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愛の夢とか の商品レビュー

3.8

97件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

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2015/03/13

短編集。東日本大震災のあとに書かれたものだからか、モチーフのひとつとして地震が使われてるものが多かった。 現実と幻想の間のようなふわふわした浮遊感を読んでいて感じました。 特によかったのは 『三月の毛糸』『日曜日はどこへ』『十三月怪談』 それから『お花畑自身』は狂気を感じ...

短編集。東日本大震災のあとに書かれたものだからか、モチーフのひとつとして地震が使われてるものが多かった。 現実と幻想の間のようなふわふわした浮遊感を読んでいて感じました。 特によかったのは 『三月の毛糸』『日曜日はどこへ』『十三月怪談』 それから『お花畑自身』は狂気を感じてものすごく怖かった。

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2015/02/20

短編集。十三月怪談という短編好きだった。死んでしまった奥さんが残された旦那を見続ける。「生きているひとをすくうのは、すくえるのは、どうやったって生きているにんげんでしか、ないんだった。だいじな人がいるなら生きていなければならないんだな。」なんとなく、あの震災に想起されたところを感...

短編集。十三月怪談という短編好きだった。死んでしまった奥さんが残された旦那を見続ける。「生きているひとをすくうのは、すくえるのは、どうやったって生きているにんげんでしか、ないんだった。だいじな人がいるなら生きていなければならないんだな。」なんとなく、あの震災に想起されたところを感じる話。

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2015/01/08

14/01/08 川上弘美だと思って借りて、読んでて「なんかいつもと違うな~やわらかくないなあ~」と違和感を感じていたら違う人でした。ちゃんちゃん。 装画がとてもかわいいです。小説自体はいまいちでしたが手元に置いておきたいパッケージです。 「三月の毛糸」の女と「お花畑自身」の語...

14/01/08 川上弘美だと思って借りて、読んでて「なんかいつもと違うな~やわらかくないなあ~」と違和感を感じていたら違う人でした。ちゃんちゃん。 装画がとてもかわいいです。小説自体はいまいちでしたが手元に置いておきたいパッケージです。 「三月の毛糸」の女と「お花畑自身」の語り手の女はほんっとやだなあと不快感丸出しで読みました。やだやだ。

Posted byブクログ

2014/07/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新居の一軒家に引っ越した矢先に地震が起き、専業主婦である私はガーデニングにのめり込んでいた日々に聞こえてきたピアノの音色。 隣の家のピアノの音色に導かれて、隣人のテリーの演奏を毎日聞いて、私は新しくビアンカという名前を持ち、非日常へと引き込まれていた不思議ないっとき。 他短編。 アイスのバイト店員と客の甘く溶ける恋とも呼べないそれ。 喧嘩した彼氏といちごの食べ方。 昔の恋人と約束したことを果たそうと向かった先での出来事。 妊娠して不安に陥る妻を慣れない旅先で慰める夫が知らずに体験した地震と奇跡。 自己破産で大切にしていた家を失った専業主婦の執念。 互いを大切に思っていた夫婦が死別とその後、それすらも幻だったのか本当の話か、定かではない。 愛の夢とか、は、特に感動する話でもなかったのだけど、Coccoを聞きながら読んでいたらいつの間にか涙を流していたよ。ピアノの隣人は本当に存在していたのかもすら危うい。印象的。 運良く地震を免れていた夫婦がどうでもいい毛糸の話している話もよかったし 懐かしい昔の恋人との約束を守って思い出の地で待ったけど、結局相手は現れなかった話は たとえ自分がどれだけ懐かしんだ恋愛だとしても、意外と相手にとっては薄いそれだったのかもって、なんだか妙に現実的で切なくなったよ。 芸術肌っぽい作品で、苦手な人は苦手かもしれない。 でも、全体的によかったよ。わたくし率、イン、歯ー~ より普通の文章で安心した)^o^(

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2014/06/19

7つの短編集。 「不安」を、言葉にしようとしている感じ。 普段見ないふりをしている不安と、目と目が合う感じがある。 不安ってなんなんだろう。 未来とか、死とか(生きていること)、自分の存在とか、毎日会う人にさえ、不安。 意識と無意識の境目みたいな、眠りに落ちる瞬間の境目みたいな、...

7つの短編集。 「不安」を、言葉にしようとしている感じ。 普段見ないふりをしている不安と、目と目が合う感じがある。 不安ってなんなんだろう。 未来とか、死とか(生きていること)、自分の存在とか、毎日会う人にさえ、不安。 意識と無意識の境目みたいな、眠りに落ちる瞬間の境目みたいな、そういうものに似ていて、曖昧で、正体を知ってしまうことが、とてもこわい。 「お花畑自身」がすごくこわかった。“家”と人の精神が溶けあう感じの話はやっぱりこわい…。

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2014/05/25

川上未映子さんの小説はいつも気になって読んでいる。 池澤夏樹が、『三月の毛糸』を英訳版で は『三月すらも毛糸でできていた』みたいに訳されているのを紹介していたのが気になって読む。(MARCH WAS MADE OF YAWN) だってあまりにも詩的で美しいので。 一番感動したのは...

川上未映子さんの小説はいつも気になって読んでいる。 池澤夏樹が、『三月の毛糸』を英訳版で は『三月すらも毛糸でできていた』みたいに訳されているのを紹介していたのが気になって読む。(MARCH WAS MADE OF YAWN) だってあまりにも詩的で美しいので。 一番感動したのはタイトルだったかも……

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2014/05/20

『喪失』がテーマな短編集。独特な切り口と感性で忘れかけていた大切なものを優しく気付かせてくれる内容。 川上未映子さんは、常に「人」や「物に対する愛情」、また「流れる時間」「想い出」「言葉ひとつひとつ」に至るまで、この世のすべての「存在」を大切にしていることが手に取るように分かる...

『喪失』がテーマな短編集。独特な切り口と感性で忘れかけていた大切なものを優しく気付かせてくれる内容。 川上未映子さんは、常に「人」や「物に対する愛情」、また「流れる時間」「想い出」「言葉ひとつひとつ」に至るまで、この世のすべての「存在」を大切にしていることが手に取るように分かる。そういう人でないと描けないと思う。 特に後半の『お花畑自身』と『十三月怪談』は、印象に強く残った。 『お花畑自身』 いつの間にか、私自身も完全な主婦的思想になってしまっていたことに気付かされる。自分のお城を築くのに夢中になり、周りの世界や、現実と非現実の境界が分からなくなってしまう主婦のお話。 『十三月怪談』 生きていることが、どれだけかけがえのないことなのかということ。生きている人を幸せにできるのは、他でもなく生きている人である事実。 時子と潤一で、事実が随分と食い違っていることも素晴らしい。事実はひとつではなくとも、ふたりの真実はひとつであるから。時子の文章で途中から徐々にひらがなで埋め尽くされていくような手法も表現力が実に豊かだと思う。

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2014/03/03

棘のある女性を描写させたらピカイチ ですよね、この人。すべまよの冬子の 友だち然り、「お花畑自身」の若い女性然り。 十三月怪談は、泣けた。 時子と潤一で、起きたことが違うので、 どちらが「ほんとう」なのかと思う。 たぶん、普通に考えれば「生きている方」に 起きたことが本当なんだ...

棘のある女性を描写させたらピカイチ ですよね、この人。すべまよの冬子の 友だち然り、「お花畑自身」の若い女性然り。 十三月怪談は、泣けた。 時子と潤一で、起きたことが違うので、 どちらが「ほんとう」なのかと思う。 たぶん、普通に考えれば「生きている方」に 起きたことが本当なんだろうか。 時子が安心してどこか(輪廻のサイクルとか 天国とか?)に行けるように、生きていた頃と 決別できるようにという、誰かからの配慮なのか。 それぞれの話自体に繋がり(短編集のテーマ) をあまり感じないなと思っていたのだが (何話かに通底するのは震災)、よくよく考えると それぞれが、何かからの「決別」の過程を描いている ととれる。

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2014/02/26

川上未映子特有の爆発感はあまりなく、インパクトとしては少し物足りない。ただ、恋愛が変愛と表裏一体であり、かつ愛おしいもののように思えるお話たち。

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2014/02/21

川上未映子の小説は、ぬるいお湯に浸かっているような気分になる。頭の中に水が流れこんで、脳みそを揺らしている。気分が悪いような、良いような、酔っ払っているような、目が冴えるような、不思議な気分。

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