おどろきの中国 の商品レビュー
対談方式は嫌いなので星4つにしようと思ったが、やはり内容は面白い。 中国が良いとか悪いとかではなく、かの国を理解するにはどうしたら良いのかを考えさせてくれる。 うっすらとそうじゃないかと思っていたことを、なるほどと頷かせる。 それにしても感じるのは、日本の政治家が無能で、官僚が傲...
対談方式は嫌いなので星4つにしようと思ったが、やはり内容は面白い。 中国が良いとか悪いとかではなく、かの国を理解するにはどうしたら良いのかを考えさせてくれる。 うっすらとそうじゃないかと思っていたことを、なるほどと頷かせる。 それにしても感じるのは、日本の政治家が無能で、官僚が傲慢だと言うこと。 日本のパンピーを舐めて甘え過ぎだ。
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中国のこと。日中関係、日清戦争、尖閣諸島、北朝鮮問題、東京裁判、靖国問題、儒教、近代化、科挙、資本主義、台湾等について、理性的且つ根本的、歴史的に3人の社会学者が質疑応答、議論していく内容。 隣国であるにも関わらず、日本人は中国を知らなさすぎる。そんな前提で3人が中国に関する知...
中国のこと。日中関係、日清戦争、尖閣諸島、北朝鮮問題、東京裁判、靖国問題、儒教、近代化、科挙、資本主義、台湾等について、理性的且つ根本的、歴史的に3人の社会学者が質疑応答、議論していく内容。 隣国であるにも関わらず、日本人は中国を知らなさすぎる。そんな前提で3人が中国に関する知識を補完し合い進めていく会話は非常に面白い。一般レベルで知られていない事が詰まっている。普段、ネガティブに論じられやすい中国ではあるが、ここでは非常にポジティブな未来志向でこの国の持つ原理から日中関係まで分析されている。380ページと新書にしては厚いけど、全然飽きずに読めました。
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『ふしぎなキリスト教』のお二人にもうひと方加えた鼎談。 学者さんが話してると、語彙の違いを実感する…。 大学の時、著者のお一人の講義を取ってたけど、日本語のはずなのにさっぱりワカランカッタもんなあ。 前作?のテーマが「キリスト教」で、本作が「中国」なのは、現在の世界の構図が「(...
『ふしぎなキリスト教』のお二人にもうひと方加えた鼎談。 学者さんが話してると、語彙の違いを実感する…。 大学の時、著者のお一人の講義を取ってたけど、日本語のはずなのにさっぱりワカランカッタもんなあ。 前作?のテーマが「キリスト教」で、本作が「中国」なのは、現在の世界の構図が「(アメリカを覇権国とした)キリスト教文明圏 対 中国」で、その中を渡っていくためには両者の知識が必須だから、ということですねよく分かりました。 文系の学者さんの役割のひとつは、「物事を明確に的確に言葉にする」ことだと思ってますが、「イイ仕事してますねー!」ッて感じ。 特に、 ・中国古代思想(諸子百家)は、政治統一のためのオプション(p36) ・それぞれの国の人たちがどういうふうに世界を見ているか:「コグニティヴ・マップ」認識地図(p233) ・歴史は過去との連帯責任の感覚(p278) とかとかね。 秀逸です。 こっちにも余談ですが、お三方が中国を旅行された際、交通事情に触れて、その「とにかく自分の欲求を通そうとして決して譲らない」ところは、「社会契約論の課題になっている」らしいですが。 あのう、私4年近く中国に住んでこの交通事情に日々接してますが、そこから社会契約論を連想したことが一度もナイのですが。 学者さんッて…!
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謎の多い隣の大国中国について、「中国」をわれわれが普段使っている意味での「国家」という枠組みで理解できるのかどうか、あんなに広大なのに(もちろん個々人に国民意識はないにせよ)二千年も前に統一できたのか、政権が変わるたびに国の名前が変わるのはなぜ?とか、そういう成り立ちの基本的な部...
謎の多い隣の大国中国について、「中国」をわれわれが普段使っている意味での「国家」という枠組みで理解できるのかどうか、あんなに広大なのに(もちろん個々人に国民意識はないにせよ)二千年も前に統一できたのか、政権が変わるたびに国の名前が変わるのはなぜ?とか、そういう成り立ちの基本的な部分から、現代の高度経済成長状態までをどのような思想やシステムのもとに成り立っているのかを議論して解き明かしていく良書。 読む前から不思議で、読んで自分の中で説明がついたなと思ってもやっぱり毛沢東の時代って不思議です。 天が正しく天命を受けたたった一人が正しく、その人が何をなしたかどのような能力があるかではなく天命を受けているその一点のみが根拠になるっていうのはすごいなあ。 で、天は丸投げだから西洋の「契約」という概念がなかなか通用しないという。 端折ってる部分をもっともっと知りたいんだけど新書ということを考えればとてもバランスの良い構成だと思います。
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昨年、尖閣諸島の問題や反日運動など中国の動きで気になる所が多くあった。さらに、それを受けた国内の反応も過激だった。中には戦争も辞さないというような論調のものもあった。国内でそういう気分が高まっている事を恐ろしく思った。しかし、私たちは中国という国を理解していないのでないだろうか?...
昨年、尖閣諸島の問題や反日運動など中国の動きで気になる所が多くあった。さらに、それを受けた国内の反応も過激だった。中には戦争も辞さないというような論調のものもあった。国内でそういう気分が高まっている事を恐ろしく思った。しかし、私たちは中国という国を理解していないのでないだろうか?にもかかわらず、反日運動に脊髄反射的に嫌悪感を示し、拒絶してしまうのはおかしいと思う。 そのようになんとなく怖さを感じていたなかで本書と出会った。これを読むことで、なにかしら中国を理解するヒントが得られるのではないだろうか。 本書は3人の社会学者が、中国について語った本だ。 はじめに、中国という国を西欧由来の社会学的に考える事に批判的になって、新たな理解の仕方を探った。そもそも、国家という考え方が生まれるまえに統一王朝ができていた中国。それゆえに、西欧とは全く異なる考え方で社会を捉えていた。中国はEUに近いという考えが、非常に納得がいった。儒教と天子という統治システム。 次に、古代の中国と毛沢東。毛沢東が成し得た事は何だったのか。中国の近代化が遅れた理由と、毛沢東が近代化を進める事ができた理由。 中国の歴史問題では、日本の問題とも結びついた。事実を捉えるうえで前提になる認知地図の違い。 これからの日中関係。アメリカと中国に挟まれた日本は、それぞれの考えを理解しようとする努力が足りない。それは私たち自身も努力すべき点だろう。 本書を読んで、中国の近代の歴史を学びなおしたいと思った。
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日本の戦争責任に随所で触れているため、ひょっとして脊髄反射的な嫌悪感剥き出しのレビューが並ぶんじゃないか・・・と思いきや、流石はブクログ、冷静な感想が多いので一安心。この本のmain subjectはそこじゃないですからね。 「他者から自己を浮かび上がらせる」のが橋爪大三郎氏の...
日本の戦争責任に随所で触れているため、ひょっとして脊髄反射的な嫌悪感剥き出しのレビューが並ぶんじゃないか・・・と思いきや、流石はブクログ、冷静な感想が多いので一安心。この本のmain subjectはそこじゃないですからね。 「他者から自己を浮かび上がらせる」のが橋爪大三郎氏の著作の真髄だとするならば、現代において中国は格好の「他者」。扱いづらくて喧しくて、出来れば無視したいけれど、でも絶対に無視するわけにはいかない堅強な「他者」として屹立する中国に、きちんと視線を合わせて対峙しようとするための重要なtipsが各所に散りばめられている。 但し、今後の日本にとってこの本で述べられているほど道は平坦ではないようだ。「過去への構え」を不変とする意思の提示はもとより、米中間のインターフェースとしての役割も言うは易し、だ。事実、本書で日本のプレゼンス増大の好機とされている北朝鮮問題でも、やはり従前同様米の立ち回りの後ろに隠れてしまっている。 しかし、それでも中国を直視することを避けてはいけないと思う。自分自身を知るためには、他人を理解しなければならない―自己の内実だけにいくら目を凝らしたところで「自分が何者であるか」は決して分からないと思うからだ。この本を傍らに中国=他者と向き合うことで、後景に未だに自分でもよく分からない日本=自分というものを鮮やかに浮かび上がらせることができるのだと確信させられる。
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中国とはどういう国か、どう付き合って行くべきか。中国のみならず周辺国との付き合いかたは、外交とはいかにあるべきかということが学べる。さて、この本を通して安部政権の外交のあり方を注視していきたい。
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中国と日本は長い付き合いでありながら、なぜかその本質がよく分からない。本書はそんな中国を理解するための補助線である。 第1部:古代から続く中国のアイデンティティ 第2部:近代〜毛沢東の時代 第3部:日中の歴史問題 第4部:中国の今と日本のこれから という内容。 第1部,第2...
中国と日本は長い付き合いでありながら、なぜかその本質がよく分からない。本書はそんな中国を理解するための補助線である。 第1部:古代から続く中国のアイデンティティ 第2部:近代〜毛沢東の時代 第3部:日中の歴史問題 第4部:中国の今と日本のこれから という内容。 第1部,第2部では「中国人」の考え方、社会のありようがなぜああなのか、が腑に落ちる内容。 第3部、第4部になると、なるほどと思う箇所も多いが、全体としてはかなり日本への非難が多くなる。 中国寄りの橋爪氏、日本社会を蔑む宮台氏、比較的中立な大澤氏、という印象だった。 もちろん日中戦争に関しては日本が大きな過ちを犯したことは確かだろうし、それを検証し、反省する動きがないのは事実である。しかし当時の中国にも、他の列強国にもそれぞれの思惑や誤ちがあった筈であり、日本だけが愚かであったとするのはちょっと引っかかる。仮にそう思うのならば、彼ら自身がどのように責任をとるのかを示すべきではないだろうか。 彼らが言う「愚かで無責任な日本人」には自分たちは含まれていないかのような物言いにはいい気持ちはしない。
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座談会形式だから、議論が荒っぽいところもあるかもしれないが、中国的思考の中心みたいなものがなんとなく、つかめたような。
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私自身は中国の地域研究のスタディ経験がない、ので高校の世界史で勉強したところぐらいの知識しかない。社会学はわりとよく読んでいて、結構好き、という前提です。書いてあることが間違っているのはわかりませんが、大変よくわかりました。納得できる説明でした。儒教の考え方が中国という現象を説明...
私自身は中国の地域研究のスタディ経験がない、ので高校の世界史で勉強したところぐらいの知識しかない。社会学はわりとよく読んでいて、結構好き、という前提です。書いてあることが間違っているのはわかりませんが、大変よくわかりました。納得できる説明でした。儒教の考え方が中国という現象を説明するのに、どのように機能しているのかとか、中国の人の世界観とか。エズラヴォーゲルの本も読みたくなりました。
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