おどろきの中国 の商品レビュー
これは面白い!中国庶民の日常感覚を知っている人だから語れる、中国近代史の本当の意味。変に西洋基準で見ると不思議な中国だが、儒教国家として見れば納得できなくはない。確かに日本人の感覚の方が、より変かも知れない。世界の双頭であるアメリカと中国に対して、より良い関係を築いていくためには...
これは面白い!中国庶民の日常感覚を知っている人だから語れる、中国近代史の本当の意味。変に西洋基準で見ると不思議な中国だが、儒教国家として見れば納得できなくはない。確かに日本人の感覚の方が、より変かも知れない。世界の双頭であるアメリカと中国に対して、より良い関係を築いていくためには、お互の歴史と庶民感情を理解する事が重要ですね。
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話題になった本で、ぼくも人に勧められたが、第一部の途中で挫折してしまった。これはこの「中国とはそもそもなにか」というテーマ自体がそう簡単に答えをだせないようなものだからである。それで今度は第三部の「日中の歴史問題をどう考えるか」から読み始め、ついで第二章の「近代中国と毛沢東の謎」...
話題になった本で、ぼくも人に勧められたが、第一部の途中で挫折してしまった。これはこの「中国とはそもそもなにか」というテーマ自体がそう簡単に答えをだせないようなものだからである。それで今度は第三部の「日中の歴史問題をどう考えるか」から読み始め、ついで第二章の「近代中国と毛沢東の謎」、そして最終章の「中国のいま・日本のこれから」と読んだら、すんなり読み終えられた。(あるいは、3、4、2、1と読むのもいい)この本は錚々たる社会学者3人による座談で、ときに社会学に関する用語や引用があると止まってしまうが、全体に問答形式で読みやすい。ぼくにとっていつもすっきりしないのは、日本がなぜ中国を侵略したのかという点である。「悪意の侵略者か善意の解放者か。」本書はそれにも答えている。日本人自身もあいまいで、中途半端なまま、好き勝手にふるまい大きな損害を与えたと。こう言われれば、大方の日本人は納得がいくのではないだろうか。アジアの開放というスローガンが百パーセント嘘だとは思わない。プラスの面もなかったわけではない。しかし、結果的には、今に至るも恨まれるような罪悪を重ねてしまい、日本人にも多大な損害をもたらした。そもそも、当時の日本の動きは列強とのバランスで考えなければいけない。別の言い方をすれば、列強の掌の中で動いているあいだは問題は起こらなかった。問題が起きるのは日本がそこを超えたからである。東亜新秩序が出てくるのは、頼りない朝鮮や中国のために日本がアジアの盟主となるということだったと思う。このスローガンは一概に否定できない。そもそも、日本人は中国革命に同情的であったし、多くの革命人士を助けている。満州にしても当時はまだ所属があいまいな地域だった。ロシアもねらっていた。日露戦争でその地を確保したものの、今度はそこを独り占めしようとした。アメリカが共同開発しようとしたときもことわっている。それがのちのアメリカとの戦争を引き起こした。本書はこんなふうに素朴な、それでいて根源的な疑問から出発し、日中の将来像にも思いをはせている。熟読玩味したい本である。
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昨今とかく脅威論としてのみ語られがちな中国についての、3人の著名社会学者による対談。帯文にもある「そもそも『国家』なのか?」=「西洋由来の『国民国家』という枠組は果たして中国に適用できるのか?」という視点は、現代中国を語る上での出発点としては重要と感じる。また、日本が今後米中の狭...
昨今とかく脅威論としてのみ語られがちな中国についての、3人の著名社会学者による対談。帯文にもある「そもそも『国家』なのか?」=「西洋由来の『国民国家』という枠組は果たして中国に適用できるのか?」という視点は、現代中国を語る上での出発点としては重要と感じる。また、日本が今後米中の狭間でどのように立ち回っていくべきかについて語られる最終章が非常に興味深かった。
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内容の濃い鼎談.中国の特性を細かく分析している.中国との関係を欧米風の国際関係の観点から見る危険性を指摘している.朝貢体制が存在していたと述べている.また、日本の侵略に関して明確な意図がなかったとも指摘している.日中関係はやはり難しいことが再認識できた.
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「ふしぎなキリスト教」に続き、橋爪、大澤コンビに加え、宮台真司まで加わった、ハイレベルの鼎談。ハイレベルといえども決して難解ではなくわかりやすく「中国」を読み解く。帯にあった通り、そもそも中国というものが「国家」なのか、というあたりから議論は始まる。文字通り、その二千年以上の歴史...
「ふしぎなキリスト教」に続き、橋爪、大澤コンビに加え、宮台真司まで加わった、ハイレベルの鼎談。ハイレベルといえども決して難解ではなくわかりやすく「中国」を読み解く。帯にあった通り、そもそも中国というものが「国家」なのか、というあたりから議論は始まる。文字通り、その二千年以上の歴史を知らずして、昨今の日中問題など語ることなどできないことがよくわかる。必読の一冊。
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経済的にも文化的にも大きな関わりを避けられない隣の大国のことを、自分があまりにも知らないので、読みやすそうな本書を買いました。 政治体制が変わっても中国社会の根底にある人間関係の規範のことが何となくわかったような気がします。
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13年前に中国に1年ほど留学したときの感想は、 「なんなんだ、この国は!」 本書でも紹介されている小室直樹先生の『中国原論』でその“特異さ”はある程度予習したつもりだったが、実際見て体験した国はまさに驚きの連続だった。 本書は3人の社会学者の鼎談で、中国なるものの原理、日中の...
13年前に中国に1年ほど留学したときの感想は、 「なんなんだ、この国は!」 本書でも紹介されている小室直樹先生の『中国原論』でその“特異さ”はある程度予習したつもりだったが、実際見て体験した国はまさに驚きの連続だった。 本書は3人の社会学者の鼎談で、中国なるものの原理、日中の近代化の近代社会学的な考察、日中の歴史問題、そして今後日本が取るべき針路などについて語っている。 国家や国民と行った欧米のフレームにはおさまらない国、カリスマ毛沢東は現代の皇帝、「改革開放こそ文革の最終的な仕上げ」などなど、「おどろき」の理由がだいぶ明らかになった。 歴史問題も含め、「日本は米中関係の付随物にすぎない(p339)」ことを認識し(ちょっと残念だが)、覇権をうかがう中国をしっかり理解することが今の日本人の務めだと思った。
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中国人のおどろくべき行動様式が分かります。 しかし本当に驚くべきなのは、中国の方が世界標準に近いのであって、 日本の方が特殊であるということです。 グローバルな時代を生きて行く若い人には参考になる本です。 鹿児島女子短期大学: 教員 武田輝章
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なかなか。 三人の中国通対談集。 中国は本当に国家なのか。毛沢東の間違い。鄧小平について。 参考になった。 少々、読み応えが有り過ぎる。
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