教室内カースト の商品レビュー
スクールカーストという言葉をはじめて知ったのは「桐島、部活辞めるってよ」が映画化されてその感想をサカナクションか何らかのバンドマンがTwitterでつぶやいたときである。 内容の真摯さは伝わる。そして読んでももやもや感は晴れなかった。むしろ余計くもった。 これを機にスクールカー...
スクールカーストという言葉をはじめて知ったのは「桐島、部活辞めるってよ」が映画化されてその感想をサカナクションか何らかのバンドマンがTwitterでつぶやいたときである。 内容の真摯さは伝わる。そして読んでももやもや感は晴れなかった。むしろ余計くもった。 これを機にスクールカーストの研究がもっと進んでくれないかなぁ、と思った次第。おそらく教育に活かされるほどに進むのはかなり先だと思う。 それと、自分は亜種だったんだろうな。というか、中間層にいる多様性のある人たちの研究は手をつけられる段階ではないだろうな。
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本屋さんで目についたタイトル。学校内で暗黙の了解内で形成されるランク付け。この”上がれない”・”落ちたくない”と言うパワーバランスの苦い経験はよくわかる。本来なら無い方が幸せだと思うが、人間の個性から考えると仕方がないとも思う。ただ、このインタビューに答えていた先生がこのカースト...
本屋さんで目についたタイトル。学校内で暗黙の了解内で形成されるランク付け。この”上がれない”・”落ちたくない”と言うパワーバランスの苦い経験はよくわかる。本来なら無い方が幸せだと思うが、人間の個性から考えると仕方がないとも思う。ただ、このインタビューに答えていた先生がこのカーストに肯定的な意見を語っているのが意外。まあ、先生も仕事を上手く回さないといけないサラリーマンと言う事か。
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自分自身の学校体験などから、なんとなくみんなで共有されつつも、教育現場以外ではなかなか「社会問題」としては取り上げられて来なかった「スクールカースト」についての研究。最終章での、子供、教員、保護者それぞれに対する「僕からできる、(今現在の)アドバイス」には、鈴木氏自身のこの問題に...
自分自身の学校体験などから、なんとなくみんなで共有されつつも、教育現場以外ではなかなか「社会問題」としては取り上げられて来なかった「スクールカースト」についての研究。最終章での、子供、教員、保護者それぞれに対する「僕からできる、(今現在の)アドバイス」には、鈴木氏自身のこの問題に対する極めて真摯な思いが感じられる。
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イジメではなく意識上存在する生徒間の上下関係について論じた本。ただし、サンプルが少ないためまだまだ研究の余地あり。ギャルもヤンキーもいない地域、学校はたくさんあるのだからインタビューのサンプリング如何によるかなあ、と。時間はかかると思うが関心は強いため今後に大いに期待☆個人的に学...
イジメではなく意識上存在する生徒間の上下関係について論じた本。ただし、サンプルが少ないためまだまだ研究の余地あり。ギャルもヤンキーもいない地域、学校はたくさんあるのだからインタビューのサンプリング如何によるかなあ、と。時間はかかると思うが関心は強いため今後に大いに期待☆個人的に学生時代の薄暗い感情といえば格差という感覚よりも劣等感に近い辻村深月氏の小説に描かれる感情に近いかも。
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第1章 「スクールカースト」とは何か? 「いじめ」はみんなが作るで、1986年「葬式ごっこ事件」取り上げられている。記憶ではこれ以前にも社会問題になった事件があったような気がする。 第2章 なぜ今、「スクールカースト」なのか? マンガ「フルーツバスケット」のセリフ(…お母さんに知られたら恥ずかしくて…そんな自分が嫌われたらどうしよう…)を例に、親子関係がうまくいっている子どもなら、親に助けを求めるのは難しいと書かれている。このような解釈もあるのだろう。 3,4章は読むのがキツイ。5章は更に。確率的に「下」だった教師よりも「上」だった方が大勢と思われる。 著者も書いているがサンプルの偏り感は否めない。
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ホンシェルジュに寄稿しました。 http://honcierge.jp/users/646/shelf_stories/54
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基本構造は、インタビュー内容を掲載して、それを自分なりに咀嚼しながらまとめ直す、っていうのの繰り返し。それがくどく思えることがしばしばで、冗長に感じられたきらいあり。でも最後に、この研究の限界を自分なりに反省して、次への課題として開示していたりとか、インタビュー内容とは違った自分...
基本構造は、インタビュー内容を掲載して、それを自分なりに咀嚼しながらまとめ直す、っていうのの繰り返し。それがくどく思えることがしばしばで、冗長に感じられたきらいあり。でも最後に、この研究の限界を自分なりに反省して、次への課題として開示していたりとか、インタビュー内容とは違った自分なりの見解を明示していたりとか、最後のまとめの部分はかっちり決まっていたと思います。う~ん、学校って難しいですよね。
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学校って私が通っていた頃よりもますます怖い場所になっているな、という印象。 もっと楽しい場所になればいいのに。
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• コミュニケーション操作系いじめ⇔暴力系いじめ ○ クラス内の序列 • 生徒にとっては「スクールカースト」は逃れ難い「権力」として作用している。他方で、教師にとっては「スクールカースト」における上下関係は「コミュニケーション能力」など生徒の「能力」を基盤として成立している • 自分たちの生々しい経験や感覚がリアルに記述されていることによって「ああ、自分達がいる/いた教室の世界はこんなふうに成立していると気づく • 人間のあいだの地位の秩序なんてどこにでもあることだ それをなくすことはできないし、問題視する必要もないという往々にして見られる考え方をどうか今一度、ほんとうにそうなのだろうかと考え直してみる • もっともらしい言葉には都合のいいように置き換えられて解釈されてしまうという危険性=マジックワード? いじめの構造:内藤氏 • 日本の学級集団=同一年齢、同一能力に均質化され、教室という同一空間の中で、同一知識内容が同一時間に一斉に同一教師によって教えられるという管理側にとっての効率を最も重視したシステム ○ 義務教育が「全員が最低限の教育」をモットーにしたから • 集団の和を非常に重んじる • スクールカーストは固定性をもつ仕組みであると把握されているから ○ クラス替えを経て学級集団が改変されたとしても、変化は起きにくい ○ 理由は:生徒たちは、部活動やそのほかのさまざまな活動を通して、ほかの蔵明日の生徒とも一定の交流を持っており、すでにそれぞれの生徒がクラスの中でどのような位置づけであるかという情報が、学年内で共有されているから • 自分の努力で変えることは難しく、それに抗うにもメリットが少ない。消極的に「スクールカースト」を受け入れる • スクールカーストが見られることを、生徒の人間的な成長のうえで必要なことだと考え、自らの学級経営戦略に利用している • スクールカーストの認識のずれ ○ 生徒:権利の多さを軸とする権力構造 ○ 先生:能力の高さを軸とする「能力」のヒエラルキー § 評価の対象として p274 • 存続されるべくして存続しているシステム 「学校に行くのが普通」という考え方自体が、「スクールカースト」が維持される要因となる
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「いじめ」という問題ではなく、「スクールカースト」という現象として教育の現場を探求していく一冊。 感情論になりがちなテーマに対し、アンケートやインタビューを用いた定量、定性の両角度から考察を行っている点は評価できる。(後半の教師陣の意見は極端すぎるとおもうが笑) そもそも群れを...
「いじめ」という問題ではなく、「スクールカースト」という現象として教育の現場を探求していく一冊。 感情論になりがちなテーマに対し、アンケートやインタビューを用いた定量、定性の両角度から考察を行っている点は評価できる。(後半の教師陣の意見は極端すぎるとおもうが笑) そもそも群れを作る動物は狼であれサルであれ自然に優劣をつける習性がある。生物学的にそのほうが集団での意思決定が容易だからだ。(サルで言う餌の配分、クラスでの文化祭の出し物など)このことを踏まえると、この本では「各人を尊重するような道徳教育を~」のような理想論ではなく、きちんと「環境を変える」や「感情をコントロールする」などの現実的で生産的な提言がなされており、一読の価値がある。 最後にスクールカーストについて私が思うことは能力が必ずしもカーストを決めるわけではないということだ。もしカースト上位に○○力に秀でた人間が多いとすれば、それはスクールカーストに適した○○力が各層ごとに形成されているだけに過ぎない。その為、下位カーストに配属されることで、自分が先天的に劣っているときにやむ必要はないのだ。
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