ガソリン生活 の商品レビュー
さすがにこの作品も伊坂ワールド全開でしたね!車がおしゃべりするという発想が面白かったですし、車の持ち主が皆、まさに伊坂幸太郎作品によく登場してくる個性的な面々であり、その持ち主が巻き起こす(巻き込まれる)事件というのが人と車それぞれの視点で展開されていくところが非常に面白かったで...
さすがにこの作品も伊坂ワールド全開でしたね!車がおしゃべりするという発想が面白かったですし、車の持ち主が皆、まさに伊坂幸太郎作品によく登場してくる個性的な面々であり、その持ち主が巻き起こす(巻き込まれる)事件というのが人と車それぞれの視点で展開されていくところが非常に面白かったです。 以前、宮部みゆきの作品で財布視点で事件が展開する小説がありましたが、作風はまったく違いますし、こちらの作品のほうがかなり内容はライトです。 今回の作品では大人びた子供の亨という登場人物が個人的には一番好きなキャラクターですね。 映像化されたら面白いと思いますが、さすがに車視点というのは描きづらいかもしれませんね。
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車が語り手ときいて、最初はびっくりしたんですが、そんな一風変わった書き方でもすらすら読ませる伊坂先生はやっぱりすごいなー。読みやすくて面白かったです。 最後の最後にすごくほっこり。良い読後感でした。 自分はまだ未成年ですが、免許が取りたくなりました。笑。
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+++ 実のところ、日々、車同士は排出ガスの届く距離で会話している。本作語り手デミオの持ち主・望月家は、母兄姉弟の四人家族(ただし一番大人なのは弟)。兄・良夫がある女性を愛車デミオに乗せた日から物語は始まる。強面の芸能記者。不倫の噂。脅迫と、いじめの影―?大小の謎に、仲良し望月フ...
+++ 実のところ、日々、車同士は排出ガスの届く距離で会話している。本作語り手デミオの持ち主・望月家は、母兄姉弟の四人家族(ただし一番大人なのは弟)。兄・良夫がある女性を愛車デミオに乗せた日から物語は始まる。強面の芸能記者。不倫の噂。脅迫と、いじめの影―?大小の謎に、仲良し望月ファミリーは巻き込まれて、さあ大変。凸凹コンビの望月兄弟が巻き込まれたのは元女優とパパラッチの追走事故でした―。謎がひしめく会心の長編ミステリーにして幸福感の結晶たる、チャーミングな家族小説。 +++ 語るのは、緑のデミオ。デミオに乗るのは、望月家の長男で免許取りたての普通の二十歳の良夫、歳の離れた秀でた弟の亨、良夫の妹で亨の姉のまどか、母の郁子さん。緑デミが隣人細見さんのマイカーザッパや、道ですれ違ったり駐車場で隣り合った車と情報交換したり、自分に乗っている人の会話からあれこれ想像したりする設定は、絵本のようだが、結構シリアスでハラハラドキドキさせられる。車同士のネットワークによって、車しか知らない真実があっても、人間に知らせるすべはなく、それがまたもどかしいながらも納得できるのである。事実に見える物事にも、表面に出ない真実があるのかもしれない、と思わせてくれる一冊でもある。最後の最後にじんわり胸が熱くなった。亨、なかなかやるな!
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前作の「残り全部バケーション」が、伊坂幸太郎の中では、珍しく駄作の部類だっただけに、今回のこの「ガソリン生活」が、ごく控えめに表現して「めっちゃ面白かった!」。 ってか、いつも凄いのだけれども、いつもに増して伏線回収能力がハンパないというか。 ここまで、キレイに伏線回収されると笑...
前作の「残り全部バケーション」が、伊坂幸太郎の中では、珍しく駄作の部類だっただけに、今回のこの「ガソリン生活」が、ごく控えめに表現して「めっちゃ面白かった!」。 ってか、いつも凄いのだけれども、いつもに増して伏線回収能力がハンパないというか。 ここまで、キレイに伏線回収されると笑えてくるというか。 しかも、いつもの一気感はなく、前半半分で種蒔いて、後半からゆっくり回収していってて、それが心地よい。 「車同士が喋る」という設定が、ここまでキレイにハマるなんて。 また、いつもよりは、小ネタをたくさん挟んでるのもよかった。 ガンダムや、ポワロ、フランク・ザッパまでも遊び心いっぱいだった気がする。 ポワロのくだりなんか、最高だった! 最期のエピローグも、ちょっと泣きそうになっちゃうくらいだし、頭から尻尾まで美味しく頂きました!
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いいなぁ、久しぶりのフワフワ感 なんという事はない物語だと思う。あっと驚く展開もないし、ワクワク感もない。でも、車同士の会話は楽しいし、ハッピーエンドも明るい。 4人の夫や検問などの過去作品もちょいと登場するし、遊び心もたっぷりだ。 そして、なによりも過去最高にロマン...
いいなぁ、久しぶりのフワフワ感 なんという事はない物語だと思う。あっと驚く展開もないし、ワクワク感もない。でも、車同士の会話は楽しいし、ハッピーエンドも明るい。 4人の夫や検問などの過去作品もちょいと登場するし、遊び心もたっぷりだ。 そして、なによりも過去最高にロマンチックなエピローグが良い。花がぱっと咲くような、とても明るく楽しくハートウォーミングなエピローグは初体験だ。よかった! わがサンバーバンも心があるのかな? 乗り続けたいな。
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車同士がほんとにあんな会話していたら。。。実生活から車を擬人化したくなります。ほのぼのしたラストが好きです。
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ガンダムwww 新聞連載だからでしょうか、若干間延びした感もあります。 が、伊坂作品らしい穏やかでないことも穏やかに描かれて、ほのぼのとした感じが好きです。
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エピローグのしかけに気付かされ、おののきました。 それにしても車の車種、形、年式、これまで興味がなかったことなので、 登場人物(!)の姿かたちを知るためにいちいち検索かけて読んだなんて 初めてですね。 これまでは国産、外車、おっきいちいさい、色しか分りませんでした(?_?) 小学生の亨君の生意気ぶりにはこいつぅ!と思いましたが 世界を相手にしてしまう大きさが感じられこれならいつでも全世界に発信できます(何のことやら…) 他の伊坂作品もリンクしてるってファンにとってこんな嬉しくなる仕掛け、 さすがです。
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車が主人公のお話。 考え方が近いと感じる作者の本は、やはり評価が甘くなってしまう。 皆さんも言ってるだろうけど、エピローグの感じが好き。
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「やぁ、ザッパ」 本小説は車が語り手です。 伊坂さんだなぁと思った。 話しのもっていき方から台詞の言い回しに 出てくる人の性格から、すべてにおいて。 相変わらず面白い。 緑のデミオが終盤では自分の意思で動いて 悪役のだれかをやっつけてくれるんじゃないか! 伊坂さんならそんな奇跡がありそうだなーと(笑)
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