いちばん長い夜に の商品レビュー
マエ持ちコンビ芭子&綾香シリーズ第三段。 過去を悔い静かに生きるふたりに訪れた人生の分岐点。 きっかけは2011年3月11日。 全ての日本人が忘れようにも忘れられないあの日だった。 いろんな作家があの日のできごとを書いているけれど この作品中で芭子が仙台からなんとか東京へ帰って...
マエ持ちコンビ芭子&綾香シリーズ第三段。 過去を悔い静かに生きるふたりに訪れた人生の分岐点。 きっかけは2011年3月11日。 全ての日本人が忘れようにも忘れられないあの日だった。 いろんな作家があの日のできごとを書いているけれど この作品中で芭子が仙台からなんとか東京へ帰ってくるあたりの描写が 他よりもリアルに感じられたのは作者自身の体験だったと知って納得。 過去を変えることは決してできないし犯した罪は消えることはない。 それでも懸命に生きるふたりの姿に心打たれる。 7年続いたこのシリーズもこれで完結。 でも、何年か後のふたりにまたどこかで会いたいと思う。 乃南先生お願いしますねっ!
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最後の二人の行く末は腑に落ちて、好きです。きっかけとなったあの出来事は、臨場感に溢れていて、書かずにはいられなかったのが、察せられます。
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芭子・綾香シリーズの完結編。震災がこんな風に絡んでくるとは・・・。やけにリアルと思ったら作者の実体験でした。でもおかげで綾香のことはいろいろ腑に落ちる感じで・・・納得の結末でした。
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避けては通れない震災 このごろ面白い作品に出会えていなかったワタシにとって、乃南さんはもう乃南さんってだけでフォースターです。ハコとアヤカがこの先どんな人生を送るのか、気になることです。 東北大震災は、先に読み終えた「わりなき恋」とかぶって少し食傷でしたが、あの震災を体験したワタ...
避けては通れない震災 このごろ面白い作品に出会えていなかったワタシにとって、乃南さんはもう乃南さんってだけでフォースターです。ハコとアヤカがこの先どんな人生を送るのか、気になることです。 東北大震災は、先に読み終えた「わりなき恋」とかぶって少し食傷でしたが、あの震災を体験したワタシたちにとって、そして日本という国にとっては避けられるものではないのですね。
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この二人の話は楽しくて、そしてちょっと哀しくて。その哀しさはこの二人が抱える重荷のせい?と思っていたけど、違った。 いったいこの二人はいつまで一緒にいられるんだろう?という不安が、どこか哀しさを感じさせていた。他人なんだもん、ずっと一緒にいられるわけがない。だけどそれってどちらも孤独になっちゃうってこと? 仙台に行くところで全然気づかなかったが、震災の話があるとは。 そこから二人を取り巻く環境が変わっていくことで希望の光が見えていくとは想像もしなかった。特に、綾さん。良かった。 ただ一緒にいることが大事ではないんだな。この二人なら心がつながっているから大丈夫。そして二人でいたからこそ、希望へと繋がっていったんだと思うと感慨深かった。 あとがきで、実際の体験が元になっていたとは二度びっくり。そして法華クラブ。私は京都で泊まったけど、すごく良いホテルだった。スピリットって共通なのかな?(余談でした)
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シリーズの全二作は未読です。これから読む予定。芭子と綾香は育った環境も、世代も違うふたり。その二人の共通点は前科があるということ。 刑期を終えて普通の社会生活を送るために、二人は助け合って暮らしてきた。 仕事もそれぞれ軌道にのってきたある日、芭子は仙台であの大震災にあってしまう...
シリーズの全二作は未読です。これから読む予定。芭子と綾香は育った環境も、世代も違うふたり。その二人の共通点は前科があるということ。 刑期を終えて普通の社会生活を送るために、二人は助け合って暮らしてきた。 仕事もそれぞれ軌道にのってきたある日、芭子は仙台であの大震災にあってしまう。 その描写はやはり実際に被災した人だからこそ書けるリアリティであり、その体験を文章にするには、いくら職業とはいえ、つらいことだったのではないか。 小説でもドラマでも事件が起きて、犯人が判明し、逮捕され真実が暴かれるまでが描かれることが多い。 この作品はその後の刑期を終えた人たちの普通の暮らし、結婚や、親兄弟とのかかわりなど、とても丁寧に表現されていたと思う。
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これまでのストーリーから比べると、ずいぶんと激しい流れになったと感じました。 当然かもしれませんが、前科のある二人がほのぼのと過ごす日常、を描くだけでは終わりませんでした。 芭子と綾香とでは、犯した罪の大きさが根本的に違うということ、そして、やはり、自分にとって大切な人には、自分...
これまでのストーリーから比べると、ずいぶんと激しい流れになったと感じました。 当然かもしれませんが、前科のある二人がほのぼのと過ごす日常、を描くだけでは終わりませんでした。 芭子と綾香とでは、犯した罪の大きさが根本的に違うということ、そして、やはり、自分にとって大切な人には、自分のこと(罪)を隠しては生きていけない、と書かれていました。 罪の違いなんて、殺人だったら刑務所に入る時間が長いんだろうな、程度にしか考えたことがなかったので、奥が深いと思いました。 震災と絡めて書いてあるので、より重みが加わりましたね。
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前作2作がとてもよかったのでこのシリーズは楽しみにしていました。 この作品はドラマにもなった後なので、ドラマのキャストを思い浮かべながら読んでいました。 ドラマとは違った内容になっていましたが、今回の話では、前2作ではあまり触れられることのなかった綾香の心情や、震災を体験し恋もした芭子の気持ちの変化が語られていてそこが良かった。 芭子と南くんには幸せになってほしいな。 作家さんご自身の震災体験が芭子のものとして綴られていたと知り、それであんなにもリアルに書かれていたのだとわかりました。
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ムショ帰りコンビ、芭子と綾香の連作短編第3弾です。 芭子は犬の服を作り、綾香はパン作りに精を出す変わらない毎日。 二人の内面にぐーーーっと寄った本作。 昏睡強盗の芭子と殺人罪の綾香の分かり合えない気持ちの擦れ違いに踏み込んでいます。 そして、訪れた3月11日のあの日。 たまたまその日、偶然、運命。いろいろな言葉が浮かび、罪を背負った二人がその日を境に本当の意味で第一歩を踏み出した。 最後は少しだけ涙。そして笑顔。
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7月-7。4.0点。 前科持ち二人組、結末編。 偶然、仙台で震災に被災した主人公。 大惨事と同時に、仲良しの二人組にも人生を変える変化が。 面白かった。二人の、人間としての成長や綾香の考え方、 犯した罪に対する想いの変化。 乃南さんは、人間の心情を描くのが本当に上手いと、再認識...
7月-7。4.0点。 前科持ち二人組、結末編。 偶然、仙台で震災に被災した主人公。 大惨事と同時に、仲良しの二人組にも人生を変える変化が。 面白かった。二人の、人間としての成長や綾香の考え方、 犯した罪に対する想いの変化。 乃南さんは、人間の心情を描くのが本当に上手いと、再認識。 続編に期待したいが、終わりかな。。。。
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