が有ろうが無かろうがこんな不安/不穏は存在するので。。。 それぞれの短編は面白いのだけれど、一冊の本としての印象が薄い、そんな本でした。
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3.11後の空気感を帯びた、7つの短編。 最初の「恋愛雑用論」は大笑いしながら読んだけど、読み進めるにつれ、だんだん難しく、わけわからなくなっていった。 共通するのは、普通の人々の中にある、震災後の世の中への戸惑い、疑念、怒り・・・ 震災のあと、わかりやすくなった人々の言うこと。 白か黒、0%か100%、賛成か反対か、いいか悪いか・・・そんな空気のなかで、友達にも、家族にも、テレビにも政治家にも違和感を覚えている日々。 ーー戻れない場所までは、ほんの一歩にすぎない。あの日から変わってしまった世界が、つねにすでにここにあるのだからーー 最後の女装するおじいさんの話がよかった。
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