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下流の宴 の商品レビュー

3.9

104件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2020/07/12

この小説では、2つの世界が交互に描かれる。 1つが「福原家」。自称、中流家庭。教育ママの由美子を中心にして、ちょっとズレたところがある人たち。貧困層に対して「あの人たちは私たちとは違う」などと発言したり、とんでもない言説がまかり通っている。 そしてもう1つが「宮城家」。沖縄の...

この小説では、2つの世界が交互に描かれる。 1つが「福原家」。自称、中流家庭。教育ママの由美子を中心にして、ちょっとズレたところがある人たち。貧困層に対して「あの人たちは私たちとは違う」などと発言したり、とんでもない言説がまかり通っている。 そしてもう1つが「宮城家」。沖縄の離島にルーツを持つ一族。いわゆる「温かい人たち」的な描かれ方。 福原家の長男である「翔」は高校を中退してフリーターをしていた。親との喧嘩で家を飛び出した彼は、宮城家の長女である「珠緒」と交際をスタートして同棲を始める。 珠緒はまぁ善人で努力家なのだけど、由美子からの評価は散々なもの。由美子は自分たちの祖先は医者であり、特別なのだと力説。珠緒のような女性が翔と同棲し、あまつさえ結婚しようなどとは笑止千万。そんな態度。 それに対して、珠緒は「自分も医者になる」と啖呵を切る。 そんなストーリー。当然、福原家が悪、宮城家が善のような描き方がされる。やや露骨すぎる描写が多いものの、そのデフォルメ化は勧善懲悪としてはまぁアリかな。 夢中になって500ページを一気に読んでしまった。 (ネタバレを含む書評全文に関しては、書評ブログの方を宜しくお願いします) https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E5%A6%84%E4%BF%A1%E3%81%93%E3%81%9D%E8%B2%A7%E5%9B%B0_%E4%B8%8B%E6%B5%81%E3%81%AE%E5%AE%B4_%E6%9E%97%E7%9C%9F%E7%90%86%E5%AD%90

Posted byブクログ

2020/06/13

相変わらず達者な筆さばきで一気読み 「人間を目利きする視線を描かせたら、林真理子の右に出る者はいない」 と桐野夏生さんがこの本の解説、中流の本質をついた作品だということである ストーリーは 中流家庭の一姫二太郎4人家族 建売だが一軒家を持ち 夫は高学歴一流会社勤め、主婦も国...

相変わらず達者な筆さばきで一気読み 「人間を目利きする視線を描かせたら、林真理子の右に出る者はいない」 と桐野夏生さんがこの本の解説、中流の本質をついた作品だということである ストーリーは 中流家庭の一姫二太郎4人家族 建売だが一軒家を持ち 夫は高学歴一流会社勤め、主婦も国大卒でお医者の娘だったプライドあり カルチャーセンターで趣味を満喫しながら、子育ても手を抜かなかったのに 息子が高校中退、つまり中卒でフリーターになってしまい うまく育ったと思った姉娘も親の望み以上に「上流好み」 あげくに息子は年上フリーター娘と結婚したいと言い出すので 「ああ、うちが下流に落ちてしまう」のでは... ま、ものがたりは矢継ぎ早に展開して息もつかせないおもしろさである しかしなぁ、この息子のフリーター生活嗜好はどーいうことか もしこんなひとがほんとうに増えているとしたら暗澹たる気持ち 下流とはなんぞや 基準にするのは金の高だろうか 幸せ度に関係してくるのか 気骨のありなしということなのか 下流とはほどほど生活ということなのか かつかつの生活が出来るだけ、または足りればいいと そこそこの賃金しか得ないでだらだらしている 上昇志向を望まず頑張らないのが好きなのである 貧すれば鈍する、こころが下流になるのであろうか 現状、居心地が良ければいいという考え 気楽な幸せ度で測る人生 若いうちはいい、親がいるうちはまだいい 最終的に貯金なんか出来てないから 病気&老齢になったら公的保護になるだろう いえ、もうなれないだろうに(この国の財政破たんしているよ) どーするの!!

Posted byブクログ

2020/01/22

こういう考え方かなりすずはあるよね この本に出てくる人と全くおんなじってわけじゃないんだけど、エリート意識っていうか良家のみたいな家柄みたいなのは気にして生きてきた。特に幼稚園から小5くらいまで。

Posted byブクログ

2019/05/21

以前、NHKのドラマで見てわりと面白かった記憶があって読んでみました。結末は忘れていたので楽しく読めた。 エンターテインメント性があって気軽にぐいぐい読めて面白い。とある中流家庭の息子が高校を中退してフリーターになり、同じくフリーター娘・珠緒と結婚したいと言い出したことで、この家...

以前、NHKのドラマで見てわりと面白かった記憶があって読んでみました。結末は忘れていたので楽しく読めた。 エンターテインメント性があって気軽にぐいぐい読めて面白い。とある中流家庭の息子が高校を中退してフリーターになり、同じくフリーター娘・珠緒と結婚したいと言い出したことで、この家庭の主婦・由美子は「うちが下流に落ちてしまう」と危機感を募らせ、結婚を阻止しようと決意するところから始まる物語。見下された珠緒は一念発起して医者と目指すと宣言。物語は由美子と珠緒の視点から描かれる。由美子の偏見はひどいなと思いつつ、わからなくはない。「住む世界が違う」なんてことは普通は口にしないけど、誰もがどこかで思っているんじゃないかな。すみ分けてあると思う。超上流階級は別世界だけど、下のクラスとは違うという自負。当たり前と思っていたことが崩れていく由美子の恐怖と焦りはわからなくはない。それにしても、この家の息子・翔のあまりの向上心のなさと無気力にあきれ、娘・可奈の見栄っ張りと計算高さには不快感を抱いた。それに比べて珠緒の潔さにすがすがしいものを感じました。ものを知らなかったかった故のまっすぐさ、一所懸命さ。最後は珠緒の一人勝ちだったような。ちょっとスカッとしました。福原家の人々はこのまま変われないんだろうなぁ…

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2018/11/19

リアル! さすが林真理子、女のドロドロした感情を書かせたら天下一品。 中だるみする部分もあったけど、ラストにかけての展開は鳥肌。おもしろかった!

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2017/08/29

星3.5かなぁ。 前にドラマで見ていて あんまり好きじゃなかったから なんとなく読む気になれなくてずっと放って置いたけど やっと読みました。 ドラマ見たときも思ったけど 話はきっと面白いと思うんだけど 誰にも感情移入できなくて あんまり引き込まれなかったかなぁ。 ドラマでも小説で...

星3.5かなぁ。 前にドラマで見ていて あんまり好きじゃなかったから なんとなく読む気になれなくてずっと放って置いたけど やっと読みました。 ドラマ見たときも思ったけど 話はきっと面白いと思うんだけど 誰にも感情移入できなくて あんまり引き込まれなかったかなぁ。 ドラマでも小説でも 唯一好きと思えるのは珠緒のお母さん。ところどころに出てくるこのお母さんの言ってることは ほんと的確 笑。

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2017/06/04

中の下が日本人が目指す平均値という中流意識の 時代から、色んな価値観の世代が産まれてきてることを面白く読みました。常識の観念も変わっていくのだろうなぁ。。。

Posted byブクログ

2017/04/10

バブル経済崩壊以降、急激に変わる現代社会。そして、ますます広がる格差社会。一方で、世代間の意識・価値観の格差も。とはいえ、少なからず日本のどこでも誰もが潜在的にもちうる「上流」「中流」「下流」の意識。そんな現代おける「中流」の本質がストレートに描かれている。

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2017/03/27

誰でも無意識に心のどこかで比較しているのかもしれない。 誰かと比較して安心したり悔しがったり、そんなくだらないことが何よりも大切な人たちだっている。 由美子は自分の家庭が中流だと信じている。 とりあえず自分の家はあり、そこそこ満足のできる生活をしている。 長男・翔の子育てには失敗...

誰でも無意識に心のどこかで比較しているのかもしれない。 誰かと比較して安心したり悔しがったり、そんなくだらないことが何よりも大切な人たちだっている。 由美子は自分の家庭が中流だと信じている。 とりあえず自分の家はあり、そこそこ満足のできる生活をしている。 長男・翔の子育てには失敗してしまったかもしれないが、由美子は諦めてはいない。 いつか翔も一人前の人間として目覚めるときがくると信じている。 定職にもつかずにアルバイト暮らしを続ける翔が突然結婚すると宣言した。 相手は同じようにその日暮らしのアルバイトをしている珠緒。 母親として由美子にも息子の結婚に夢があったのは何となく理解できる。 でも、結局は当人同士のことなのにどうしてあんなにもムキになって反対したのだろう。 別に親の同意がなくても結婚はできるのだし、報告しただけマシなような気もするのだけれど。 由美子には由美子の人生があったように、翔にも翔の人生がある。 将来どんなに困ってもそれも翔の人生で、彼自身が納得しているのなら仕方ない…と思うのは親の気持ちを知らなすぎるだろうか。 珠緒の頑張りには驚かされた。 由美子を見返してやりたい!という気持ちがあったとはいえ、受験に向かって必死に勉強する珠緒はすごい。 そんな珠緒を翔はどんな気持ちで毎日見ていたのだろう。 由美子のキャラクターもかなり強烈だけれど、最後まで読むともっと強烈なキャラがいることに気づく。 母親である由美子からしたら地団駄踏むほどふがいない息子だろうけれど、何があっても自分を曲げない翔はある意味突き抜けた存在だ。 ラストで交わされる翔と珠緒の会話は、何となく納得できるものもあった。

Posted byブクログ

2017/01/20

翔の無気力 覇気のなさ お金に意味を感じない、 努力を強要されると息苦しい、 頑張ってることは すごいと思うけど 自分はやりたくない などの言い分が痛い。 由美子が 翔にあの手この手で 上を目指させるところに 笑えない苦労を感じます 段々 どっちがいいのか わからなくなるな

Posted byブクログ