特捜部Q キジ殺し の商品レビュー
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読んでいる間、ずっと眉間にしわを寄せていたと思う。 そのくらい嫌な事件。 最初から最後まで暴力的な、救いのない話だった。 寄宿学校時代の友人グループ。 男子5人女子1人といういびつなバランスで、学友や教師たちを性や暴力で蹂躙していく。 しかしそのバランスが崩れたとき…。 まず男同士のつながりが気持ち悪い。 深い友情とは無縁の自己中同士なのに、互いの欲望を満足させるためにつるみ、学校を卒業して20年たった今も、その容赦ない暴力への嗜好を満足するためにつるんでいる。 金持ちだから、そして暴力に関しても容赦ないから、敵はいない。 ただ一人、仲間の前から姿を消した唯一の少女・キミーを除いては。 男たちは探偵を雇ってキミーを追いかける。 キミーは見つからないように姿を隠しながら、男たちの動向を探る。 ところが、いつの間にか追う者と追われる者が逆転して、キミーが男たちを追い詰める。 キミーの抱える心の闇と、哀しい事件、喪失については同情を禁じ得ない。 けれど、たった一人の信じられる友であったティーネに対して行ったことは、許されることではない。 たとえ自分の命と、命より大切なものを守るためであったとしても。 そして、カールの絶体絶命の時にキミーが現れてすべてがひっくり返るのだけど、どうしてそううまくいくのかがちょっとわからなかった。 だって相手は武器を持っていて、だからカールは絶体絶命だったはずなのに、狩の武器を携帯している男3人に対してキミーの登場だけで逆転できるもの? 何か読み落としたかな。 特捜部Qという組織は、一名増員もしたことだし、しばらくは安泰だろうけれど、アサドの秘密が明らかにはなっていない。 カールは、別居中の妻や同居している義理の息子との関係は直接ストーリーに影響を与えないのなら、退場願っていいのでは。 無駄に煩雑。 それよりも、捜査中の大けがの後遺症で肢体不自由になった元部下をうまくストーリーに絡めて事件を解決に導いていくほうがスマート。 どうせ捜査中の大けがの真相もそのうち解明しなければならないのだから。 で、主人公のカール・マークの上司がマークス・ヤコプスンなの、混乱するって前作の感想で書いたのに、今度は同じ警察の中にマーク・ヤコプスンとは無関係のヨハン・ヤコプスンが出てくるの、やめて~。 最後にキミーについて。 彼女は誰からも本気で愛されたことがない人生だったけれども、愛することはできた。 それが唯一の救いだと思った。
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北欧ミステリーの代表といえばスウェーデンの「ミレニアムシリーズ」とこのデンマークの「特捜部Qシリーズ。 「ミレニアム」のリスペットほどの強烈な個性ではないが、主人公カールやアサドといい、初登場のローセといい、なんだか少しマンガチックな人たちがいっしょうけんめいに奮闘するミステリ...
北欧ミステリーの代表といえばスウェーデンの「ミレニアムシリーズ」とこのデンマークの「特捜部Qシリーズ。 「ミレニアム」のリスペットほどの強烈な個性ではないが、主人公カールやアサドといい、初登場のローセといい、なんだか少しマンガチックな人たちがいっしょうけんめいに奮闘するミステリードラマ。 テーマは重くテンポは軽く、シリアスとコミカルが絶妙なバランス。 うん、このシリーズ、きっとハズレは無いね。
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不器用で親の愛に恵まれなかった少年少女たちの常識を逸脱した、ゲームのような犯罪。 ここまでに至る前に、周囲の人が気付けなかったのか。止められなかったのか。 救われないので、読んでいて苦しい。
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『特捜部Q』シリーズ第2巻。今回は20年前に起こって既に解決してしまった事件を、再捜査する話し。 前作に比べると、少し面白味に欠ける感はありましたが、ラストは息つく暇も無い位展開で、楽しく読むことが出来ました❗ 今回から新たにローセ・クヌスンという女性アシスタントが加わり、ま...
『特捜部Q』シリーズ第2巻。今回は20年前に起こって既に解決してしまった事件を、再捜査する話し。 前作に比べると、少し面白味に欠ける感はありましたが、ラストは息つく暇も無い位展開で、楽しく読むことが出来ました❗ 今回から新たにローセ・クヌスンという女性アシスタントが加わり、ますます目が離せないシリーズとなっています♫秋の夜長にオススメのデンマーク産ミステリーです❗
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未解決事件を調査するはずの特捜部Qのデスクに解決済みの兄妹惨殺事件の書類が置かれていた。犯人は自首して服役中なのだが……。カールとアサドは新メンバーローセとともに再調査を始めるが。→ シリーズ2作目。前作とは違い冒頭からわかりやすい展開。そして出てくる事件の関係者たちが全体的に...
未解決事件を調査するはずの特捜部Qのデスクに解決済みの兄妹惨殺事件の書類が置かれていた。犯人は自首して服役中なのだが……。カールとアサドは新メンバーローセとともに再調査を始めるが。→ シリーズ2作目。前作とは違い冒頭からわかりやすい展開。そして出てくる事件の関係者たちが全体的にクソオブクソ(お下品な言い回しで失礼します) 暴力描写がすごくて眉間の皺が濃くなりそうな感じなんだけど、特捜部Q側が逆に明るくて救われる。変人だけど仕事ができるアサドとローセ、最高→ 正直前作に比べたら物足りなさはありつつも、特捜部Qメンバー(+α)が魅力的なんで、次も読んでいく! 個人的にはマークス・ヤコプスンとカールの絡みが大好きなんで、マークスにはずーっと課長でいてほしい(笑)
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2023.05.21 デンマークのように日本人は単純にだと思っている国にも、当たり前だが資本主義である以上、格差があり、階層があるということ。 デンマークには王室もあるのだし。
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今回も陰惨な事件でございます。 しょっぱなから誰かが必死で逃げているんですが、誰なのかわかんないんです。 でも、これが事件に関わっている事はわかっているので、どういう風に絡んでくるんだろう?と 常に頭の片隅に不穏な感覚を覚えたまま読み進んで行く事になる訳だ。 特捜部Qには、多くの未解決事件があるが、今回は、解決済みになっているはずのものを再捜査させようと誰かに誘い込まれる形で始まる。 上からの圧力もかかり、中止に追いやられるが、それがカールに火をつけた。 カールの性格、分かる分かるw 私もそういうとこあるわwww やるな!って言われるとやりたくなる。やれ!って言われるとやりたくないw カール達が追い詰めて行く対象者は、社会的地位を確率している人物達で、人々を見下し、何をしても良いと思っている、とにもかくにも嫌な奴らなのであるが、頭もいいだけに、綺麗に事後処理をしているので、証拠が足りない。 やることは山ほどあるのに、人手は足りない。 まぁ、でも、あの人がそういう事であんなことしてくれたお陰で、あの人の部隊を使えるようになるんだけれども。 いやぁ、寄宿学校って、そういう世界なんですね。まぁ、全てがそうとは言わないのは分かっているけれども、「特別階級」を重視する人々がいるのは分かってる。 今作からカールチームに加わったローセも、これまたいい味出してまして、 カール・アサド・ローセの3人のやりとりが、陰惨な事件を追いかけていく中での、ホッとできる所。 ローセのカールの人相の伝え方とか、それは笑うしかないwww カールごめん! この事件とは別件で、カール達が襲われ、アンカーが亡くなり、ハーディが寝たきりになった事件に関して、ハーディが気付いた事については、シリーズ通して謎解きをしていく形になるんだろう。今は、まだ、そちらについては問題提起されただけ。 別々と思われていた事件の共通性をみつけ、証拠固めて、追い詰めたと思ったら、 冒頭のあのシーンが やってきた。 やーん。逃げられるの!?でも、このシリーズ続いてんだから、逃げられるんだよね!?という、おおよそ物語とは関係のない理由で助かると信じながら読み進める。 これ、リアルタイムだったら(続きがまだ出てない時だったら)もっと心臓に悪かっただろうなぁと・・・。ある意味、読む時期が今で良かったなぁと思いました。小心者なんで。 結局、過去の事件で、殺害を犯したのは彼女だったわけだけれども、彼女をそうさせたのは彼らだった。とにかくとんでもない奴ら。奴らを破滅させる事が出来るのは彼女だけで、彼らはそれを恐れていた。そして・・・ いっきに過去の事件がまとめて解決しましたよね・・・ そして、この先、彼らによる事件はなくなった。それだけが救いなのかしら・・・
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一作目ほど楽しめなかったなあ。これくらいのレベルだと、シリーズを読み続けるのは辛いが、しかし! 3作目から面白くなるとのことなので、今後に期待。
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【全欧ベストセラー 警察小説第2弾】 北欧ミステリーの人気シリーズ、『特捜部Q』の第2弾。 今回は犯人がわかっている中、どう追い詰めて行くのかハラハラしながら読んだ。 この作品の映画は読む前に観ていたのだが、映画と原作では内容が結構違っていたので驚いた。 感想としては、事...
【全欧ベストセラー 警察小説第2弾】 北欧ミステリーの人気シリーズ、『特捜部Q』の第2弾。 今回は犯人がわかっている中、どう追い詰めて行くのかハラハラしながら読んだ。 この作品の映画は読む前に観ていたのだが、映画と原作では内容が結構違っていたので驚いた。 感想としては、事件の内容と犯人にとにかく胸糞悪くなった。 動機に共感できることが何一つなく、犯人にとって自分の周りの人間全てが狩りの獲物だということ。 そこにはただ快楽しかないのだ。 そんな人物の表の顔は有力者なのだからゾッとする。 イヤミスではあるものの、主人公カールと仲間の掛け合いとカールのツッコミが面白くいいバランスになっている。 今回から新メンバーも登場し、何ともいいキャラなので今後の活躍に注目していきたい。 人間の恐ろしさをあらためて感じる1冊だ。 こんな人におすすめ .ᐟ.ᐟ ・北欧ミステリーが好きな人 ・イヤミスが好きな人 ・海外ミステリーが好きな人 ・刑事ものが好きな人 ・倒叙ミステリーが好きな人
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特捜部Qシリーズの第二弾、新たな個性的なメンバーも加わり、埋もれていた政財界の大物御曹司グループの凶悪犯罪事件に切り込んでいく。終わり方も見事。
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