評価と贈与の経済学 の商品レビュー
現在のうまくいかない消費社会を贈与という形で解決しようとする、人間の善意を信じたスタンスでの未来設計。
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拡大家族を作っていくべき、ていう思想はなんとなくこれからのまちづくりの方向性にかさなってくる気がするので、興味深い。
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少し前なら飛びついて読んでいたであろうお二人の対談。今回も、なるほどなあと思うところはいろいろある。岡田さんの若者分析はさすがに鋭いし、内田先生の持論も相変わらず説得力がある。それでも以前のように夢中になって読むという感じではないのは、自分の興味のありようがちょっと変わったからか...
少し前なら飛びついて読んでいたであろうお二人の対談。今回も、なるほどなあと思うところはいろいろある。岡田さんの若者分析はさすがに鋭いし、内田先生の持論も相変わらず説得力がある。それでも以前のように夢中になって読むという感じではないのは、自分の興味のありようがちょっと変わったからかなと思う。 お二人とも、今の社会状況に危機感を覚え、新しい社会の「制度設計」を考え、また実践していこうとしている。その実践は身近なレベルからのものではあるが、十分「啓蒙的」といっていい。とても戦略的だ。そこに、何というか、自分の気持ちとの隔たりがある。 確かに世の中には閉塞感が漂っているけど、ちょっと視点をずらしたらまた違う景色が見えてくるんじゃないだろうか。また、従来とは違ったかたちでの人とのつながりを追求していくことは大事なのだろうが、いったん手に入れた「一人であることの自由」はどんなに孤独であろうともう手放せないように思う。内田先生は「一人でも生きていける時代は終わった」と書いているが、「共同体」というものを前向きにイメージしていくことは、私にとってはとても難しい。
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内田樹と岡田斗司夫。面白くないわけがないと期待して読んだのだけど、不思議なことに(うたい文句とは逆に)ページ単位ではとても面白く、本全体としてはあまり面白くない一冊だった。 ページ単位で面白いのは、ふたりともがそれなりの説得力を持って「そうじゃない、こうだ」と意見をぶつけているか...
内田樹と岡田斗司夫。面白くないわけがないと期待して読んだのだけど、不思議なことに(うたい文句とは逆に)ページ単位ではとても面白く、本全体としてはあまり面白くない一冊だった。 ページ単位で面白いのは、ふたりともがそれなりの説得力を持って「そうじゃない、こうだ」と意見をぶつけているから。見解の違いが、不毛な論争ではなくモノゴトを立体視するための複数の視点につながるスリリングな読書。 本全体としてピンとこなかった理由は、描かれている将来像がピンとこなかったから。 評価経済という発想自体にはとてもとてもとても興奮した。大きく学ぶところがあった。しかし、比喩としての経済を超えて実体としての経済に及ぶと、恩恵、いや、マイナス含めて影響を受けられるのは岡田氏などごく一部に留まるとしか思えない。 贈与経済についていえば、こちらは私がすでにそうなると内田氏のブログなどで説得されてしまっているから。 いづれにせよ、刺激的な一冊であること間違いなし。
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私の好きな部類の本を書かれている内田先生とオタク感覚が共有できる岡田氏とも異色の会談本。まったく価値観が違っている2人ですが、行き着く先は同じなんですね。私も2人の著書は結構読んでますし、どちらも共感できているので、何となく解ります。面白く読ませていただきました。
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先日の課題本。タイトルに経済学と入っていたので、そういう関係の本かなと思っていたけど、そんなことはなく、いろいろと今の社会を表現するキーワードが多くて興味深かったなと。
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お二人の対談集です。私は読書の時にキーワードとか気に入った語句に付箋紙を貼って読んでいくのですが、この本のお二人の会話ではなるほどと唸りたくなったり、その通りだと思ったりする語句があまりにも多くて、たちまち本が満艦飾となった次第です。お互いに話をしているうちに相手に触発されて色々...
お二人の対談集です。私は読書の時にキーワードとか気に入った語句に付箋紙を貼って読んでいくのですが、この本のお二人の会話ではなるほどと唸りたくなったり、その通りだと思ったりする語句があまりにも多くて、たちまち本が満艦飾となった次第です。お互いに話をしているうちに相手に触発されて色々な発想がとびかうので(もちろんお二人の現在の活動の中身の紹介もあり)とても刺激的でした。、 少し中身をかいつまんでみると今の日本のような「イワシ化」した社会にいることは=「脳化する社会」と同じで、頭だけで考えているから生きる力を高めるとか生き延びる可能性を高めるかということをしないでふらふらマジョリテイについていく・・ので簡単に「心が折れる」ということが起こる。努力と報酬は一致しない。能力と報酬も一致しない。報酬は運である。・・・こう述べてくれるのですから、これは気分爽快になります。ここまではっきり言われると。 社会的に成功したと思われる人は、もともと自分のひとりの力で成し遂げたものではないから、自分の手元にもっているものは自分の占有物ではなくて一時的に「託されたもの」。それだから次の人にパスすることで世の中がうまく回る。「情けは人のためならず」の原理は、かつて受けた贈与を時間差を持って返すことにほかならない。パスをとめてはならない。貨幣も情報も評価も動いているところに集まる。そして、極めつけはこの言葉です。 自分が他人からもらえるかより先に、自分が他人になにをしてあげれるのかを考えられる人間だけが贈与のサイクルに参入できる。それはその人の貧富とか社会的地位の高低にはまったく関係がない。・・・ それだから、誰にも知られなくても「いいこと」をすると毎日気分良く暮らせます。これからの社会がこの本に書いてあるような方向にいくかどうかは私たちの行動次第です。
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まず、このお二人の対談というだけでそそられます。 共同体・社会について、攻め方の違う二人が語らう。 内田先生の本は、何冊か読んできました。贈与論・贈与経済についてしばしば論及されていますが、本書でようやく腑に落ち「た」感覚があります。おそらく実践できていないから、難しいと感じる...
まず、このお二人の対談というだけでそそられます。 共同体・社会について、攻め方の違う二人が語らう。 内田先生の本は、何冊か読んできました。贈与論・贈与経済についてしばしば論及されていますが、本書でようやく腑に落ち「た」感覚があります。おそらく実践できていないから、難しいと感じるんだ。この引っかかりを意識しておこうと思い立ちました。 ※以下は個人メモ。 スキル、ネットワーク、人柄 の三要素 決断は迫られている時点で負けが込んでいる 未病の発想・危機に対処する知恵と危機そのものを回避する知恵(米国の例) 知性の発動条件の個人差
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
微妙に話がかみ合っていない中で、岡田さんが一生懸命内田さんを説得しようとしている雰囲気が楽しい。岡田斗司夫はやっぱり頭が良いと思う。 イワシ化する社会とか、自己実現以上に大切なことは集団が生き延びること、経済活動の本質は等価交換ではなく贈与と反対給付などなど、いちいち腑に落ちるネタが展開されていて興味深い対談集でした。
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世代間格差とか「あの頃はよかった」とかよく言われるけど、そんなこともないんじゃないかって。 昭和生まれのおふた方による「年長者」向けの内容のように受け取れる部分が多いが、若者こそ読んで見て自省すべきないようであるように思う。 あと、経済学の本と思って手に取ってみた人にしたら嬉しい...
世代間格差とか「あの頃はよかった」とかよく言われるけど、そんなこともないんじゃないかって。 昭和生まれのおふた方による「年長者」向けの内容のように受け取れる部分が多いが、若者こそ読んで見て自省すべきないようであるように思う。 あと、経済学の本と思って手に取ってみた人にしたら嬉しい誤算かも。
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