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球体の蛇 の商品レビュー

3.6

144件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    55

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    2

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2022/03/01

オススメ! グイグイ読ませる、真相が知りたくてページを捲る手が止まらなかった。道尾先生、さすがです! 嘘は悪いのか? 誤魔化す嘘、保身の嘘、策略の嘘、相手を想いやる嘘。 家庭事情で中学〜高校時代を隣人宅で暮らすことになったトモ。トモの回想から始まる話は、隣人宅の姉妹、サヨとナ...

オススメ! グイグイ読ませる、真相が知りたくてページを捲る手が止まらなかった。道尾先生、さすがです! 嘘は悪いのか? 誤魔化す嘘、保身の嘘、策略の嘘、相手を想いやる嘘。 家庭事情で中学〜高校時代を隣人宅で暮らすことになったトモ。トモの回想から始まる話は、隣人宅の姉妹、サヨとナオ、父親の乙太郎一家を襲った悲劇が根幹。 「人は自分だけの物語を生きている」これは『向日葵の咲かない夏』でも感じた作者からのメッセージ。 不気味なスノードームの球体、『星の王子様』のアイテムもスパイスとして効いている。読了感はなぜか良い(^^)

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2022/02/25

切なくて、読み進めるのが辛かったお話でした。 ミステリアスな終わり方だったけど、惹きつけられる感じはしなかったかな…

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2021/11/07

言わなかったことや些細な嘘、それが今現在最善だと思ってしたことが、望まぬ展開を導いていくのを目の当たりにして、読みながらずっと重苦しさが腹の底に貯まっていく。でも、多分その重さの差はあれど、皆そんな経験している。 後悔して諦めて、でも前を向いて生きていくしかないんだよね。それが自...

言わなかったことや些細な嘘、それが今現在最善だと思ってしたことが、望まぬ展開を導いていくのを目の当たりにして、読みながらずっと重苦しさが腹の底に貯まっていく。でも、多分その重さの差はあれど、皆そんな経験している。 後悔して諦めて、でも前を向いて生きていくしかないんだよね。それが自分が選択した結果なのだから。 読み終わったあと、なんともやりきれないため息が出そうになった。

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2021/05/09

結局、何が真実なのかあやふやで、読み手に想像させるようなラスト。はっきりしないことで、読んだ後の余韻が残る内容。主人公の心情の変化か分かりやすく表現されていて、重い内容の雰囲気がどんよりと伝わってきたが面白い作品でした。

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2021/03/14

例によって道尾秀介である。 友彦は両親の離婚により、隣の橋塚家に居候していた。主人の乙太郎さんと娘のナオ。 奥さんと姉娘サヨは7年前、キャンプ場の火事が原因で亡くなっていた。 友彦はサヨの死に深く関わっているのだが、それは誰にも言えずにいた。 ある日、乙太郎さんの手伝いとして白...

例によって道尾秀介である。 友彦は両親の離婚により、隣の橋塚家に居候していた。主人の乙太郎さんと娘のナオ。 奥さんと姉娘サヨは7年前、キャンプ場の火事が原因で亡くなっていた。 友彦はサヨの死に深く関わっているのだが、それは誰にも言えずにいた。 ある日、乙太郎さんの手伝いとして白蟻駆除に行った屋敷で、死んだサヨに雰囲気が似た女性に出会う。 彼女に強く惹かれた友彦は。。。 今までの道尾作品とは違い、どんでん返しや伏線回収はほとんどなし。 あるにはあるが、それがメインではない感じ。 どこは重く、切なく、なのに読後感は悪くないという、不思議な作品である。 冷静に考えると主人公の友彦の行動はとんでもない気がするが、 多感な時期である事を思えば、まぁアリかな、と。 乙太郎さんもただの善人じゃなく、唯一の善人はナオなのか。 物語のラスト近くで友彦に語った2つの内容は、 嘘かもしれないがそれでもナオの善人さが出ている気がする。 恐ろしいのはサヨであろうか。乙太郎さんと逸子さんはいい人っぽいのだが、 なぜあんな怖い娘になったのか、不思議である。 智子に関しては何ともいえない。 あまりにも「妖艶で不思議な空気を纏った悲劇のヒロイン」感が強すぎて ちょっと感情移入できない人である。 少し気になるのは、余りにも偶然が過ぎるところか。 智子が捨てたタバコが原因というのが本当だとすると。 この作者の作品が読みたい、という人にはあまりお勧めしないが、 単品で読む分にはおススメ。

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2021/01/23

若さ故の過ちと言えど決して取り返すことのできない過ちを犯したと後悔する友彦、そして痛みを抱えたまま人生を過ごす人達。 人であるが故の悲しさの様な物がひしひしと伝わって来て乙太郎の死には泣かされました。 サヨ、智子も怖さを潜んでいたけれどもしかして本当に怖いのは始終、優しさを...

若さ故の過ちと言えど決して取り返すことのできない過ちを犯したと後悔する友彦、そして痛みを抱えたまま人生を過ごす人達。 人であるが故の悲しさの様な物がひしひしと伝わって来て乙太郎の死には泣かされました。 サヨ、智子も怖さを潜んでいたけれどもしかして本当に怖いのは始終、優しさを携えていたナオだったのかもしれない…。 それがたとえ他人を想う為の嘘だったとしても。 「女って、1つじゃないのね」 智子がつぶやいていた言葉が全てを表わしていたのかもしれません。

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2020/06/06

実際に読んだのは単行本で、こっちのほうが表紙がいい。 短い期間を描いてはいるけど、なんと手の込んだ物語。しょせんお話でできすぎているとは思うけど、さすが『風神の子』の作者、実によくできてる。相手のためを思って嘘をつく。相手のためを思って言わないでおく。大人にはいろいろ事情がある。...

実際に読んだのは単行本で、こっちのほうが表紙がいい。 短い期間を描いてはいるけど、なんと手の込んだ物語。しょせんお話でできすぎているとは思うけど、さすが『風神の子』の作者、実によくできてる。相手のためを思って嘘をつく。相手のためを思って言わないでおく。大人にはいろいろ事情がある。 サヨの性格が疑問。

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2020/03/21

暗くて切ない物語 テーマは「嘘」 幼いウソと過ちの連鎖が人生を変えていく。 本作も、文芸作品的な文体なのですが、この文体って嫌いなんだよなぁ(笑) ストーリとしては、うまく語ることができない(笑) 主人公は、両親の離婚により、サヨの妹のナオと父親乙太郎と同居しているトモ。 サ...

暗くて切ない物語 テーマは「嘘」 幼いウソと過ちの連鎖が人生を変えていく。 本作も、文芸作品的な文体なのですが、この文体って嫌いなんだよなぁ(笑) ストーリとしては、うまく語ることができない(笑) 主人公は、両親の離婚により、サヨの妹のナオと父親乙太郎と同居しているトモ。 サヨは幼いころから、残酷ないたずらをする性格。 ある時、サヨとナオと乙太郎と妻逸子とトモでキャンプに行ったときに悲劇が起こります。 サヨとナオをテントに残して夜のドライブに行ったときにテントが火災。 子供を助けようとして全身やけどを負った逸子は死亡。 ケロイドの傷跡を負ったサヨはその後自殺 その責任を感じる父親乙太郎 その自殺の原因を造ったと思っているトモ そんな設定の中、 サヨに似ている智子にトモは惹かれ、智子が過ごす家の床下に夜な夜な潜り込みます。 智子はその家で先生といわれる男といやいや関係を持たされている。 そして、ある時、床下に潜り込んでいたときに、その家が火事に。 それを機に二人は付き合うようになります。 そして、ある時、智子がいやいや関係を持たされている原因をトモは知ることになります。 ここから話は急展開! トモと智子の関係は? トモとナオとの関係は? そして、テントの火事の真相は? 最後の最後はちょっと救われた気分

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2019/11/14

道尾秀介さんが描く過去と現在が激しく交錯し虚実が入り乱れる一人の青年を巡る3人の女の人生の物語。「球体の蛇」には現実の蛇は出て来ませんが何度も壊されたスノードームの中でうごめいている印象が鮮烈ですね。暗くて切ないストーリーですが、でも読者を本格的に落ち込ませないのが道尾さんの良さ...

道尾秀介さんが描く過去と現在が激しく交錯し虚実が入り乱れる一人の青年を巡る3人の女の人生の物語。「球体の蛇」には現実の蛇は出て来ませんが何度も壊されたスノードームの中でうごめいている印象が鮮烈ですね。暗くて切ないストーリーですが、でも読者を本格的に落ち込ませないのが道尾さんの良さでしょうね。主人公トモとサヨと智子とナオの愛の物語で序盤のトモが床下に忍び込む場面では乱歩の人間椅子を思い出しました。トモはこのままきっぱりとサヨと智子への執着を断ち切れるのでしょうか?智子を追って物語は続きそうな予感がしますね。

Posted byブクログ

2019/11/02

それでも、彼らが生きる光を見出してくれて良かった。 That being said, I felt relieved to know that they will find the light to be alive.

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