狛犬ジョンの軌跡 の商品レビュー
瀕死の犬を助けたフリーの建築家が主人公。恋人と共に犬の正体を追う様子を、軽妙なハードボイルド調に描いている。犬の正体は神社の狛犬なのだが、ときどきその犬のつぶやきが挿入されるのがコミカルで楽しい。 ただ、狛犬に命を与えるのであれば、もっと背景を加えて重みを出してもよかったのでは。...
瀕死の犬を助けたフリーの建築家が主人公。恋人と共に犬の正体を追う様子を、軽妙なハードボイルド調に描いている。犬の正体は神社の狛犬なのだが、ときどきその犬のつぶやきが挿入されるのがコミカルで楽しい。 ただ、狛犬に命を与えるのであれば、もっと背景を加えて重みを出してもよかったのでは。発想はおもしろいけれど、その設定自体が生かしきれていなくて、ちょっと残念。
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クールな車好きの主人公に好感が持てる。 謎の犬が登場して淡々と進んでいくが、結末はなんだか宙に浮かされた印象。 どこに着地すればいいのか。
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謎の事件は相方を壊された狛犬の復讐劇だったってのはともかく、登場人物や設定、展開とも垣根さんらしく面白い。主人公と恋人の感じは垣根さんの好きなシリーズ、「君たちに明日はない」に似た部分がある。ただ、ジョンをメインにして読者には判るが、の小細工とジョンの独白内容が不自然すぎて抵抗あ...
謎の事件は相方を壊された狛犬の復讐劇だったってのはともかく、登場人物や設定、展開とも垣根さんらしく面白い。主人公と恋人の感じは垣根さんの好きなシリーズ、「君たちに明日はない」に似た部分がある。ただ、ジョンをメインにして読者には判るが、の小細工とジョンの独白内容が不自然すぎて抵抗あった。ジョン抜きで続編ってのを希望(笑)
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※このレビューにはネタバレを含みます
ジョン、どこへ行っちゃったんだろう? もう太刀川の元には戻ってこないんだろうなぁ。行き場所もなく、さまよっているのかと思うと、心痛い。お腹すかせてないだろうか?心配だ。 最近神社へのイタズラ被害が増えているでしょ?神社のお稲荷さんのキツネ像が破壊された事件があったり、放火されたり、油まかれたり。普通は恐れ多くて、そんなことできないよ。本当にとんでもないことをする奴が増えていると感じる。何という罰当たりなことを・・・親からそういう不敬虔なことをしちゃいけませんって教わらなかったのかな?怖いモノ知らずだな。くわばらくわばら・・・
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狛犬のジョンの軌跡、その通りのお話。こうゆうこと考えてる人は多そうだけど、実際本にできる人はなかなかいないよね。相変わらず、善を押し付けることは善か、悪を助けることは悪か、といった内容。大型犬を助けたくても助けられない人が多い中、環境もお金も時間もゆとりもある太刀川さんを主役にす...
狛犬のジョンの軌跡、その通りのお話。こうゆうこと考えてる人は多そうだけど、実際本にできる人はなかなかいないよね。相変わらず、善を押し付けることは善か、悪を助けることは悪か、といった内容。大型犬を助けたくても助けられない人が多い中、環境もお金も時間もゆとりもある太刀川さんを主役にすることによって成り立ってる。せつない。
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表題と出だしだけで内容がある程度わかってしまう類のストーリーだけれど、テーマはかなり難解だ。最後の部分は哲学書でも読んでいるような内容だった。云いたいことはわかるのだけれど、どうしてこのような内容の小説にしたのか今一つわからなかった。
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命を授かるということ 自我を持つこと 他人が生まれること 言葉を話すこと 共有すること 他人との隔たりを感じること 自我を持って、他人を知る 言葉を持って、感情が生まれる 人間はつくづく不思議な生き物だ 全てに無駄がない 何かを得て、何かを失う また、逆も然り 命を失うその...
命を授かるということ 自我を持つこと 他人が生まれること 言葉を話すこと 共有すること 他人との隔たりを感じること 自我を持って、他人を知る 言葉を持って、感情が生まれる 人間はつくづく不思議な生き物だ 全てに無駄がない 何かを得て、何かを失う また、逆も然り 命を失うその瞬間まで続いていく 永遠と続いていく 自分を抱えながら
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※このレビューにはネタバレを含みます
フリーの一級建築士でありクルマ好きの太刀川要が主人公。 ある日、大型の黒い犬救ったことから、その犬=“ジョン”との奇妙な共同生活が始まる。基本的には要の一人称で進むのだが、時々、ジョンが語り手となる。しかもそのジョンは、犬種も謎だし、どの犬からも怯えられるという謎多き犬。そして、実は元は神社の狛犬であることも徐々に明らかになってくる。 垣根さんにしては珍しくファンタジー要素のある作品。 要の恋人である麻子が勇ましくてカッコいい。垣根作品の中でも好きな女性の上位に入るだろう。 それにしてもやっぱり車と女性の細かい描写は欠かせないんだね。こだわりを貫くのが垣根涼介だ。
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前作を読み終えた際に、もしかしたら新作がでても読まないかもしれないなっていうくらいがっかりしたのだが、読んでしまった。こういうのも書くのか?というのが率直な感想。垣根風のラブストーリーとファンタジーと、ちょっとだけバイオレンスの融合。軽く読めて面白かったけど、この路線は、これっき...
前作を読み終えた際に、もしかしたら新作がでても読まないかもしれないなっていうくらいがっかりしたのだが、読んでしまった。こういうのも書くのか?というのが率直な感想。垣根風のラブストーリーとファンタジーと、ちょっとだけバイオレンスの融合。軽く読めて面白かったけど、この路線は、これっきりかなって気がする。って言うか、まんねりと言われようと昔の疾走感を取り戻してほしい。
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