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愛の夢とか の商品レビュー

3.8

97件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

    21

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

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2014/06/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

十三月怪談に弱いのです。 前回読んだ時に電車の中、歯医者の待合室、仕事場で感情を抑えきれないというかなりのつらさを経験済みなので、ひとり、夜中、ベッドという最高の環境で心置きなく感情をあらわにできたことが幸せです。 自分の大切な愛しいお家を奪われた主婦の話なんて、今までの川上さんの作品の世界観と全然ちがって驚きました。でも読んでしばらくあとで、例の土との一体化だのを思い出すと、ああ、卵を投げつけていた頃と変わっていない!と思えたりもしました。川上さんの作品の突拍子もない展開も彼女の作品を好きになってたくさん読んでしまうと、大して意外性の無い日常的なものだと誤認識してしまう恐ろしさも知りました。

Posted byブクログ

2014/01/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人の思考回路を覗いている様な短編集。 幻想なのか現実なのか・・・。 深夜の読書に相応しい感じです。 読んでいることすら夢の中のような。 鬱的な妄想や言動がある登場人物に 関しては理解不能でもありました。 ・アイスクリーム熱 ・愛の夢とか ・いちご畑が永遠につづいてゆくのだから ・日曜日はどこへ ・三月の毛糸 ・お花畑自身 ・十三月怪談 リストの「愛の夢」の話しも面白かったけれど、 愛着のあるマイホームを手放し女性の「お花畑自身」 死んでも旦那をそっと見守っている「十三月怪談」も シュールではあるけれどよかったです。

Posted byブクログ

2014/01/09

どの話も、作者の視点が独創的。物語を楽しむというか、感性を楽しむ作品だった。 好きな描写は、「アイスクリーム熱」の、夢のシーン。彼が月桂樹の葉を衣類から1枚とってアイスに置くところ。きらきらしていて、じんわりと胸に響いた。

Posted byブクログ

2013/12/24

七つの短編が入った短編集。 似たようで違っていて、でも雰囲気に統一性があるような。女性作家ならではの柔らかさと、チクリ、と指す棘もある。表題の『愛の夢とか』も面白かったけれど、なんか『いちご畑が永遠につづいてゆくのだから』の息苦しさが、やけにリアルで印象に残った。

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2013/12/11

ヘヴンは震えるくらい面白くてすごかったけれども、これも震えるくらい面白くてすごい。ほんとうにすごい。こころの震えが手に取るように分かって、わたしのこころも震える。とんでもなく深くてやわらかいところまで響くような、決して偽物ではない。どこまで行くの、と聞きたくなるような。自分がいて...

ヘヴンは震えるくらい面白くてすごかったけれども、これも震えるくらい面白くてすごい。ほんとうにすごい。こころの震えが手に取るように分かって、わたしのこころも震える。とんでもなく深くてやわらかいところまで響くような、決して偽物ではない。どこまで行くの、と聞きたくなるような。自分がいて他者がいて、自分の欲求があってどうしようもなさがあって、苦しさがあって、生きるのってほんとうに難しい。やわらかくてあたたかいところを守るような小説にわたしは弱い。しかしその良さ、その素晴らしさを言葉にしようとしても、具体的にここがいいとかあれがいいとかそういう風には言えなくて、ああなんて情けないと思うのだけれど、それすらも肯定されるようなぬくぬくと優しさにつつまれるようなそんな。

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2013/11/24

川上未映子氏初の短編集。鋭くきりきりとした大阪弁もいいけれど、人間の狂おしさを静かに、でも生々しく描き出す標準語も一級品。そのうちの一篇『お花畑自身』がもうべらぼうによい。そんなにそう思うのならいっそのことこうしたらいいのではないですか、たしかにそうですね、というのはよくある話だ...

川上未映子氏初の短編集。鋭くきりきりとした大阪弁もいいけれど、人間の狂おしさを静かに、でも生々しく描き出す標準語も一級品。そのうちの一篇『お花畑自身』がもうべらぼうによい。そんなにそう思うのならいっそのことこうしたらいいのではないですか、たしかにそうですね、というのはよくある話だけれど、突き詰めるとあんなにすごいのね。

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2013/11/20

ピアノを奏でるテリーと何故かそれを聴くはめになったピアンカを描いた「愛の夢とか」、青春時代の本に絡んむ雨宮君との淡い思い出を語る「日曜日はどこへ」.「三月の毛糸」は妊娠中の妻とよく眠れない夫が出てくる.「お花畑自身」では売り払った家を見に行く女の話.「十三月怪談」には腎臓病で亡く...

ピアノを奏でるテリーと何故かそれを聴くはめになったピアンカを描いた「愛の夢とか」、青春時代の本に絡んむ雨宮君との淡い思い出を語る「日曜日はどこへ」.「三月の毛糸」は妊娠中の妻とよく眠れない夫が出てくる.「お花畑自身」では売り払った家を見に行く女の話.「十三月怪談」には腎臓病で亡くなった時子が現るが、夫の潤一は気がつかない少しぞっとする話が語られる.長い文章が続く箇所が妙にきになる短篇集だ.

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2013/11/01

よくわからないもの、あまり心に残らないもの、ドキドキしたもの、惹き付けられたもの、、読んでいて気持ちがあっちこっちと忙しい短編集でした。 「十三月怪談」は、涙が止まらなかった。と同時に、ただただ泣けるお話ではなく、こんな風に作り上げる川上さんは、やっぱりすごく上手だなーと思います...

よくわからないもの、あまり心に残らないもの、ドキドキしたもの、惹き付けられたもの、、読んでいて気持ちがあっちこっちと忙しい短編集でした。 「十三月怪談」は、涙が止まらなかった。と同時に、ただただ泣けるお話ではなく、こんな風に作り上げる川上さんは、やっぱりすごく上手だなーと思います。 わたしにとって川上作品は、特有の雰囲気があり、それはどちらかというとそんなに得意なものではないんだけれど、でも、もう少し読んでみたいと思わせられる、好きやきらいに当てはめられない作家さんです。

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2013/10/27

内容は好みなんだけど、文章が読みにくくて読み進めるのが辛かった。 「十三月怪談」と「お花畑自身」がお気に入り。

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2013/10/03

大好きな作家・川上未映子の短編集。 隣人の老婆のピアノを聴くことになった表題作、愛の夢とかがいちばん良かった。 あと破産で家を手放すことになった主婦と新しい住人の女とのバトルのお花畑自身も面白かった! 川上さんの作品はエッセイと長編の方が好きだな、と思いました。

Posted byブクログ