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いちばん長い夜に の商品レビュー

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75件のお客様レビュー

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    21

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2013/07/10

芭子と綾香の前科持ちシリーズ第三弾、最終章。 途中までは前作までと同じ感覚で読みすすめていたけれど、彼女たちの生活にも震災が起こり、その影響を受け、過去を振り返っていくプロセスは、壮絶なほどに苦しかった。あとがきを読んで納得。 今まで前科持ちのふたりのキャラクターを単なるキャラク...

芭子と綾香の前科持ちシリーズ第三弾、最終章。 途中までは前作までと同じ感覚で読みすすめていたけれど、彼女たちの生活にも震災が起こり、その影響を受け、過去を振り返っていくプロセスは、壮絶なほどに苦しかった。あとがきを読んで納得。 今まで前科持ちのふたりのキャラクターを単なるキャラクターとして読んでしまっていたけれど、やはりそこには想像もつかない深みがあるのだと、あらためて考えさせられてしまう。そして、何よりも救いなのは希望。

Posted byブクログ

2013/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

NHKドラマで興味を持っていたが、見逃してしまい 原作本を手に取ることになった。最終巻の今回は、今までの 谷中に住むつつましく丁寧で、ストイックにさえみえる マエ持ち(前科者)女性二人の暮らしとは、雰囲気が変わってきている。 (今までは食事のシーンや年の離れた女性の友情、そっと応援したくなる温かい雰囲気に好感を持って読んでいた)   東北の震災のエピソードが、後半に突然出てきて この小説の時間の流れは「この今」だったのだ、と 気づかされた。震災の影響が色濃く出ているのは、 シリーズ全体からみると、ストーリーの破たんのようにも 感じられるが、作者の偽らざる気持ちが投影されてるようで 何度も読み返して、共感した。 トリックたっぷりのストーリーも面白い乃南アサさん だが、こういった作品も味わい深いと思った。 巴子ちゃんと綾香さんの続編、また読みたい!!

Posted byブクログ

2013/07/07

前2作はほのぼのとしてたのに、今作は後半ガラッと変わっちゃって・・・まさか実体験とはビックリ。 芭子&綾香に抱いてきたイメージがドラマですっかり変わっちゃって、芭子ちゃーん!って飯島直子の声が聞こえる気がした。 シリーズ終了は淋しいけど、まぁ芭子ちゃんも幸せを掴めそうで、綾さんも...

前2作はほのぼのとしてたのに、今作は後半ガラッと変わっちゃって・・・まさか実体験とはビックリ。 芭子&綾香に抱いてきたイメージがドラマですっかり変わっちゃって、芭子ちゃーん!って飯島直子の声が聞こえる気がした。 シリーズ終了は淋しいけど、まぁ芭子ちゃんも幸せを掴めそうで、綾さんも本当の道を見つけたようで安心。

Posted byブクログ

2013/07/02

「いつか陽のあたる場所で」「すれ違う背中を」に続く、芭子と綾香のストーリー。 あとがきによれば、そろそろこの二人の話も終わりに、と思っていた乃南アサさんが、取材で仙台に向かったのが、3月11日だったそうです。 作品中に出てくる芭子が経験したことは、ほぼ乃南さんが体験したことだ...

「いつか陽のあたる場所で」「すれ違う背中を」に続く、芭子と綾香のストーリー。 あとがきによれば、そろそろこの二人の話も終わりに、と思っていた乃南アサさんが、取材で仙台に向かったのが、3月11日だったそうです。 作品中に出てくる芭子が経験したことは、ほぼ乃南さんが体験したことだそうで、芭子と綾香の気持ちとともに切実に上手く描かれていました。 これまでの2作品よりも深く、綾香の気持ちが描かれていて哀しいほどでしたが、芭子も綾香も。新しい扉を開けて進んでいく日々は、きっと誰にも通じるものなんだろうと。 毎日を大切に生きていきたいと、そう思える1冊です。

Posted byブクログ

2013/07/01

「いつか陽のあたる場所で」「すれ違う背中を」につづく連作短編シリーズ完結編。 まさか、この二人がこういう形でこのシリーズの完結を迎えるとは。 最後は温かい涙があふれて止まらなかった。 2、3年後の二人の姿を読んでみたい。 そう思わせてくれるラストだった。 シリーズ3作まとめてお薦...

「いつか陽のあたる場所で」「すれ違う背中を」につづく連作短編シリーズ完結編。 まさか、この二人がこういう形でこのシリーズの完結を迎えるとは。 最後は温かい涙があふれて止まらなかった。 2、3年後の二人の姿を読んでみたい。 そう思わせてくれるラストだった。 シリーズ3作まとめてお薦め!

Posted byブクログ

2013/07/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下町の風景が浮かんでくる作品…のイメージがあったが、 今回は違っていた。 3.11を境に家族のように過ごしていた二人は お互いの道を歩き出す。 3.11の話は著者の体験談であり、言葉にできない迫力を感じた。 いつかは違う道を選ぶ二人もあるだろうなと思ったが この形できたか…と納得いったような納得できないような… 要は私は下町にひっそりと暮らす、二人の日常が好きだったんだな とわかったので、物語は読みごたえがあったけど 星3つにさせていただきました。

Posted byブクログ

2013/06/19

この物語は本来なら安定した空気感の中で静かに完結したのだろうけど、3.11という凄まじい現実が否応なく流れを変えている。実際にあの出来事によって人生を大きく変えられた人も多いのだから、当然といえば当然なのかもしれないが。 ただ、3.11の描写は、正直まだ心穏やかに読むことができな...

この物語は本来なら安定した空気感の中で静かに完結したのだろうけど、3.11という凄まじい現実が否応なく流れを変えている。実際にあの出来事によって人生を大きく変えられた人も多いのだから、当然といえば当然なのかもしれないが。 ただ、3.11の描写は、正直まだ心穏やかに読むことができない。まして柴田よしきのような巧みな作家の文章では・・・。前科持ちという生きにくさがこの物語の舞台だが、3.11を前にすると、ささいなことに思えるから不思議だ。

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2013/05/19

ドラマと全く違った流れで驚いた。 3.11がなかったら、全く違うストーリになってたのでしょうか。 実体験とは驚きました。

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2013/05/18

以前読んだ作品の続編ということで、手に取った。 震災の場面からの急展開は、それまでのストーリーから突然飛躍し過ぎてかなりの違和感があったが、作者が偶然震災当日に東北にいたとあとがきで読み、納得。 結末は、その経験の重みに流された感があるが、書かずにはいらない強烈な体験だったという...

以前読んだ作品の続編ということで、手に取った。 震災の場面からの急展開は、それまでのストーリーから突然飛躍し過ぎてかなりの違和感があったが、作者が偶然震災当日に東北にいたとあとがきで読み、納得。 結末は、その経験の重みに流された感があるが、書かずにはいらない強烈な体験だったということか。インパクトもあり、思い入れはわかるが、作品としては疑問が残る。 最近テレビでドラマ化したようだが、そちらは興味なし。

Posted byブクログ

2013/05/13

#読了。芭子&綾香シリーズ第3弾。前科持ちの二人は、当たり前の穏やかな生活を幸せなこととして、まっすぐに生きていこうとする。仲の良い二人にも、過去に起こしてしまったこと、起きてしまったことに対しての考え方もそれぞれに。そして、あの日から・・・偶然とは恐ろしいものでありなが...

#読了。芭子&綾香シリーズ第3弾。前科持ちの二人は、当たり前の穏やかな生活を幸せなこととして、まっすぐに生きていこうとする。仲の良い二人にも、過去に起こしてしまったこと、起きてしまったことに対しての考え方もそれぞれに。そして、あの日から・・・偶然とは恐ろしいものでありながらも、乃南さんの描写により、二人の考えに影響を与えたことはもちろん、震災自体の話も重くのしかかる。しかしながら、好きなシリーズだったのでこれで完結というのも残念。

Posted byブクログ