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鳥類学者 無謀にも恐竜を語る の商品レビュー

4.2

87件のお客様レビュー

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2015/04/23
  • ネタバレ

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恐竜学は、生活に余裕がないと発展できない、平和のバロメータのような分野なのだ。(p.29) 鳥は、あまり眼球を動かすことができない。このため、眼球の移動により、窓際の美人の姿を固定することができない。そこで行っているのが首振りだ。眼球の代わりに、首全体を風景に対して固定するのだ。体との位置関係を見ると、頭を振っているように見えるが、それは、あくまでも空間に対する頭の固定といえる。(p.192) 化石証拠から得られる恐竜の外見や行動に関する情報は、極めて断片的である。それは必ずしも実態の縮図とはなっておらず、残りやすい条件をもった形質のみが偏って残されたものと考えられる。行動を孕んだ化石が存在する以上、その行動が実在したことはまちがいないだろう。しかし、それが恐竜の実情を伝えているかどうかは、また別の問題だ。直接の子孫たる鳥類の現状から類推すると、恐竜の生活もまた多様性に富むものであったと想像できる。しかし、そのことを証明する化石は、もしかしたら未来永劫見つからないかもしれない。(p.225) 肉食恐竜は、支配者である。地上でボヤボヤしている動物は、もれなく食べられてしまう。当時の世界で、彼らから逃げるというのは、最大で不可欠な日課であっただろう。ほかの動物の地上活動を制限するという役割は、多種の進化に大きな影響を与えてきた。(p.235) 生態系のなかで、大きな機能をもったグループが突然姿を消すと、その影響で種間関係のバランスが崩れ、一時的に混乱が起きるだろう。もちろん、種間相互作用の連絡を絶たれて、絶滅する種も多いはずだ。しかし、増えすぎた種に対しては新たな捕食者が反応し、使われなくなった資源は、それを利用する新たな生物の適応放散による進化を促すことになるだろう。結局のところ、生態系内で占められるべき地位は、異なる生物に置き換わり、混乱は収束し、異なる生物相をもつ安定した生態系が訪れることになる。(p.264-5)

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2015/02/19

面白かった!NY〜LAのフライト機中(6時間)で一気読み。 迂闊にも知らなかったのですが、HONZでしょうか?で一昨年の発売時に絶賛されていたようですね。ですので、ご存知の方も多いかと思いますが、まだ読まれていないようでしたら超絶オススメです。 これぞ科学的仮説の設定とその検...

面白かった!NY〜LAのフライト機中(6時間)で一気読み。 迂闊にも知らなかったのですが、HONZでしょうか?で一昨年の発売時に絶賛されていたようですね。ですので、ご存知の方も多いかと思いますが、まだ読まれていないようでしたら超絶オススメです。 これぞ科学的仮説の設定とその検証。近年の恐竜に関する研究の進展は急なものがありますが、鳥類は恐竜の仲間だというのはもはや定説になりつつあります。ならば、鳥類学者が「恐竜が鳥の親戚あるいは祖先だとすると、こういった点はどうだったのだろうか?」と仮説設定してそれを検証していく、大真面目な内容。しかし、語り愚痴がとても軽妙。楽しすぎる。 もちろん、著者も断っているように、本書は恐竜学の本ではないので内容には偏りがある訳ですが、それで良いのです。 無類に面白い。オススメ。

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2015/02/03

鳥類は恐竜起源。 羽毛恐竜の羽毛は、飛翔のために進化したのではない。 皮膜より羽毛のほうが飛行器官としては優れている。軽いし(羽毛が乾燥しているのに対し、皮膜は血が通っているため重い。また、一枚ではなく重なった構造になっているため、翼を持ち上げるときに空気抵抗が小さくなる。尾羽は...

鳥類は恐竜起源。 羽毛恐竜の羽毛は、飛翔のために進化したのではない。 皮膜より羽毛のほうが飛行器官としては優れている。軽いし(羽毛が乾燥しているのに対し、皮膜は血が通っているため重い。また、一枚ではなく重なった構造になっているため、翼を持ち上げるときに空気抵抗が小さくなる。尾羽は捕食者に押さえられても抜けるので、トカゲの尻尾切りと同じ効果がある。

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2014/11/30

「ドラえもんの『のび太の恐竜』で主役を演じ切ったピー助は、残念ながら恐竜ではない」先生、そんな本当のこと書くなんて大人気ないです。タイトルに「無謀にも」とある通り全編に渡り脱線と小ネタに溢れた脚注が加えられて、科学入門書としてはありえない面白さがある。とはいえ、鳥類がティラノサウ...

「ドラえもんの『のび太の恐竜』で主役を演じ切ったピー助は、残念ながら恐竜ではない」先生、そんな本当のこと書くなんて大人気ないです。タイトルに「無謀にも」とある通り全編に渡り脱線と小ネタに溢れた脚注が加えられて、科学入門書としてはありえない面白さがある。とはいえ、鳥類がティラノサウルスを代表とする獣脚類から派生しているというのは知らなかったし、最近の説では羽毛を生やしている恐竜も存在していたとされているのは驚きだった。豊富なイラストとゆるゆるな文章もあって、誰にでも進められる生物入門書と言えるだろう。

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2014/10/26

おもしろかった。ところどころちりばめてある、箸休め的な文章もくすぐりが利いて面白い。 もちろん、本題も読み応えがあり楽しい内容になっていて、鳥好きも、恐竜好きも楽しめる一冊になってました。 お薦めです。

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2014/09/17

「1824年に巨大爬虫類としてのっしのっしと歩きはじめた恐竜は、いつしか尾を支えとして2本足で立ち上がり、やがて尾を上げて駆け巡り、今では羽毛にまみれる日々だ。わずか180年の間に、とんでもない成長を遂げている。 この勢いで行けば目から怪光線を発する日も遠くない。」 全編こんな...

「1824年に巨大爬虫類としてのっしのっしと歩きはじめた恐竜は、いつしか尾を支えとして2本足で立ち上がり、やがて尾を上げて駆け巡り、今では羽毛にまみれる日々だ。わずか180年の間に、とんでもない成長を遂げている。 この勢いで行けば目から怪光線を発する日も遠くない。」 全編こんな調子。小ネタに脱線話が満載だ。ふざけた文章が気にならなければとっても面白い。 鳥類学者が描く恐竜学。恐竜学の変遷とはイコール発掘の歴史だ。ゴジラが好きな子供だったから当然恐竜は好きでした。恐竜図鑑も持ってました。 この本にも書いてあるように昔はブロントザウルスがいたし、ティラノザウルスはゴジラ的立ち姿でした。尻尾も含めた3点支持ですね。 今はどうでしょう、物凄い進歩(変化?)です。それだけ発掘が進んだという事なんでしょうけれど、Rエメリッヒ版ゴジラが不評だったようにあまり真実を知りたくない気もします。 ゴジラが羽毛まみれになったらどうする?

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2014/08/02

この本の面白さのかなりの部分はその語り口にある。ネタや突っ込みどころ満載で饒舌である。これは、好きな人と嫌いな人が出てくるかも。それ以外に、わりと最近の研究成果をもとにした、研究者自身によるライブ感あふれる語りであることも面白い。この点は誰でも面白いと思えるだろう。 大栗先生の著...

この本の面白さのかなりの部分はその語り口にある。ネタや突っ込みどころ満載で饒舌である。これは、好きな人と嫌いな人が出てくるかも。それ以外に、わりと最近の研究成果をもとにした、研究者自身によるライブ感あふれる語りであることも面白い。この点は誰でも面白いと思えるだろう。 大栗先生の著作もそうだし、解説者による著作だけでなく、最先端の研究者自身による著作が増えている傾向を感じる。とても良いことだし、面白い本が多い。

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2014/05/17

鳥類が恐竜から進化してきたことはもはや常識。であるならば、鳥類学者が恐竜のことを語ってもいいではないか、いいということにしよう、もうオレいっぱいいいたいことあるんだもんね、という本。鳥のことも恐竜のことも、いろいろわかってお得。たとえば「恐竜から進化したのに、鳥にはくちばしがつい...

鳥類が恐竜から進化してきたことはもはや常識。であるならば、鳥類学者が恐竜のことを語ってもいいではないか、いいということにしよう、もうオレいっぱいいいたいことあるんだもんね、という本。鳥のことも恐竜のことも、いろいろわかってお得。たとえば「恐竜から進化したのに、鳥にはくちばしがついてるのはなぜ?」とか、恐竜にもあったとされる羽毛がいかに画期的な発明だったかとか。イラストも豊富でわかりやすく、おもしろい。

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2014/04/23
  • ネタバレ

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面白い、鳥類との比較しつつ色々な観点で恐竜を分析している。大きかったり変わった生態だったり、当たり前ですが色々な恐竜がいたということを教えてもらいました。 作者の口調が軽いですが気になりませんでした。

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2014/04/13
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※このレビューにはネタバレを含みます

図鑑を見ると本ごとに違った色をしている恐竜が、本当は何色だったかなんて改めて考えたことは無かったかもしれない。でもやっぱり、白色の恐竜が本当にいたらいいなと思う。

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