狛犬ジョンの軌跡 の商品レビュー
以前読んだ垣根涼介さんのハードボイルドな作品を思い出しました。でも内容は一級建築士のまともな男が犬を助ける話でちょっとファンタジーも入っていて、とても楽しめました。
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+++ 太刀川要は、深夜、山のなかをドライブ中に黒い大きな犬をはねてしまう。あわてて犬のもとにかけよると、車との接触でできたとは思えない大きな切り傷からの出血で、半死半生の状態だった。動物病院での治療の甲斐あって黒犬は助かったのだが、ペットたちが激しく怯えて困っている、と獣医から...
+++ 太刀川要は、深夜、山のなかをドライブ中に黒い大きな犬をはねてしまう。あわてて犬のもとにかけよると、車との接触でできたとは思えない大きな切り傷からの出血で、半死半生の状態だった。動物病院での治療の甲斐あって黒犬は助かったのだが、ペットたちが激しく怯えて困っている、と獣医から連絡が入る―。こいつはいったい何者なんだ?あんな時間にあんな場所で、いったい何をしていたのか?奇妙な共同生活を始めた要と黒犬を待ち受ける現実とは―。 +++ タイトルを一見して、どんな物語だろう、と思いつつ読み始めたが、タイトル通りの物語であった。建築設計士の太刀川と大きな黒犬の物語。ただ普通でないのは、黒犬の正体である。奇想天外な設定なのだが、なぜか心情はとてもよく解り、このまま何事もなく太刀川とジョンと名づけられた黒犬が、仲好く暮らしていければいいのに、と応援したくなる。だがやはりそう簡単なことではないのだった。面白くなかったわけではないが、著者の意図――狛犬の復讐心を描きたかったのか、犬と人間の心の通い合いを描きたかったのか、警察の捜査力の素晴らしさを言いたかったのか、などなど…――が、もうひとつよく判らなかったのが残念な一冊でもある。
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最近の筆者の作品は説教じみたものが多くて、少々、路線変更の感があったが、本作は昔のラテン系のワイルド路線に少し戻った感があり、これに準じて、ワイルドソウルの続きを描いていただきたいなと思うが、まだまだ消化不良気味。主人公は狛犬とそれを保護する建築士というダブルキャストではあるが、...
最近の筆者の作品は説教じみたものが多くて、少々、路線変更の感があったが、本作は昔のラテン系のワイルド路線に少し戻った感があり、これに準じて、ワイルドソウルの続きを描いていただきたいなと思うが、まだまだ消化不良気味。主人公は狛犬とそれを保護する建築士というダブルキャストではあるが、建築士の方を描くのが主題であり、狛犬はおまけではあるが、おまけでありながらも物語の主軸である以上、そもそもの原因と結末を期待するものの、それらは一切、何も語られることなく、潔い良いぐらいに何も解決せずに話は唐突に終わる。このような非現実的な話を何も語らず物語の背景としてただ単にあるべき事実として語る小説は良くある手法ではあるが、残念ながら、本作では狛犬が登場する必然性が語られることなく終わってしまうので、最後に欲求不満が残ってしまうのでが残念である。
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ただの石ころにも人間が存在を意識したり、祈ったりすると呪(しゅ)がかかるのだそうな。ジョンを作り出したのが人間の気持ちであれば、人間の弱い所ばかりでなく、良い所も見て欲しい。けして悪い人間ばかりではないのだから。
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狛犬ジョンと主人公太刀川要の2人称で話は進んでいきます。 人間の言葉を理解できる犬…そんなのがいたらどれだけ楽か、一度味わってみたい。 まぁスーパーな犬ですから足は速いは回復力はあるはウンコはデカイは…狛犬だからか? 垣根涼介ですから主人公はスバルに乗っております。
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最近の垣根涼介はあまり好みではなかったが、久々に垣根節が少し戻ってきた。まだ迷ってる感じはあるけれど。
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なんだか惜しい。 前半はひょんなことからでっかい黒犬を飼うことになってしまう 主人公に微笑ましくも共感しながら読み 中盤、事件が発覚してからはジョンはどうなっていくのかと ハラハラしながら読んだのだけど。 ラストがな~、なんだろ、尻切れトンボの感がぬぐえない。 ジョン目線も面白...
なんだか惜しい。 前半はひょんなことからでっかい黒犬を飼うことになってしまう 主人公に微笑ましくも共感しながら読み 中盤、事件が発覚してからはジョンはどうなっていくのかと ハラハラしながら読んだのだけど。 ラストがな~、なんだろ、尻切れトンボの感がぬぐえない。 ジョン目線も面白かったし、彼女とのあれやこれやもキュンとしたのだが… それにしても、垣根さんは年上が好きなんだね。
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狛犬がある時、突然生命を吹き神社から抜け出し、それに関わる男の話。作者が車好きなので、どの話にもスポーツ車が出て来ます。男と狛犬との愛情が描かれた作品。
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タイトル通りのお話。登場人物達が様々な人生観を語りますが、いちいち腑に落ちます。派手さは全くないのですが、共感できる部分が多々あって楽しめました。出来れば続編をお願いしたいところです。
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同作者の作品を何点か読んだことがあるのですが、作者の方の男性観は、なんというか現代の草食男子とはぜんぜん違いますね。女と車!みたいな。正直そのあたりはわりと苦手なのですが、ストーリーが面白いので読んでしまいます。
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