忘れられたワルツ の商品レビュー
図書館で借りて返してしまったのでよく覚えていないけど、全て震災に関するエピソードが絡めてある短編集だったかな?
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世の中は悲しみで満ちている。 その悲しみのひとつひとつに気付いてしまうんだろうね、絲山さんは。 真正面から対峙すると悲しみの奥底に引きずり込まれてしまいそうだから、少し斜めに視線をずらして、歩いていくしかない。多分、誰もが。 そして、この分かり合えなさたるや。誰もが一人で生きてい...
世の中は悲しみで満ちている。 その悲しみのひとつひとつに気付いてしまうんだろうね、絲山さんは。 真正面から対峙すると悲しみの奥底に引きずり込まれてしまいそうだから、少し斜めに視線をずらして、歩いていくしかない。多分、誰もが。 そして、この分かり合えなさたるや。誰もが一人で生きているんだ、と思い知る。
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震災が起こったこと、が日常へと溶けた7人の日常を書いた短編集。慟哭とか号泣といった激しい感情の揺れは皆無だが、確かに何かが喪われたらしいことによる、諸行無常の諦念が通奏低音として流れる。静かに悼む物語。
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久しぶりの絲山作品。 なんだか不思議な後味の短編ばかり。 でも、はっとするフレーズがどれにもあって、 色んな名前のない気持ちを起こさせる。 とても好みの短編集だった。
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どれもよかったけど、 最後のやつ、特によかったなぁ。 どれもこれも絲山秋子らしさがよく出ていて、 静かでも激しく人間らしさで満たされているような作品ばかりだった。
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大きな災害の記憶が、底辺にある。地下水みたいに、脈々と物語の下を流れている。 表題作の、忘れられたワルツ、はなかなか難解な物語だ。
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絲山さんにしてはファンタジー色が強かった気がした。現代をうまく取り入れて話がかかれてるから、絲山さんの文は読みやすいー。私は絲山作品は短編より長編好みだな、と思った。
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ひとが感情的になっているとき、わたしは真っ白になった脳みそを抱えて戸惑う。ひとの感情がわからないから、共感しろと言われるのが一番困る。冗談がわからないし、嘘かもしれないと思ったら相槌を打つこともできない。 (P.92)
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やばいやつ。帯で伊坂さんが、天才のふりじゃなくて本物って言ってたのに、おーっと思ったけど、それ以上に1頁めをひらいて惹かれた。 透明なひとだと思った。棒読みじゃないけど、淡々としている。恋愛で話が始まるのに、最後は地震や災害の話だった。他のも最後は地震。あのあとに書いたからだとは...
やばいやつ。帯で伊坂さんが、天才のふりじゃなくて本物って言ってたのに、おーっと思ったけど、それ以上に1頁めをひらいて惹かれた。 透明なひとだと思った。棒読みじゃないけど、淡々としている。恋愛で話が始まるのに、最後は地震や災害の話だった。他のも最後は地震。あのあとに書いたからだとは思う。 すごかった。ふつうに見えるからうっかりするけど、これはたぶんやばいやつ。いつのまにか染み込んでとれない痣みたいな。けっこうすきだけどね。笑
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絲山さんの作品に出てくる女性の恋愛観はすごく共感できるなぁと思いました。 地震にまつわるあれこれは、やはり読むと複雑な気分になってしまう。いろんな想いが入り混じって。 だから、読後の気持ちも複雑。
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