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謎の独立国家ソマリランド の商品レビュー

4.4

195件のお客様レビュー

  1. 5つ

    99

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2024/09/22
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著者がソマリを理解するためにソマリ語を学び現地の人を言い負かす程になったり、仲間として認められていく過程は実にあっぱれで楽しい。海賊がどれほど儲かるビジネスなのかを「海賊を雇ったら」でシミュレーション。わかりやすく実に面白かったです。初めて著者の本を読みましたが、他の本も今後読んでいきたいと思います。全く知り得なかったソマリの世界にお腹いっぱい浸れる一冊でした。

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2024/04/05

この人の本まじでおもろい。 行動力と探究心がカンストしてるだけで、基本怠惰で捻くれ者の早稲田卒のおじさんだから親しみ深いし同じ穴の狢って感じがする。故にシンプルに憧れる。この人の本全部読む。 あと金なさすぎて海賊雇おうとする件くそやばすぎておもろい。

Posted byブクログ

2024/03/18
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「およそ真実の探索者は、塵芥より控え目でなくてはならない。」 (ガンジー 『ガンジー自伝』) 読み終わると冒頭のこの一節が本当にその通りだなと痛感する。 これまで生きていた中でなんとなく"常識"として自分の中に埋め込まれてきたことが一歩外に出ると全然そうでなくて、ソマリアの人はソマリアの仕組みで生きてる。だからこそ外から介入があるとその仕組みは維持できなくなる恐れがある。そんな中で自分たちで上手く築き上げてきた奇跡のような国(認められてないが)がソマリランド。 ソマリランドとして平和を維持できているのが、農業や産業が盛んな南部ではなく、"何もない"北部なのが皮肉だけどリアルだなと思った。 「ソマリランドは貧しくて何もない国だから、利権もない。利権がないから汚職も少ない。土地や財産や権力をめぐる争いも熾烈でない。」 という言葉が印象的だった。 逆に、内戦が厳しいモガディシュでは 「"トラブル・イズ・マイビジネス"でトラブルを起こせば起こすだけ、カネが外から送られてくる。モガディシュはトラブル全般が基幹産業なのである。」 高野さんが現地に入り込み生活する中で知ることを共有してもらうことで、メディアではなかなか切り取られないリアルを少し知れた気がする。 明るくない内容もあるけど、高野さんの軽快な語り口調と愉快な登場人物のおかげで、すごく読みやすい。 毎度思うけど、高野さんの人物描写は面白おかしく魅力的に登場人物を描いていて、私が高野さんの著書を好きな理由の一つ。今回も「まじか?!」と思うエピソードもありつつ、魅力的なソマリアの人たちをたくさん知れてとてもおもしろかった。

Posted byブクログ

2024/02/26
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 2009年と2011年のソマリア--ソマリランド、プントランド、当時の暫定政権が一部を統治していた南部ソマリア--取材旅行をまとめた本。遠慮が無くカネにうるさく氏族を中心に考えるソマリ社会に著者同様に驚き呆れることの連続だった。  本書では主にソマリランドを中心に話が展開する。2度の内戦を経験しながら他のソマリ地域より平和で民主的な「国家」たり得ているソマリランドの歴史と政治体制は興味深い。氏族主義が浸透しているからこそ氏族単位では扱いきれない政治からは距離を置きつつ、氏族の長老たちが政治家たちを監視するシステムは画期的だが合理的だ。本書で幾度も触れるソマリ人の実利を重んじる性分にも合っているのだろう。  プントランドにて著者が半ば本気で海賊行為を立案し試算してみたり、言動や考え方が知らず知らずのうちに“ソマリ化”していたりとクスリと笑える箇所も多数。また、次の表現は本書で特に言い得て妙だと思った。   (前略)私が思うに、国際社会、もっと端的に言えば国連というのは、「高級な  会員制クラブ」みたいなものではないか。   人類普遍の理念に基づいた公平な組織と勘違いされることもあるが、実際には民  主主義とも人権とも直接関係がない。   なにしろ、このクラブは5人の理事の権限がひじょうに強く、理事の一人が反対  すれば、どんな素晴らしい提案も却下されてしまう。そこからして反民主主義的  だ。それに理事の一人である中国自体が人権や民主主義とは無縁だし、会員にも非  民主主義国家がたくさんある。   それはしょうがない。なんせ、第二次大戦の戦勝国によって任意に作られた会員  制クラブなのだから。公平や正義を期すほうが無理である。(後略)   ※第7章8  2020年代のソマリ地域--ソマリランド、プントランド、ソマリアはどのようになっているのか、著者には引き続き取材してもらいたい。

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2023/11/14

ソマリランドが奇跡の国だということがよく分かりました。読み進めていく内に、ソマリ人に愛着をもっている自分がいました。カートは一度体験してみたいです。

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2023/03/03

ソマリアのソマリランド、プントランド、南部ソマリアについて書かれた本。 ソマリランドの内容を、日本の戦国時代になぞらえて書かれていたので、わかりやすかった。文章も小気味よくテンポ良く読めた。 紛争あったり、海賊あったり、大変だなーとこっちは勝手に思ってしまうが、住んでいる人たちは...

ソマリアのソマリランド、プントランド、南部ソマリアについて書かれた本。 ソマリランドの内容を、日本の戦国時代になぞらえて書かれていたので、わかりやすかった。文章も小気味よくテンポ良く読めた。 紛争あったり、海賊あったり、大変だなーとこっちは勝手に思ってしまうが、住んでいる人たちはそんなことあまり思ってなさそうで、バイタリティ溢れている。 南部ソマリアで出会った、ハムディはかっこいい! 女性で若いので、何かと大変なこともあるかと思うが、本当に剛腕すぎる!! テーディモの探検にも行ってほしい!

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2022/01/20

本が分厚くて、読み応えがたっぷり。ソマリ愛溢れ、しかも全く未知の世界、文化。ソマリアというと紛争地帯で治安が悪いイメージだが、その中に存在するソマリランドという平和な民主主義を保つ独立国家。冒頭から沢木耕太郎の深夜特急でも読むようなワクワクが止まらない。その疾走感で突き抜ける読書...

本が分厚くて、読み応えがたっぷり。ソマリ愛溢れ、しかも全く未知の世界、文化。ソマリアというと紛争地帯で治安が悪いイメージだが、その中に存在するソマリランドという平和な民主主義を保つ独立国家。冒頭から沢木耕太郎の深夜特急でも読むようなワクワクが止まらない。その疾走感で突き抜ける読書。ソマリ人の早さ。カートをキメた明晰さ。 ソマリランドから海賊国家プントランドへ。旅を続ける中で、国や文化、氏族主義などの制度を学び、発見する著者。まるで文化人類学の領域。果ては、海賊ビジネスに手を染めようとしたり、地元メディアに登場したり。大麻みたいなカートを食いまくる様は写真の著者からは想像つかない。 そして、モガディショの剛腕姫との出会い。危険な南部ソマリアのホーン・ケーブルテレビ・モガディシオ支局長のハムディ。垢抜けて性格も男前な彼女は、別著『恋するソマリア』のカバーに写真があるが、想像通り。これは著者の表現力が素晴らしい。 色々と意識散漫だが、とにかくあちこち、著者と共にスリリングに楽しめる内容。

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2021/11/18

複雑で飲み込むのは難しいが、実際の旅行記と併せてソマリランドについて説明されており,面白かった。 臨場感があり、登場人物は皆面白い。 読むのに時間がかかったが,ソマリランドについて知るための貴重な資料だと感じた。

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2021/06/25

最初手に取った時、予想よりも分厚くて驚いた。 でもするすると読み進められてしまった。この本でソマリアがもはやひとつの国ではないことを初めて知った。ソマリアにプントランド、南部ソマリア。なかなか事情がややこしかったが、筆者の体験に沿って得られる驚きはまるでミステリを読んでるようだっ...

最初手に取った時、予想よりも分厚くて驚いた。 でもするすると読み進められてしまった。この本でソマリアがもはやひとつの国ではないことを初めて知った。ソマリアにプントランド、南部ソマリア。なかなか事情がややこしかったが、筆者の体験に沿って得られる驚きはまるでミステリを読んでるようだった。 氏族文化や、ソマリ人がどのような価値観で生きているのかなど、どれも新しい価値観で新鮮で面白かった。

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2021/05/02

「氏族」という概念があるのを初めて知った。とても面白い仕組みで、さすがに細かな分類や経緯は読んでいて難しかったけれど氏族の何たるかやその掟(ヘール)についてはざっと理解できた。 筆者、バリバリカートやってるな。 ソマリ語ってどんなものなんだろうと思った。 写真がもっとあればより良...

「氏族」という概念があるのを初めて知った。とても面白い仕組みで、さすがに細かな分類や経緯は読んでいて難しかったけれど氏族の何たるかやその掟(ヘール)についてはざっと理解できた。 筆者、バリバリカートやってるな。 ソマリ語ってどんなものなんだろうと思った。 写真がもっとあればより良かった。

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