おどろきの中国 の商品レビュー
かつて日本に大きな文化的政治的影響を与えた中国。近代化の過程を経て現代にいたるまでに両国の関係は冷えきったものになった。近年の経済成長によって世界の主役になり始めた中国。地理的にも政治経済的にも必然的に対していかなくてはならない日本。お互いに意味のある関係を築いていくためには、お...
かつて日本に大きな文化的政治的影響を与えた中国。近代化の過程を経て現代にいたるまでに両国の関係は冷えきったものになった。近年の経済成長によって世界の主役になり始めた中国。地理的にも政治経済的にも必然的に対していかなくてはならない日本。お互いに意味のある関係を築いていくためには、お互いにもっと相手を知らなければいけない。相手の考えや行動の根拠をよくわかった上で、接していくことが大人な国の対応だ。成熟した日本にふさわしい成熟した日本人になるための本です。面白い。
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「中国」については、「親中」「嫌中」などさまざまな立場があるが、本書を読んで、「そうか中国は、こう捉えるのか」と驚きをもって読み終えた。 「中国は国家なのか」による「これほどに大きな帝国が2200年も前にできたのはどうしてなのか。いかにして、帝国としての統一性を実現し、維持す...
「中国」については、「親中」「嫌中」などさまざまな立場があるが、本書を読んで、「そうか中国は、こう捉えるのか」と驚きをもって読み終えた。 「中国は国家なのか」による「これほどに大きな帝国が2200年も前にできたのはどうしてなのか。いかにして、帝国としての統一性を実現し、維持することができたのか」という考察は、「そうか社会学とはこういうものなのか」という新鮮な思いを持った。 地形や気候による社会への影響を、国民文化や社会制度と関連させて捉える考察は、論争で掘り下げるほど、実に興味深い。 「なぜ近代化が遅れたのか」や「日中の歴史問題」などの考察も、一般に語られるレベルを超えて内容は深いが、知れば知るほど、この問題の解決が困難な理由もわかるように思えた。 本書は、鼎談のように語られているから、わかりやすい点も評価できるし、現在の日中間の問題の背景を知るための最良の書として高く評価したい。
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なんだかよくわからない価値観で動いている人々、近いけど遠い中国について、とっかかりをつかめるかもしれない本。 仕事で関わるとなかなかフェアに仕事ができない彼らを知りたくて読む。 けれど、この本を読んでいる最中に、「逃tao」という本に出会い、少しこの本は中国寄りに書かれすぎてい...
なんだかよくわからない価値観で動いている人々、近いけど遠い中国について、とっかかりをつかめるかもしれない本。 仕事で関わるとなかなかフェアに仕事ができない彼らを知りたくて読む。 けれど、この本を読んでいる最中に、「逃tao」という本に出会い、少しこの本は中国寄りに書かれすぎている気がした。 嫌中に傾く日本社会を意識してそうされたのかしら。。。
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「そもそも国家なのか」という台詞を耳にした時、編集者は「これは売れる」と確信したのではないか。 「国家」という概念は、漢字で表記するもののヨーロッパで生まれた概念で400年程度の歴史しかない。 しかし中国は始皇帝から数えても2000年以上の歴史があるわけでヨーロッパの概念で理解し...
「そもそも国家なのか」という台詞を耳にした時、編集者は「これは売れる」と確信したのではないか。 「国家」という概念は、漢字で表記するもののヨーロッパで生まれた概念で400年程度の歴史しかない。 しかし中国は始皇帝から数えても2000年以上の歴史があるわけでヨーロッパの概念で理解しようにもそもそも捉えきれないのではないか?というのが冒頭に提示される問題提起。「近代中国と毛沢東の謎」「日中の歴史問題」「中国のいま・日本のこれから」と4章に渡って中国の歴史・成立ちを理解しようという充実した鼎談。 アカデミックなテーマからポリティカルなテーマへ。内容のバランスがとても良くできている。 もちろん、立場を異にする人が読めば「前提からおかしい」とか言われそうだが、理解し難い隣国の事情について、理解の目処が見える一冊
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前半は納得できるとこも多く、好著と思えた。が、後半は金と時間を返せと破り捨てたくなるほど。実際のところは、中国のことがよく分かってないヒトたちなのだということが良く分かった。こういう媚中派が日中間の正常な交流を妨げてきたのだなと確信。
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日本を代表する社会学者3人による、中国という国家の本質、毛沢東の謎、歴史認識問題を含めた今後の日中関係についての鼎談をまとめた一冊。 全体を通じて、中国という国家を決して不思議な隣人で終わらせずに、その歴史的成り立ちや、社会学理論の援用により、内実に潜む(が、日本人には見えてい...
日本を代表する社会学者3人による、中国という国家の本質、毛沢東の謎、歴史認識問題を含めた今後の日中関係についての鼎談をまとめた一冊。 全体を通じて、中国という国家を決して不思議な隣人で終わらせずに、その歴史的成り立ちや、社会学理論の援用により、内実に潜む(が、日本人には見えていない)システムの姿が描かれている。一見不合理なように見える点も、実は我々が合理的だと思いこんでいる日本のシステムより、よっぽど洗練されている点もあるのだということが理解できる。 社会学者の議論なので、多分に理論が優先したものになっている気がしないでもないけど、冷静な議論がなかなかなされない現状においては、対極に位置するものとして価値はあるように思う。
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中国は面積も人口も歴史もスケールの大きい国ですから、 おどろくことはたくさんあるんですが、 もっとも驚いたのは自分があまりに無知なことでした。
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中国の社会組織の原則 自分は正しくて立派、他者も自己主張、事故と他者が共存するために枠組みが必要、順番。 南京大虐殺は日中戦争全体を隠喩的に圧縮している。全体の象徴、中国側から見れば? 改革開放こそ、文革の最終的な仕上げ、 余華 社会主義市場経済、の矛盾、意味、 伝...
中国の社会組織の原則 自分は正しくて立派、他者も自己主張、事故と他者が共存するために枠組みが必要、順番。 南京大虐殺は日中戦争全体を隠喩的に圧縮している。全体の象徴、中国側から見れば? 改革開放こそ、文革の最終的な仕上げ、 余華 社会主義市場経済、の矛盾、意味、 伝統社会からは汚職を、資本主義からは拝金主義を、社会主義からは名前をとってきて総合した。
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歴史の教科書をただ読んでいるだけでは見えてこない、中国の特殊性についてたっぷり論じられている。秦の始皇帝から、現代の諸問題まで、実に多岐にわたっている。 私が最も印象に残ったのは、日中戦争における日本の責任に関する論点である。中国について論じた本であるが、中国と対比して日本のこと...
歴史の教科書をただ読んでいるだけでは見えてこない、中国の特殊性についてたっぷり論じられている。秦の始皇帝から、現代の諸問題まで、実に多岐にわたっている。 私が最も印象に残ったのは、日中戦争における日本の責任に関する論点である。中国について論じた本であるが、中国と対比して日本のことについても手厳しく論じていた。 日本は亜細亜主義という名の侵略のこじつけを作り上げ、張作霖爆殺事件、柳条湖事件、南京大虐殺など、国際的に批判を浴びる行動を繰り返してきた。A級戦犯たちですら、明確な動機を持たぬまま戦争へと突入してしまった。過去への構え=罪、未来への構え=責任と分けて考える必要があり、戦後に生まれた私たちも、「関係ない」とは言い張ってられない。どうして戦争になってしまったのかをしっかり理解し、後継世代として主体的にコミットしていくことが求められる。この論点は非常に印象に残っていて、高校時代まで受験のために世界史を勉強していた自分には、全く欠けていた視点であった。相手(=中国)を知ること、過去(=歴史)を知ることで、未来の行動を変える。 中国人の行動や態度は、世界的にあまり理解されないことが多いが、それは3氏が論じていたように、近代の社会科学が西洋風のものの見方で枠付けされてしまっているから、ということが一因であろう。2000年前に広大な国土を国家として統一できたこと、それでいて近代化が遅れたこと、社会主義と市場経済を混合させたこと、どれも他の国家には見られない特殊性であるが、中国の特性を意識すれば読み解けなくもない。「理解不能」と扉を閉めてしまうのではなく、理解する努力も必要なのだろう。
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社会学者3人が座談会形式で現在の中国の成り立ちや国民性について闊達に意見を述べるという形式。前作の「ふしぎなキリスト教」が雑学本として割りと面白かったので購入。歴史的背景や基礎知識なんかは感心することも多かった。 儒教や他者に対する基本的な考え方なんかはへーと思う箇所が多かっ...
社会学者3人が座談会形式で現在の中国の成り立ちや国民性について闊達に意見を述べるという形式。前作の「ふしぎなキリスト教」が雑学本として割りと面白かったので購入。歴史的背景や基礎知識なんかは感心することも多かった。 儒教や他者に対する基本的な考え方なんかはへーと思う箇所が多かった。特に青幇のような身内という考えがスケール別に存在して、全く温度の違う対外道徳と対内道徳が同心円状に広がっているから契約という観念が薄いというのはなるほどって感じがする。 後半、時代が現実に近づいていくにつれて大分主観的な発言が多くなっていくのは気になった。文革が後の改革開放に繋がり、逆説的に近代化を進めることとなったと言っているのは分かるけど、それなら古代の儒教道徳に基づいた考えは薄まっているはずなのに、今後の対中関係を考える上でもっと歴史から類推して行動原理を考え、彼らがこうして欲しいと思う役割を果たしながら米中関係のインターフェイスになるべきであるというのは辻褄が合わないのでは? そういう歴史観に基づいた行動ではなく、より近代的な、というか背景が薄い、自分が属する幇の利益と血の規約しか守らないような欲が濃くなった近代中国に対しての構え方を論じて欲しかった。こーいう考え方は若干ネトウヨ的なバイアスがかかっているのかもしれないけど、かなり疑問。著者の橋爪氏は中国にかなり縁のある人だから内側から見るとこうなるのだろうか。 なんだかんだで全体としては面白かったので、まぁ良し。社会学者だからなのか芸風だからか知らないけど、もうちょっと主観じゃなく具体的なデータも交えた話があれば尚面白かった。でも宮台真司はやっぱいらないわw奇をてらったような発言が多すぎてノイズになることが多すぎるw
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