夜行観覧車 の商品レビュー
[あらすじ] 海辺の街から坂を上ったところにある高級住宅街のひばりヶ丘。 その中でも大きな家に住む医師の家庭で起きた家庭内殺人事件。 医師の父親に美しく優しい母親、 長男は大学の医学部に進み、妹と弟は地元の名門私立に通うという、 絵に描いたようなエリート一家にいったい何が起きたの...
[あらすじ] 海辺の街から坂を上ったところにある高級住宅街のひばりヶ丘。 その中でも大きな家に住む医師の家庭で起きた家庭内殺人事件。 医師の父親に美しく優しい母親、 長男は大学の医学部に進み、妹と弟は地元の名門私立に通うという、 絵に描いたようなエリート一家にいったい何が起きたのか? 癇癪を起こして暴れる娘を持つ向かいの家族、 海外赴任をしている息子夫婦から距離を置かれる昔からの住人、 そして事件当事者として好奇の目で見られてしまう子どもたち。 それぞれの家族からのそれぞれの視点によって、 事件の動機と真相が徐々に明らかになってくる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この物語は家庭内殺人事件というセンセーショナルな事件が発端となりながらも、 血なまぐさい描写も無く事件自体は淡々と描かれ通り過ぎていきます。 逆に近隣家族のすさんだ家庭内の様子や友人関係のことなど、 事件周辺で関わっている人々の生活や心の葛藤などが読者の目を惹きます。 エリート一家で起こった家庭内殺人事件を縦軸として、 向かいの家に住む主婦、夫、娘の視点、 昔から高級住宅街に住んでいる老婦人の視点、 事件当事者となった子ども達の視点から徐々に色々なことが分かってきます。 事件の真相はどうだったのかということもさることながら、 日常の中に潜む怖さや善悪のあいまいな境目など、 人の心の中に棲む正義と悪とが徐々に表に現れては消えていきます。 湊さかえさんの作品では「告白」など人の内面を綴った傑作が多数ありますが、 今回の作品でも様々な人の視点から見ることによって、 物事の本質はひとつではないんだということをひしひしと感じました。 お金や物に恵まれていることが幸せではないんだということを感じながらも、 そんな言い古された言葉では表しきれない本当の幸せを考えさせられる。 そんな作品でありながらも、 読後にはホッとするような安心感が胸に漂う一冊でした。 湊かなえさんの作品を手に取ると一気に読み進めてしまいますが、 今回もそんな素晴らしい作品でした。 秋の夜長にかなりオススメですよ。
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つまらないという程でもないし、かといって面白いわけでもないし、現代社会を表してると言えなくもないけど、でもリアルだとはっきり思えるほどでもない。ただ、もう一回読もうという意欲は全然わかない。
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ブッククラブ10月の課題本。登場人物がみんな怖い。 もっと気楽に楽しく生きられないの? 気楽に楽しく生きている人の悩み事の部分をピックアップして強調して書いただけだと思いたい。じゃないと人生辛すぎでしょ、みんな。
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ドラマを先に見ている。 私はドラマの方が好きかな。 最後まで登場人物たちの心が、交わらない印象を受けた。 結局みんな自分のことしか考えていないというか。 みんなそれぞれにいろいろ抱えているのかもしれないけど、それを差し引いても、みんなただの嫌なやつだ。 あまり救われない。 そ...
ドラマを先に見ている。 私はドラマの方が好きかな。 最後まで登場人物たちの心が、交わらない印象を受けた。 結局みんな自分のことしか考えていないというか。 みんなそれぞれにいろいろ抱えているのかもしれないけど、それを差し引いても、みんなただの嫌なやつだ。 あまり救われない。 その点ドラマのほうが、綺麗に(すぎるとしても)まとめられていて好感がもてた。
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ドラマ最終回だけ見ちゃったから結末は知ってたけど、 それを差し引いてもイライラするばっかりであんまり楽しくなかった。 誰一人善い人がいない。 見栄、劣等感、嫉妬、狂気…。 みんな自分のことばっかり考えて。 表現は大げさだったけど、結局世の中ってそんなもんなのかなって 思わされる...
ドラマ最終回だけ見ちゃったから結末は知ってたけど、 それを差し引いてもイライラするばっかりであんまり楽しくなかった。 誰一人善い人がいない。 見栄、劣等感、嫉妬、狂気…。 みんな自分のことばっかり考えて。 表現は大げさだったけど、結局世の中ってそんなもんなのかなって 思わされるところにこの小説の怖さがあった。 当たり前やけど、ある人から見てまともな人も、違う側面があったり… 『家族』ってむつかしい。 選べないし逃げられないし求めてしまう。 身近だからこそ問題を抱えやすい。
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奥トレで交換してもらった1冊。「家族」がテーマということだったけれど、後味はあまりよくない話でした。 読んでて難しいなと思ったのは、自分で決めることができない、何かをするときに周りに流されてしまうとやっぱり厳しい時は無理がくるよな、っていうところ。家族や地域の思惑がその人らしさよ...
奥トレで交換してもらった1冊。「家族」がテーマということだったけれど、後味はあまりよくない話でした。 読んでて難しいなと思ったのは、自分で決めることができない、何かをするときに周りに流されてしまうとやっぱり厳しい時は無理がくるよな、っていうところ。家族や地域の思惑がその人らしさよりも優先されてしまって、やりたくもない、苦手にしてる土俵でがんばってみても、やっぱり不自然だし結果は伴わない。それはまた悪循環を生んでしまう。 基本的に世間や相手の評価への怖さが行動や評価の基準になっていて、相手への愛情を動機に動いた登場人物が少ない物語だったように感じました。世間ってそんなもんなのかな。
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殺人など、人の理解しがたい行動は日ごろの何気ない言動や考えに端を発しているとしみじみ思わせる、そんな心の奥深い描写を描いていて上手い。上手すぎて登場人物に凄く憤慨している自分‥。 結局殺人の同機は想像の世界だが、日頃のストレスか鬱積し爆発するととんでもないことが起こると納得、良好...
殺人など、人の理解しがたい行動は日ごろの何気ない言動や考えに端を発しているとしみじみ思わせる、そんな心の奥深い描写を描いていて上手い。上手すぎて登場人物に凄く憤慨している自分‥。 結局殺人の同機は想像の世界だが、日頃のストレスか鬱積し爆発するととんでもないことが起こると納得、良好な人間関係には日頃からの対話が必要なんだなと教えられる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ミステリーかと思ったらそうではなかった。善人そうで悪意があったり、それでいて救いがあったり。頼りなさそうな父親のセリフ「・・・ひばりヶ丘がイヤでも、この家が気に入らなくても、三人でいることに腹が立っても、ここに帰ってくるしかないんだ。でも、今日の、この最悪な状態で、ここに三人が揃っているってことは、この先もどうにかやっていけるってことじゃないのか」心に残った。
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殺人事件モノなのでラストで意外な真相が明かされる…のかと思ったけど、これはミステリー作品ではなくて家族の群動劇ですね。なのでトリックの類はありません。 登場人物すべてに問題(欠点)があり「まともな人物」は一人も出てきません。もともと社会において「まともな人物」なんて存在しないこと...
殺人事件モノなのでラストで意外な真相が明かされる…のかと思ったけど、これはミステリー作品ではなくて家族の群動劇ですね。なのでトリックの類はありません。 登場人物すべてに問題(欠点)があり「まともな人物」は一人も出てきません。もともと社会において「まともな人物」なんて存在しないことを突き付けている作品ですが、世代間ギャップにしろ、経済的な優劣にしろ、容姿等のコンプレックスにしろ、みんな何かしろのストレスを抱えながら生きているんですよね。怪我の功名というか雨降って地固まるというか…まぁそんなお話。
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彩花がほんとにうざかった。それぞれの視点で描かれているから、自分以外の視点でみたら、きっとそう思われているのかもしれないと思うと、自分の行動を見直さないとなと思った。
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