ハピネス の商品レビュー
タワーマンション(タワマン)に住むことをステータスとし、子供を私立幼稚園に通わせないと爪弾きにあうという「ママ友」の世界を描いた小説で、最近のキリノはますますゾラ化しているなぁという感じ。この著者にはなじみのマイノリティや変態の世界観はなりをひそめていて、登場人物はみな例によって...
タワーマンション(タワマン)に住むことをステータスとし、子供を私立幼稚園に通わせないと爪弾きにあうという「ママ友」の世界を描いた小説で、最近のキリノはますますゾラ化しているなぁという感じ。この著者にはなじみのマイノリティや変態の世界観はなりをひそめていて、登場人物はみな例によって意地悪だけれど、最後主人公に「みんなそれぞれ一生懸命なんだ」と言わせるような若干チープな連帯感が強調されている。311の影響? タワマンの構造、特にエレベーターのしくみ(いちいち地階に降りないと上の階に行けない)はママ友社会のメタファーだと思うが、実際にああいうつくりのエレベーターがあるのかもしれない。不便すぎる。
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タワーマンションの住人が主人公ということで興味をもって買った本。 桐野夏生にしては小粒な作品ですね。「グロテスク」や「OUT」のようなドロドロしたのを期待していたのですが、ちょっと肩すかし。 発表がVERYという女性誌というところから、さらりとしたお話になったのでしょうか。
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確かに、桐野さんじゃなくてもいい小説、題材、関係性。すらすらと読めたけど、何も残らないし再読はしないな。主人公夫妻も魅力ない二人でがっかり。逆に洋子さん主役の方がなんかよかったんじゃないかって、読後にして思う。しかしこの国のママ友世界に入会出来る自信まったくないな。○○ちゃんのマ...
確かに、桐野さんじゃなくてもいい小説、題材、関係性。すらすらと読めたけど、何も残らないし再読はしないな。主人公夫妻も魅力ない二人でがっかり。逆に洋子さん主役の方がなんかよかったんじゃないかって、読後にして思う。しかしこの国のママ友世界に入会出来る自信まったくないな。○○ちゃんのママって呼び合う時点でなんかおかしいんじゃないかって気付いて欲しい。
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ちょっとリアルで、怖かった。 子育ても、終盤で、両方の世界を体験したので、そうだったのね、と思う事も、多々。 人間関係の大変さを、細やかに表現されているのは、さすが桐野さん。
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都心のマンションに住む母親の話。 幼稚園に上がる前の子、花奈(かな)がいる。 そのママ友と自分の家族関係、両親との関係を描いた本。 ママ友との本音を明かさない幼稚園受験、ママ友との派閥、前夫との離婚、今夫との別居、それぞれの両親の思いー 現代の家族を描いた本であり、共感できると...
都心のマンションに住む母親の話。 幼稚園に上がる前の子、花奈(かな)がいる。 そのママ友と自分の家族関係、両親との関係を描いた本。 ママ友との本音を明かさない幼稚園受験、ママ友との派閥、前夫との離婚、今夫との別居、それぞれの両親の思いー 現代の家族を描いた本であり、共感できるところも多いはず。
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面白くて一気に読んだ。子供が小さかった時の自分の生活を思い出した。リアルによく書かれている。最近昔のママ友に会った。子供の話ばかりした。閉鎖された生活だった。私は2度と戻りたくない。
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タワーマンションに住むママ友たちのお話。 冒頭、主人公の女性に同情するように読み進めていたが、徐々にこの人物に対してイライラするようになった。
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ドロドロとまで行かないけど、女同士のめんどくささは読んでてどうも嫌になりますね。。 タイトルとは対象的に、ざらざらした気持ちになります。 読みやすいので一気に読んだけど、ラストはこれで終わり?と言うカンジ。
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桐野夏生という作家は「今、現在」を描く名手である。巷で起こっている事、時流、その時代の主人公たちを小説に描き、読者を引きつける。 今回は都内のタワーマンションに住む子育て真っ最中の母親たちを取り上げている。「タワーマンション」「公園友達」「お受験」をキーテーマに若い母親たちの生態...
桐野夏生という作家は「今、現在」を描く名手である。巷で起こっている事、時流、その時代の主人公たちを小説に描き、読者を引きつける。 今回は都内のタワーマンションに住む子育て真っ最中の母親たちを取り上げている。「タワーマンション」「公園友達」「お受験」をキーテーマに若い母親たちの生態を描いて、私たち読者を飽きさせない。しかしその底流にある女性同士の人間関係、感情、恋愛模様、親子関係は普遍のものがある。そういったものを「今」 の時流にのせて描いている。 いつも桐野夏生の小説を読むと感じるのだが、体験したことのない世代の生態、感情、感覚を違和感なく表現するのは取材によるものなのか、多様な人物の行動様式、感情等本当に著者自身のものではないかと錯覚させられるほどリアルに感じることがある。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
豊洲のあそこのマンションで、そこそこ見栄を張れる外見と暮らしをしている30代前半子持ち主婦、の設定ありきで構成された小説。家賃や選ぶブランドを含め、リサーチはかなり綿密。 主人公の住まいが格下の棟の眺めの悪い向きの分譲賃貸であること、がママ友コミュニティの人間関係・格差のベースになる怖さは十分に伝わる。だけど、現実はそれだけじゃないよね?っていう部分は、意図的かもしれないが少々欠落気味。 それと、タワマンという住まい方に対して、常に否定的な著者の視点が見えすぎるのもどうか。タワマンには低層階に住む家族もたくさんいて、その中には眺望でなく部屋の広さにお金をどーんと払ってるケースもあるわけで、マスコミが煽る高層階一辺倒の価値観もどうかと思う。張りぼてちっく、な建物という点に異論はないけれど。そもそも共有スペースなんて住民間の諍いの元になるだけなので、この題材は、こういう大規模マンションに住むならもれなくついてくるコミュニティネタの一つ。家族の病気や貧困や野心とは関係のない「幸せ」をテーマに、この小説に出てくるような「ママ友」世代がターゲットの「Very」読者に向けた小さい世界の話。
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