ことばの発達の謎を解く の商品レビュー
人は生まれたときから辞書を引きながら言葉を獲得するわけではなく, 生活の中で言葉を獲得していくのですが, そのプロセスがよくわかる本です。 私には,ちょうど幼稚園に入るころも子供がいるので, 「なるほど,そう覚えたのか」 という体験も相まって, 楽しく読めました。
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子どもがどのようにして言葉を習得していくのかについて、実証実験と共に紐解いていく。 子どもはお腹の中にいる段階からリズムやイントネーションを通じて言葉のパターンを学んでいく。そこから名詞を習得する。それもまずはざっくりと似たものを分類しながら学んでいく。その後に動詞や形容詞を自分...
子どもがどのようにして言葉を習得していくのかについて、実証実験と共に紐解いていく。 子どもはお腹の中にいる段階からリズムやイントネーションを通じて言葉のパターンを学んでいく。そこから名詞を習得する。それもまずはざっくりと似たものを分類しながら学んでいく。その後に動詞や形容詞を自分で導き出したパターンをもって習得する。繰り返し学びながらパターンを高度化するという点では機械学習と同じだが、人間は言葉のシステムそのものを少ない単語数から推論しては繰り返し修正し構築していく点が大きく異なる。
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最近、連続5つ星が続いているが、この本も本当に面白い。 子どもがどのように「ことば」を覚えていくのか、論理的・科学的に説明されていた。 生まれたばかりの赤ちゃんはまず名詞から覚える。 名刺と言ってもコップや机などの形のあるものが一番覚えやすいそうだ。 水や空気などの不可算名詞や...
最近、連続5つ星が続いているが、この本も本当に面白い。 子どもがどのように「ことば」を覚えていくのか、論理的・科学的に説明されていた。 生まれたばかりの赤ちゃんはまず名詞から覚える。 名刺と言ってもコップや机などの形のあるものが一番覚えやすいそうだ。 水や空気などの不可算名詞や目に見えないもの、固有名詞などはその後になる。 そして、ある程度名詞を覚えだすと、動詞や形容詞に進んでいく。 このように簡単に言うけれど、一つ一つのことばを覚えるのはめちゃくちゃ難しい。 例えば「赤」といっても、薄いピンクよりの赤〜濃い茶色よりの赤まで様々でグラデーションんがあるし、「コップ」といってもガラス製や陶器製、取手のついているものやついていないもの様々あるもの全てがコップだ。 そんな曖昧な世界をある一つの「ことば」で切り取る作業が言語の習得なのだ。 ある具体的事象のことばを覚えたとしても、それが他の場合に使えるかはわからない。だから、覚えた言葉を実際に使ってみて、合っているか間違っているか試していく。そして試しながら修正していくのだ。 そういったアナロジーを試しては正解を探していく。トライアンドエラーの精神に似た作業を赤ちゃんのときからひたすら繰り替えてしているのだそうだ。 この言語習得の過程は科学の探究に似ていると著者は書いていたが、僕自身もまさにその通りだと感じた。 言葉や概念がない世界に言葉という武器をもって意識できるように変えていく。 この行為をわれわれ人間は小さい頃からずっと繰り返してきたはずだから、自らの思い込みで自分には科学が向いていないだとか思わずに、どんどん新しく思いついたことを試して失敗すればいいのだろう。 まだまだ、書きたらないことが多いので続きはnoteに書くことにする。
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はじめに 第1章 アラミルクガホシイノネ――単語の発見 第2章 ヘレン・ケラーのwater事件――ことばの世界の扉を開ける 第3章 歯で唇をフム――動詞の意味の推測 第4章 血圧がヤスイ――モノの性質、色、位置関係の名前の学習 第5章 ことばの発達の謎を解く――発見、創造、修正 ...
はじめに 第1章 アラミルクガホシイノネ――単語の発見 第2章 ヘレン・ケラーのwater事件――ことばの世界の扉を開ける 第3章 歯で唇をフム――動詞の意味の推測 第4章 血圧がヤスイ――モノの性質、色、位置関係の名前の学習 第5章 ことばの発達の謎を解く――発見、創造、修正 第6章 言語が思考をつくる 終 章 読者のみなさんへのメッセージ 2章で名詞→3章で動詞→4章で形容詞。 んでその前後でシステムという観念の獲得と修正。 目新しい話ではないが、きれいに整理されている。 ちょうど2歳終盤の子供を見ていて、思い当る節が大有りで、そのへんも面白い。
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丁寧な実験を重ねて、ことばがどのように発達して行くかを解明しており、興味深い。特に、自分の子供の面白い発言など、ちゃんと故あってのことなんだな、と納得。また、ことばの発達が思考を形成していくあたりも面白かった。哲学が、ことばの定義から入る理由がよくわかります。ことばの意味するとこ...
丁寧な実験を重ねて、ことばがどのように発達して行くかを解明しており、興味深い。特に、自分の子供の面白い発言など、ちゃんと故あってのことなんだな、と納得。また、ことばの発達が思考を形成していくあたりも面白かった。哲学が、ことばの定義から入る理由がよくわかります。ことばの意味するところを共通認識できるかどうかがコミュニケーションにおいてはすごく大事。 でも、ではどうして言葉ができたのか、とか、皆がその名前で呼び始めたのは何故か、とかが気になってきた。でもそれはこの本が扱う範囲ではないんだな。 興味は尽きない。
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☆☆☆☆☆私がこの本を手にしたのは、子どもを見ているときにふと閃いた「人間が言葉を獲得していく過程は人間の観念の世界を拡張していく姿のようだ」と思ったことがきっかけだった。 自分が言葉を身につけてきた記憶はどうにも辿ることはできないが、子どもや孫たちのことばを身につける姿には何...
☆☆☆☆☆私がこの本を手にしたのは、子どもを見ているときにふと閃いた「人間が言葉を獲得していく過程は人間の観念の世界を拡張していく姿のようだ」と思ったことがきっかけだった。 自分が言葉を身につけてきた記憶はどうにも辿ることはできないが、子どもや孫たちのことばを身につける姿には何か不思議なモノを感じさせられていた。 「彼等は何のために、何に向かってことばを身につけていこうとしているのだろうか?」という疑問だ。 そう思った時に、この言葉の獲得の過程をもっと理論立てて知ることから始めてみようと思い、この本にたどり着いた次第です。 初めは『ことばを覚えるしくみ』を読んで見たが具体的過ぎて、学問をしているような感じだったので、その本でも勧められていたこの本を読んでみることにしました。 子どもの成長段階の各ステージで、必ず発する誤ったことばの使用を、楽しみながら「今、彼等には何が起きているのだろうか?」彼らの見つめている世界を覗くと、そこには人間の完成形に近づこうとするモガキみたいなものが感じられた。 本当に幼児期の成長の各段階、そして、“名前”や“固有名詞”、“動詞”などの具体的で視覚で捉えられる初期に覚えることばや、“形容詞”や“数字”などの抽象概念を要求されることばにわけて、どうやってことばの獲得に子どもたちが奮闘していくのかをよく描かれている。 子どもはことばを獲得していく過程で様々なエラーを犯しながら膨大なことばの世界を消去法で、ひとつひとつ潰していく。彼らはひとつのことばを獲得する過程で、そのひとつのことばを覚えるにとどまらず、その背景にあることばのシステムの全体に少しづつ近づこうとしている。 そして、一番印象的だったのは、最終章 「ことばが新たな概念を生む」 というタイトルの章では、私が期待していたことを 今井むつみ先生が語っていたこと。 ことばを覚えていくしくみと、物事を思考して何かを発見する姿勢の共通性を述べた部分 〜〜大事なことは、よく理解されている現象とまだ仕組みが分かっていない現象を対応づける時には、二つの現象の間の表面上の類似性(見た目の類似性など)ではなく、要素の間の「関係の類似性」を当てはめるということです。 二つの現象をそれぞれシステムとして考え、そのシステムを構成している要素そのものの共通性ではなく、要素どうしの類似性をそぎ落とした要素間の関係性の類似性、つまり二つのシステムの間の構造の共通性を考えるわけです。〜〜 “ことばの発達の謎”は“人類の存在の謎”を垣間見せてくれるものなんだなぁ。 なんか、迷宮へ入り込んだ様な感覚だ。 2016/12/23
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本はタイトルの通り、幼児に対する実験からどのように言葉を発達させていくかを記したものである。著者の専門が認知科学であるため、世に溢れている主観だけの教育本とは一線を画している。 言葉の発達の謎を解いていくと、私たちに有益な教育方法を示唆してくれる。 例を見てみよう。「走る」という動詞がある。こどもがこの動詞のつづりを覚え、意味を覚えれば、その言葉を理解し使えるようになるだろうか?そうはならないのである。 言葉を覚えるときにはいろんな要素がある。幼児が母国語を覚えるときには、発音・文型を捉え、「走る」だったら「歩く」との違い、犬が走るのと人間が走るのはなぜ同じなのかなどを、分析しながら使いそして修正していく。そしてやっと、「走る」という単語が理解できて使えるようになるのだ。 それでは私たちが苦労していることばの代表である、英単語を学ぶ際にはどうすればばいいのだろうか?一番良いのは1日じゅう英語を聞いてしゃべることである。がそんなことはできない。 そこで私たちは、英単語を覚える際には、しっかりした発音、意味、文型、例文、対義語、そのときの場面を思い浮かべるなど様々な要素を意識して取り組りくむことが必要だ。当たり前すぎて落胆するだろうか。それほどことばの習得とは地道な作業なのである。 幼児はことばを数えきれないほどのトライアンドエラーを通して身につけていく。私は年を重ねてエラーが怖くなっているように思う。成長したいならば失敗を恐れずに取り組んでいかければならないのだ。
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本当に興味深く面白い一冊! もうすぐ2歳になる子供がちょうど言葉を覚え始めていて、どのように言語を習得していっているのか興味があり、選んだ一冊でした。子供が言葉を習得する過程を知ることができただけでなく、言語というものがどれほど奥深いものかを改めて知ることができました。普段何気無...
本当に興味深く面白い一冊! もうすぐ2歳になる子供がちょうど言葉を覚え始めていて、どのように言語を習得していっているのか興味があり、選んだ一冊でした。子供が言葉を習得する過程を知ることができただけでなく、言語というものがどれほど奥深いものかを改めて知ることができました。普段何気無く使っている言葉ですが、それがどれほど複雑で、獲得するのが難しいのか。それなのに子供は自分で考えながら習得していってしまうなんて、ほんとに天才だなと感じてしまう。 この本を読んで、子供の言語獲得のことだけでなく、大人になってからの第二外国語の習得がどうしてこんなにも難しいのかも、さらに理解できました。 子供がいるいないに関わらず、ぜひ読んでみてほしいな思う一冊です!
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著者の今井むつみさんは、慶応大学の先生。認知科学、特に言語認知発達、言語心理学などを専門とされているらしい。 http://cogpsy.sfc.keio.ac.jp/imailab/publications/books/ 「言語」「認識」は自分の興味のあるテーマなので、今後、...
著者の今井むつみさんは、慶応大学の先生。認知科学、特に言語認知発達、言語心理学などを専門とされているらしい。 http://cogpsy.sfc.keio.ac.jp/imailab/publications/books/ 「言語」「認識」は自分の興味のあるテーマなので、今後、認知科学や言語心理学についてはフォロー分野にしないといけないな。 今井先生は、「子供はどういう風に言葉を学習していくのか?」ということを切り口に「言葉の発達の謎」に迫る。いろいろな子供たちの事例を解析することで、どうやって言葉を獲得していくのかを解析する。 目次を見ると、この分野の先端性がよく分かると思う。ボクが興味が惹かれた3つは次の目次。 ・ヘレンケラーの話 ・システムの中の「似ている」を発見する ・ことばが作る「同じ」という概念、科学的発見と「関係のアナロジー」 ヘレンケラーの話しは漠然と知っていたけど、「言葉」というものを理解するための大切なエピソードだということが分かった。 この本は、ときどき読み返さないといけないと思った本。
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