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人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか の商品レビュー

4.2

122件のお客様レビュー

  1. 5つ

    39

  2. 4つ

    46

  3. 3つ

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2013/08/13

著者の「意図して中庸であろう」という意識が伝わってくる。それは、「知らない」ということを知っていて、その状態で決めつけることがどれほど危険かを知っているからだろう。 この点に関しては、非常に共感することができた。しかし、教育分野に関する考察は甘いように感じた。これは、私の持ってい...

著者の「意図して中庸であろう」という意識が伝わってくる。それは、「知らない」ということを知っていて、その状態で決めつけることがどれほど危険かを知っているからだろう。 この点に関しては、非常に共感することができた。しかし、教育分野に関する考察は甘いように感じた。これは、私の持っている価値観とことなっているということがベースになっているのだろう。 しかし、考え方を見直すという点において、よく練られた本であったと思う。

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2018/11/12

重要なことは「人間はそんなに単純なものではない」ということ。言動は時と場合によって変わる、考え方もタイプもずっと同じではない。揺れ動いているのが普通である。さらに、深い考えをする人間ほど、なかなか本心というものはわからない。どう見せようかという事を考えて行動しているため、言動から...

重要なことは「人間はそんなに単純なものではない」ということ。言動は時と場合によって変わる、考え方もタイプもずっと同じではない。揺れ動いているのが普通である。さらに、深い考えをする人間ほど、なかなか本心というものはわからない。どう見せようかという事を考えて行動しているため、言動から類推できることはあくまでも作り物、演じられている外交的な型でしかない。そういう人は、場合によって全く違うタイプになることがあって、あたかも多重人格者のようにも観察されるが、それは、こちらの見方が部分的だから起こること。 重要なのは「決めつけないこと」抽象的にぼんやりと捉えることで、決めつけないという基本的な姿勢を変えない。 「悩み」について、悩ましいものを自分で見つけたことが、その人の能力であり、その発見にまず一番の価値がある。・・・この文章は、悩み多き私に大きな勇気を与えてくれる。 昔、私が中学生のとき、美術の先生が、絵を描く時には「目を細めて対象物を眺めるといい」と教えてくれた。これは、具体的にものをみないで大雑把にものを見つめると輪郭から全体像を把握しやすいということだったと思う。 具体的に詳細に物事を見るのは機械でもできる。人間の人間たるゆえんは「~のような」大きな把握をして「だいたい」のフォルダに入れるとお互いの事柄がリンクしやすいのかもしれない。 ー歳をとると自分に無縁なものが増えてくるし割り切れるようになる。予感や願望だけの「美しさ」は無益な物として排除される。ついにはもう毎日の自分の身の回りの損得しか考えなくなる。考えるというよりも、ただ「こっちが得」だというせんたくをしているだけにすぎない。犬や猫でもできる判断と同レベルであるー という文章は痛烈なインパクトだ。「犬猫と同じ」 「目を細めてみる」ことにヒントが多く隠されている。 「具体的に見ない」ことが

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2013/08/01

様々な問題について、著者の持論が述べられている。 論理的に物事をとらえる著者らしく、原発問題についても建設的な意見が述べられている。

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2013/08/01

座右の銘が「拘らない」という著者には世捨て人のニヒリズムが漂うので、吸い込まれていく若い人も多いのだろうなと思う。が、中年以上には「経済的自由を得たから酔狂な事言って余裕かましてるだけだろ?」と50歳でアーリーリタイアした著者に反発する人もいるかもしれない。(年を取ると損得ばかり...

座右の銘が「拘らない」という著者には世捨て人のニヒリズムが漂うので、吸い込まれていく若い人も多いのだろうなと思う。が、中年以上には「経済的自由を得たから酔狂な事言って余裕かましてるだけだろ?」と50歳でアーリーリタイアした著者に反発する人もいるかもしれない。(年を取ると損得ばかりを考えて具体的情報にばかり飛びつき右往左往し、客観的・抽象的思考ができなくなるには納得。)まあこれも人間を「型」にはめている事に他ならないのだが。 自殺する人の思考は主観的で具体的であり、自分を救うためには客観的・抽象的思考をせよとの事。が、客観的・抽象的思考をするための方法はなく教える事もできない。で、疑え、想像しろ、連想しろ、創作しろといったアドバイスというかヒントに留まっている。が、抽象的に見るために客観性を増して遠望する先にあるのはニヒリズムである。著者は人生の目的は虚しさを知ることであり、ニヒリズムと親しむ事で死を考える事により生も考え、結果人生が楽しくなるとまでいう。これはまさに逆転の発想力がなせる業であり、こういうところが著者の魅力なのだろうが、ちょっと読者を突き放しにかかっているように感じた。 が、抽象的思考は発想に必要であり、解決に必要なのは論理性であるとの記述で現実的な話になりちょっと安心した。こここは学校の先生らしい。文系は理系より論理的にも納得。理系に必要なのは論理の前の発想だからだ。この全く異なる発想と論理の思考方法をバランスよく身につけるために「庭を耕せ」という事だろう。今後の教訓としたい。

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2013/07/07

キレの良い論調に、この1冊で一気に森博嗣のファンになった。具体的な時代に置いて、抽象的とは何だ? 素晴らしい考え方に、抽象的に生きる美しい生き方を実践してみようと思う。 原発は賛成か?反対か?身近な問題にどんな考え方をもとに思考を巡らすか、考えるだけでもワクワクする。

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2013/06/29

新書第9段。 これまでの中で一番考えさせられた。考え方や物の捉え方を見つめなおすきかけに。 「抽象的なものよりも具体的なものの方が良い」という固定概念。学校教育では特に「具体的には」という言い方を多用し、そこにあたかも重要な情報があるかの如く教えられてきた。 しかし、仕事では、細...

新書第9段。 これまでの中で一番考えさせられた。考え方や物の捉え方を見つめなおすきかけに。 「抽象的なものよりも具体的なものの方が良い」という固定概念。学校教育では特に「具体的には」という言い方を多用し、そこにあたかも重要な情報があるかの如く教えられてきた。 しかし、仕事では、細部にこだわらない抽象的視点が大事になる場面が多い。細部に拘っている人ほど、本質を見逃す。 そのための訓練法としての思考の飛躍。「意味なしジョーク」はその一部かな? 「これはちょっと思いつかないな、という喩えが優れている」

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2013/06/22

具体的な思考で、積み木を拾ってくる。(人に訊いたり、調べたり) 抽象的な発想で、積み木を生み出す。(頭の「庭」にて) 具体的な思考で、積み木を一段ずつ積み上げていく。(=論理的思考) 抽象的な発想で、積み木を一発崩してみる。。 「考える」とは、それらの螺旋。 という、イメージ...

具体的な思考で、積み木を拾ってくる。(人に訊いたり、調べたり) 抽象的な発想で、積み木を生み出す。(頭の「庭」にて) 具体的な思考で、積み木を一段ずつ積み上げていく。(=論理的思考) 抽象的な発想で、積み木を一発崩してみる。。 「考える」とは、それらの螺旋。 という、イメージで、物事を把握することが、抽象的な思考、なのか?

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2013/06/22

こちらを読了。 著者本人がもともとつけた原題は『抽象思考の庭』だったそうだ。なるほど、その題であれば中身そのまま。最終的に編集部がつけた題と中身は今ひとつマッチしていないが、こちらの方が売れるだろう。(笑 「抽象思考」の必要性というか大切さは私もつとに感じていること。企画なんて業...

こちらを読了。 著者本人がもともとつけた原題は『抽象思考の庭』だったそうだ。なるほど、その題であれば中身そのまま。最終的に編集部がつけた題と中身は今ひとつマッチしていないが、こちらの方が売れるだろう。(笑 「抽象思考」の必要性というか大切さは私もつとに感じていること。企画なんて業務を担当していると尚更。一度、思考をこの「抽象」レベルに飛ばせるか否かは非常に重要なスキルあるいは資質なのだけれど、これを教えるのはなかなかむつかしい。ただ、これが出来る人と出来ない人がいることも確か。出来ない人と話をしているとどうもフラストレーションが溜まってしまっていけない。…と、話が余計な方向へ行ってしまった。 森博嗣さん、いいですね…

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2013/06/18

ロジカルに物事を考える一方で冷めてない森博嗣は魅力的。 ただ本の構成がロジカルでなく書き殴った印象が残念。 それも考えさせるための彼なりのメッセージなのかはわからん。

Posted byブクログ

2013/06/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

抽象的、客観的思考のすすめ。 実行のために、具体化の思考の大切さが強調される風潮にあって、手段としての実行を見極めるには、本質としての目的を理解する抽象化、客観化が大切だとする主張は大いに肯ける。 ただし、このようにすればそのような見方考え方ができるという安直な答えはなく、何となく地道に心の庭造りを続けること、暗喩をイメージしてみる習慣。 著者の原発や津波に関するフラットな見方にも好感が持てた。 13-83

Posted byブクログ