球体の蛇 の商品レビュー
幼なじみの家族と同棲、楽しそうなのに1人の女性に夢中になったがゆえに崩れていく人間関係。最終的には良かったなと思えるラストだった。
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じっとり。悪い方へ悪い方へ転がっていって、最後にそれが掬い上げられたのかどうなのか。いい感じで曖昧。
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2016年、15冊目は今年固め打ちの道尾秀介作品。 複雑な家庭環境のため、居候先の白蟻駆除会社で、週末アルバイトをしている「私」は、高校三年の受験生。ある時から、「私」はアルバイト中によく見かける女性に心をひかれる。彼女は、白蟻駆除会社の社長の長女で、亡くなった幼なじみにどこか...
2016年、15冊目は今年固め打ちの道尾秀介作品。 複雑な家庭環境のため、居候先の白蟻駆除会社で、週末アルバイトをしている「私」は、高校三年の受験生。ある時から、「私」はアルバイト中によく見かける女性に心をひかれる。彼女は、白蟻駆除会社の社長の長女で、亡くなった幼なじみにどこか雰囲気が似ていた。 ミステリー的に先の展開が気になる、ページを繰らせる力は相変わらず。イビツな青年期の成長譚的要素もある。一方、「白」の文字を多用しているが、全体を包むのは、「私」を中心とした人間関係を象徴したような、低い雲と灰色の海に囲まれた、どんより暗いトーン。 目の前の現実も、先入観や思い込み、見るモノの意識でねじ曲げられてしまう。コレは道尾作品の多くに見られる傾向──読者にソレを植えつけるのが、ミステリーのトリックの基本とも言えるが──である。今作では、登場人物の誤解や、いわゆる「ハッタリ」が作品世界の中でソレらを作ってしまう。やがてむかえるのは、モヤモヤ感が残るエンディング。この場面、何通りもの捕らえ方が出来る。ちなみに、背表紙あらすじの「最後の一行が深い余韻を残す」はハードル上げ過ぎにも感じますし、先述の「何通りかの捕らえ方」の一つと照らし合わせると、そのままでは捕らえられないから(余韻=捕らえ方の多様性、なのだろか?)。 評価は★★★☆☆と★★★★☆の中間。やや、辛め。 個人的に、作中、一番イノセントなのは、間違いなく、チーちゃん。それだけにあのエピソードは……。
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謎があるようで、事件があるようで。。。 ストーリーよりも雰囲気、とか、キャラクターの内面の複雑さに呑まれていく感覚の方が強くて。 暗いお話だ。救いようがない感じで。 哀しいか、と問われたら、哀しいんだろうけど。。。薄気味悪さの方が勝ってしまう匂いはある。いつまでも胸の片隅に居座り続ける、違和感、気持ち悪さ、のような。
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なぜこの小説を買ったのかはあまり覚えていない。 多分、あらすじと道尾秀介が気になっていたからだと思うのだが・・・。 内容は秘密や嘘といった類の、誰もが心に秘めているものが主題だと思う。 主人公が幼いころから心惹かれていた幼なじみの姉の、ミステリアスな行動や不可解な死について、だんだんと解き明かされていく・・・ ように見えて真実は語られていない。 他人から聞いたことがどこまで本当なのか、真実は何なのか。 最終的に主人公は疑心暗鬼を抱えたまま、真実を追求することなく、日々を送っていく。 結末を知って、もう一度読み返すと異なったものが見えてくるような気がする小説だった。 この物語では、主人公は毎回良くない(間違った?)選択をしているかのように描かれているが、実際のところは彼が取った行動が最善であるという可能性もあるのではないかと思う。
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何が真実で何が嘘なのか。当人にしか分からない、だけど当人がいなくなれば確かめることもできない。でも、本当に真実を知るのが主人公にとって最善なのかというと、そうでもないような…。と、読後いろいろと考え込んでしまった。あの時こうしていれば、という後悔はよくあるけれど、それが幾重にも...
何が真実で何が嘘なのか。当人にしか分からない、だけど当人がいなくなれば確かめることもできない。でも、本当に真実を知るのが主人公にとって最善なのかというと、そうでもないような…。と、読後いろいろと考え込んでしまった。あの時こうしていれば、という後悔はよくあるけれど、それが幾重にも重なる物語中の世界はなんだか暗くて重たかった。だけど読む手が止まらず一気読み。ただ、サヨの諸々の行為の意図がとても気になる。でもそれも今となっては…。
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私とサヨとナオ 白い服の女性がグルグルと繋がっている・・単純で楽しい家族でないところはいつもの通り。決して同じ環境ではないのに、所々 ハッとする場面がある。記憶の回路の接続、というフレーズは素晴らしい
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× キー 道尾作品を読んだのは、『ラットマン』『向日葵の咲かない夏』、そしてこの作品、と三作目でしたが、この作品が飛び抜けて好みでした。『星の王子さま』の始めに出てくるウワバミの絵を元に、これだけ切なく温かくそれでいてこれだけ変態的に仕上げるという才能が素晴らしいですね。作品中で...
× キー 道尾作品を読んだのは、『ラットマン』『向日葵の咲かない夏』、そしてこの作品、と三作目でしたが、この作品が飛び抜けて好みでした。『星の王子さま』の始めに出てくるウワバミの絵を元に、これだけ切なく温かくそれでいてこれだけ変態的に仕上げるという才能が素晴らしいですね。作品中で『星の王子さま』の内藤濯氏の訳文の言葉使いに言及するところがあまりに印象的だったのか、そこまで読んだ夜に見た夢が、『星の王子さま』を新訳で読むという夢だったので、翌日に新訳の『星の王子さま』の数々の中から十数冊を購入してしまいました。
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道尾さんらしいストーリー展開と心理描写はさすがに心地いいです。 登場人物も限られて、物語の内容がよくわかります。 それでも、最後まで読んで何が本当で何が嘘か、 読み切れませんでした。 また、サヨや智子の最後の真相もわからず仕舞。 ちょっと不完全燃焼でした。
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久々にゾクゾクした。 乙一の夏と花火と私の死体?だかを思い出しました!!! あのなんともいえない恐怖が独語まで続く感じ。 誰がなんの嘘をついてるのか? 誰のせいなのか? 誰のせいでもないのか? 最後まで全く気を抜けない一冊です。 つい息を吸うのを忘れてしまいます。。...
久々にゾクゾクした。 乙一の夏と花火と私の死体?だかを思い出しました!!! あのなんともいえない恐怖が独語まで続く感じ。 誰がなんの嘘をついてるのか? 誰のせいなのか? 誰のせいでもないのか? 最後まで全く気を抜けない一冊です。 つい息を吸うのを忘れてしまいます。。、
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