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想像ラジオ の商品レビュー

3.6

348件のお客様レビュー

  1. 5つ

    61

  2. 4つ

    101

  3. 3つ

    92

  4. 2つ

    34

  5. 1つ

    8

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2016/02/09

たとえ上手のDJアークのテンポ良い語り口でスラスラ読めました。すごく読みやすいし、情景を想像できた。 私は、第2章のボランティアの話に考えさせられました。 死者の声を、想像することと、理解することは全然違っていて。 想像した死者の痛みを理解した気になって悼むことは違うと思った。...

たとえ上手のDJアークのテンポ良い語り口でスラスラ読めました。すごく読みやすいし、情景を想像できた。 私は、第2章のボランティアの話に考えさせられました。 死者の声を、想像することと、理解することは全然違っていて。 想像した死者の痛みを理解した気になって悼むことは違うと思った。理解したと感じた時点で、彼らを綺麗事の一部にしてしまう気がする。 でも、想像した痛みを知り、忘れないでいることは大事なんじゃないかなぁ。 それに、生者が死者の痛みを理解できないように、死者も残された生者の痛みを理解できないと思う。死者だって、DJアークのように遺してきた美里と草助の痛みを、あの世で想像してるかもしれない。 なんだか頭がこんがらがってきたので、今度ゆっくり読み直します。

Posted byブクログ

2016/01/09

題名から想像していた内容とは全く異なる重いテーマの話。経験していない人には確かに本当には理解できない、だとしても何ができるかを考えるのは意味があるはず。何を記憶して伝えないといけないんだろう?考えさせられる。

Posted byブクログ

2016/01/01

生まれて生きて死ぬ。ただのひと連なりの現象に過ぎないはずなのに、なぜ人は死を悼むのだろう。なぜ届かないとわかっていて届かない彼岸に呼びかけるのだろう。虫けらのようにコロリと死んで何事もなかったかのように土に還っていけたならどれだけ気が楽か知れないのに。──神様の気まぐれか、未曾有...

生まれて生きて死ぬ。ただのひと連なりの現象に過ぎないはずなのに、なぜ人は死を悼むのだろう。なぜ届かないとわかっていて届かない彼岸に呼びかけるのだろう。虫けらのようにコロリと死んで何事もなかったかのように土に還っていけたならどれだけ気が楽か知れないのに。──神様の気まぐれか、未曾有の災害に攫われた命が投げる届けたい呼びかけと此岸の我々を繋ぐのは、一縷の絶えざる想像力だけ。狂おしく胸を掻き毟るような渾身の想像力だけが、何が自分を今ここに繋ぎ止めているのかを「聴かせて」くれるだろう。

Posted byブクログ

2015/12/06

ずっと気になっていた小説。あの311がこのようなフィクションの物語になるとは。 すべて会話形式で書かれているので読みやすい。 ボランティアの人たちの会話が心に残るかなぁ。

Posted byブクログ

2015/12/06

死と生のリンク。溶けていく境界線。小説を読むと言うよりドラマや舞台を見ているように感じました。足を踏み入れることを禁じられたあの場所で、眠っている人はまだいるのかもしれない。あの日のこと、同時に生々しく思い出しました。ボランティアに関しての意見も色々あるとは思いますが、忘れずにい...

死と生のリンク。溶けていく境界線。小説を読むと言うよりドラマや舞台を見ているように感じました。足を踏み入れることを禁じられたあの場所で、眠っている人はまだいるのかもしれない。あの日のこと、同時に生々しく思い出しました。ボランティアに関しての意見も色々あるとは思いますが、忘れずにいることくらいは許してもらえますよね?

Posted byブクログ

2015/11/26

実際に起きたある事柄に関するフィクション。フィクションと言い切っていけないかも知れない。 基本的には、あるDJのナレーションとリスナーからのお便りなどを通して物語が進行する。訓話のようだけど説教臭くなくて楽しめる。 また読み手によっては、その事柄を冒涜しているように感じる恐れがあ...

実際に起きたある事柄に関するフィクション。フィクションと言い切っていけないかも知れない。 基本的には、あるDJのナレーションとリスナーからのお便りなどを通して物語が進行する。訓話のようだけど説教臭くなくて楽しめる。 また読み手によっては、その事柄を冒涜しているように感じる恐れがあるギリギリの線を狙った意欲作。 誰が話しているのか分かり難く、段々とその関係性が明らかになっていく場面があるので、飛ばし読みすると楽しめないと思う。 ネタバレするとつまらないのでこれ以上は書きません。 想像したい人にオススメです。

Posted byブクログ

2015/10/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ボランティアに加わるメンバーで、悲しみの共有についてそれぞれの考えをぶつけ合う場面が印象的だった。ふざけた人も、明らかに間違ってる人もいない。でも激しく現れる差異。 そうだった、3.11のあとは水の買い占めも、放射能の影響も、みんなが真剣に考えて、でも正しい選択肢なんか無くて、どうするべきかをそれぞれに必死に考えたのだった。 でも、今目の前にいない人(それは、生死に関わらず)を一生懸命想像し、悲しむことで解を探ることができたのかも、と本を読んで思った。 第4章を読んでるときに鳥肌を立てた。 読みながら、後で繋がっていく感じが、伏線が単に繋がっていくだけでなく、思いが繋がっていくようで、一つずつすくわれた。 未来とか希望とか勇気とかで濁さず、悲しむべきときにきちんと悲しむこと。

Posted byブクログ

2015/10/14

よく解らなかったな。 3.11の大震災で突然亡くなった人たちの声ということなんだろうか?こういうのは、個人の死生観もあることだし、どっちにしても合わない。 本の帯には、「今、文学だからできること。」、「かつてない大反響」なんて書かれているけど、それほどのモノなのかなぁ。自分が冷...

よく解らなかったな。 3.11の大震災で突然亡くなった人たちの声ということなんだろうか?こういうのは、個人の死生観もあることだし、どっちにしても合わない。 本の帯には、「今、文学だからできること。」、「かつてない大反響」なんて書かれているけど、それほどのモノなのかなぁ。自分が冷めているだけなのかとも思うけど、こればっかりはどうしようもないしなぁ。 3.11の大震災で突然亡くなった人たちの声・・・という事は、あの震災が無かったらこの小説は成り立たなかった訳で、そういうのも自分の好みじゃない。 ところどころキラリと光る描写があったりするんだけど、もったいないよな。3.11にフォーカスせずに、病死とか事故死とか「死」そのものを広く扱った「死者」を描けば、もっと良かったんじゃないかと思うけどな。 ☆3個

Posted byブクログ

2015/09/24

震災の死者を悼む気持ちから書かれた作品なのでしょう、 それこそ生者である著者が出来る限り、ぎりぎり限界まで、 震災で亡くなった人や遺族の気持ちを想像して作られたのだなとひしひしと緊張感が見え隠れします。 小説として面白いなどとは、中々言いに辛いです。 第二章が考えさせられました...

震災の死者を悼む気持ちから書かれた作品なのでしょう、 それこそ生者である著者が出来る限り、ぎりぎり限界まで、 震災で亡くなった人や遺族の気持ちを想像して作られたのだなとひしひしと緊張感が見え隠れします。 小説として面白いなどとは、中々言いに辛いです。 第二章が考えさせられました。 ボランティアは大切だけど、どうなんでしょう? どの面提げて「大変でしたね、頑張って」なんて 云えるんでしょうか? 一時金融機関がパンクする程義援金が集まりましたが、 今は何ともありませんし、 あれって一体何だったのだろうか。ブーム? あの時も物凄く色々考えた筈なんですが、 この第二章にコンパクトに書かれていて、 ああ、こういう疑問は本当はちゃんと話し合わなきゃ いけなかったんじゃないかなとか反省してみたり。 色々な名曲が登場してくるので、 ワタシもイヤホンを耳に入れながら 紹介される曲を再生しながら読みました。 色々な意味で、○○大賞だとか ちゃらっとしたモノ獲らなくて良かったような気もします。ごめんなさい。

Posted byブクログ

2015/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読む前は、頭の中でチューニングが合って、聞こえる人には聞こえるラジオ番組の中で、リスナーとのやりとりがあったりするような、不思議でほんわかした世界観のお話かと思いきや(そういった雰囲気もあるけど)、東北の震災や、人の死が絡んできたりして、意外とシリアスなお話でした。

Posted byブクログ