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鳥類学者 無謀にも恐竜を語る の商品レビュー

4.2

87件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    33

  3. 3つ

    10

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2014/02/04

Honzの成毛代表が1ページに一回笑える、通勤電車で読んではいけない、などと大絶賛した一冊。 ナンセンス系の笑いではなく、豊富な知識に裏打ちされたユーモアのスタイル。前書きから全開でぶっとばしている。 ○世の中には2種類の人間がいる。恐竜学者と鳥類学者だ。そして、私は鳥類学者...

Honzの成毛代表が1ページに一回笑える、通勤電車で読んではいけない、などと大絶賛した一冊。 ナンセンス系の笑いではなく、豊富な知識に裏打ちされたユーモアのスタイル。前書きから全開でぶっとばしている。 ○世の中には2種類の人間がいる。恐竜学者と鳥類学者だ。そして、私は鳥類学者だ。それ以外の人は?…些細なことは気にしないでいただこう。 ○半身浴をしながら地面に這いつくばるワニと、二足歩行で悠々と闊歩する恐竜を同じ俎上で議論することには、誰しもいささかの疑問を感じていた。そこに、直系の子孫である鳥類が登場したわけだ。「あなたの子供よ」と突然現れる美人恐竜学者とその腕に抱かれるニワトリ。目に見えてうろたえるティラノサウルス、という一幕が頭によぎる。モンタギュー家とキャピュレット家の和解ほどの衝撃的できごとである。

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2013/12/23

 鳥は恐竜の子孫であるということを聞いたことがある、という程度の知識のある人が読むのにちょうどいい恐竜本である。化石からしか恐竜のことは分からないが、発掘はどこかでおこなわれ研究が進むにつれ、新しい解釈がなされ恐竜の実態は変わってくる。昔の本とは、想像図も大きく異なっているようだ...

 鳥は恐竜の子孫であるということを聞いたことがある、という程度の知識のある人が読むのにちょうどいい恐竜本である。化石からしか恐竜のことは分からないが、発掘はどこかでおこなわれ研究が進むにつれ、新しい解釈がなされ恐竜の実態は変わってくる。昔の本とは、想像図も大きく異なっているようだ。  筆者は鳥類の研究者なので、本書も鳥と関連する記述が多いが、バックボーンがしっかりしているせいか考察もうなずけるところが多い。恐竜の羽毛、声、色などなど現在の解釈もたいへんおもしろい。ややアニメタッチのイラストや、くだけ過ぎの語り口がうざく感じるときもあるが、全般的には読みやすくひろく一般向けである。

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2013/10/17

文体が(時々滑っているけど)面白いからって侮ってはいけない、これはかなりマニアック向けだ!「ある程度の恐竜の知識ありき」前提の本だ、そして面白い!!特に「白い恐竜」のくだりは興味深かった!!それからフタバスズキリュウが幼少期の強烈体験になっているのはみんな一緒なんだなあと感慨深い...

文体が(時々滑っているけど)面白いからって侮ってはいけない、これはかなりマニアック向けだ!「ある程度の恐竜の知識ありき」前提の本だ、そして面白い!!特に「白い恐竜」のくだりは興味深かった!!それからフタバスズキリュウが幼少期の強烈体験になっているのはみんな一緒なんだなあと感慨深い。思えば自分もそこから恐竜好きを拗らせた気がする。

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2013/10/12

現代では、恐竜はワニやカメよりもトリの方に近い動物であったと考えられている。それならば、私の出番だとばかり、恐竜について筆をとることになった鳥類学者。おそよ、学者らしからぬ軽妙で気の抜けた文章。恐竜をガンダムにたとえたり、「飛べない鳥は、ただの鳥か?」のようなジョークに満ちた副題...

現代では、恐竜はワニやカメよりもトリの方に近い動物であったと考えられている。それならば、私の出番だとばかり、恐竜について筆をとることになった鳥類学者。おそよ、学者らしからぬ軽妙で気の抜けた文章。恐竜をガンダムにたとえたり、「飛べない鳥は、ただの鳥か?」のようなジョークに満ちた副題を付ける。恐竜学というより、恐竜よもやま話の本として読める。 人類は地球上に登場してわずか20万年。一方の恐竜は1億数千万年を生き続けた。そして、今は跡形もなく絶滅してしまった。それだけでロマンをかき立てられる生き物だ。そんな恐竜の面影を鳥に見た小笠原諸島にひっそりと暮らす鳥類学者の恐竜愛がつまっている。

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2013/10/12

面白すぎます。夢中になって一気に読んでしまいました。 どこを開いて読んでも、非常に簡潔なロジックで書いて下っているので、時々ぱらぱらと読むだけでも、楽しめると思います。

Posted byブクログ

2013/09/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ある専門家の立場から見ると」という 立ち位置をしっかりさせたコンセプトが 本に一貫性を与えていて とても読みやすかった。 文体もシニカルで、研究者らしさが伝わってきて好感を持てた 本来つながるべき鳥類学と恐竜学のギャップが 「鳥類学者」という切り口から鮮明になる。 ・生物そのものが観察できる鳥に対して骨格や痕跡しか残っていない恐竜の難しさ。 ・羽毛や体表・色など想像だったものが統一されるかもしれない面白さとつまらなさ ・なぜ恐竜学は鳥類学より圧倒的に一般に人気なのか(嫉妬?) 専門家が専門分野についてモノ申すのは論文でやっているので 他分野に妄想を広げ、独自の一貫した立場から楽しむ、 というこの本の形式は 科学エンターテイメントとして もっと広げてほしいと思った。 逆に言うと 自身の専門分野を持たない 立場のフラフラした評論家は駆逐されるのでは、 とも思えた。

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2013/09/10

 う、うーん。前評判のあまりの高さに期待が大きすぎたってのはある。  1つ1つのコンテンツが短くて、読み込むというよりは流し読むとなってしまったのが残念。もう少し掘り下げて……って恐竜のプロではないから厳しいのかな?  けれども、作者さんの前のめりな語り口調というか素敵文体と言...

 う、うーん。前評判のあまりの高さに期待が大きすぎたってのはある。  1つ1つのコンテンツが短くて、読み込むというよりは流し読むとなってしまったのが残念。もう少し掘り下げて……って恐竜のプロではないから厳しいのかな?  けれども、作者さんの前のめりな語り口調というか素敵文体と言うのは実に見事で一つの芸風である。素晴らしい。  鳥類についてこの調子で次回作もあったりするんだろうか、気になる。  いやむしろ既存の作品を読むべきかもしれない。

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2013/09/08

星五つ! めちゃめちゃオモロイ! 内容もさる事ながら、文章がすごくイイ。 こんなに笑えるノンフィクションを読んだの始めて(^-^)/ オススメです

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2013/09/01

鳥が恐竜から進化したことはほぼ定説になっているらしい。そう言えば「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」ですっかり納得していた・・・しかし、さらに言うと現生鳥類は分類としては恐竜の一派に含まれている。恐竜とは何か?最近の本ではわざわざ”非鳥類型の恐竜”のことを恐竜と呼ぶと断ってるらしい。こ...

鳥が恐竜から進化したことはほぼ定説になっているらしい。そう言えば「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」ですっかり納得していた・・・しかし、さらに言うと現生鳥類は分類としては恐竜の一派に含まれている。恐竜とは何か?最近の本ではわざわざ”非鳥類型の恐竜”のことを恐竜と呼ぶと断ってるらしい。この本ではわざわざ以下のように断っている。 「恐竜は鳥も同然である。このことこそが、この本のテーマであり大前提である。今からでも遅くない、この大前提にい賛成できない読者は、庭で飼育しているヤギにこの書籍を食べさせた末に、ヤギ乳でも飲み、健康増進に邁進すればいい。」 恐竜の特徴はいくつかあるが、例えば脚のつきかたが体幹から下向きについていること。爬虫類や両生類との大きな違いで2足歩行が可能になるための条件でもある。一般的には恐竜の仲間と思われている翼竜や首長竜や魚竜はこの定義には当てはまらず、鳥類はあてはまる。もう一つの大きな違いは呼吸器で気嚢を持っていること、これも鳥への進化の大きな証拠になっている。つまり鳥は分類学的にはプテラノドンよりもT−レックスに近いのだ。鳥の特徴にはクチバシも有るがこれは恐竜にはない。前肢が翼として進化した結果、手の機能はクチバシの進化で補ったようだ。 恐竜が生きたジュラ紀から白亜紀は現代よりも気温が高かった。また、三畳紀末には酸素濃度が大きく下がり、大量絶滅期を生き残ったのが恐竜の先祖なのだが、恐竜が大型化できたのは軽くて丈夫な骨格、高効率の呼吸器などその後鳥への進化のベースがもう出来はじめている。ここらあたりは本書では触れられておらず、一番上に紹介した本に詳しい。 本書では恐竜はどんな色をしていたか、鳴いたか、卵をあたためたか、夜行性か、恐竜のゲップは温暖化に影響したかなどなど恐竜の生活をいろいろ想像しているのだがとにかく証拠となるのが化石しかないのでそこは想像で補うのだ。読者には一般的な科学書のように「ほんまかいな?」と疑問の目を向けるのではなく矛盾はスルーして「そうだったら面白いね」と協力的に読むようにお願いしている。想像の根拠は鳥がなぜそう言う色なのかとか夜行性の鳥は目を発達させるか退化させるかのどちらかだとかちゃんと根拠はある。また、羽毛恐竜の羽根の色は化石に残る色素からそれなりに証拠はでている。鳥のような羽毛はかなり後から出来ておりどうも初期の羽毛は産毛のようなものだったようだ。ひよこの毛を持った恐竜か、かわいいかも。始祖鳥は飛べるのかという疑問に対しては「あの格好で飛べなかったら詐欺だ」と一蹴している。 それにしても子供の頃みた恐竜図鑑の常識はどうやら非常識になってしまったらしい。もはやブロントザウルスはいない。それ以前に名前のつけられたアパトサウルスと同じ種だと言うことになり名前が消えてしまったのだ、う〜む。ティラノサウルスも危うく消えかかる所が①古い名前(この場合マノスポンディルス)が1899年以降に使用されていない、②新しい名前が、過去50年の間の10年間に10人以上の著者により25本以上の著作で使用されていると言う例外規定で救われた。いや〜良かった。またイグアノドンの鼻の上の角はないらしい。 本書の楽しみは豊富なイラストや注釈とほぼ毎ページに及ぶヨタの数々。例えば翼竜がもう一度地上に降りて進化したヨクナシヨクリュウと言う想像上の生き物が美女を咥えてるイラストなんかはシュールで素晴らしい。wikiの画像検索でTシャツになってるのが見つかります。

Posted byブクログ

2013/08/16

羽毛恐竜の発見等さまざまな発見から鳥類の恐竜起源説は、ほぼ間違いないらしい。そこで、鳥類学者が化石が残りにくいために解明されていない恐竜体の身体の色、鳴き声、歩き方、渡り、巣の作り方、子育て、歩き方等を鳥類に関する知識に基づいて再現を試みている。将来、証拠が出る可能性が低いので、...

羽毛恐竜の発見等さまざまな発見から鳥類の恐竜起源説は、ほぼ間違いないらしい。そこで、鳥類学者が化石が残りにくいために解明されていない恐竜体の身体の色、鳴き声、歩き方、渡り、巣の作り方、子育て、歩き方等を鳥類に関する知識に基づいて再現を試みている。将来、証拠が出る可能性が低いので、いい加減なプロファイリングでもばれないと思うが、かなり真面目に取り組んでいる(多分)。ギャグがちりばめられた個性的な文章で語られる内容は、とびきり面白い。帯に生物ミステリー創刊とあるが、続刊が楽しみである。

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