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教室内カースト の商品レビュー

3.4

138件のお客様レビュー

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2015/01/19

️p.6 同学年の児童や生徒の間で共有されている「地位の差」を、本書では「スクールカースト」と呼びます。 こう定義される「スクールカースト」。でもよくよく考えてみると、この「スクールカースト」なるものって学校生活の中でごくごく自然にあったことだろう。それに敢えて焦点を当てて論じ...

️p.6 同学年の児童や生徒の間で共有されている「地位の差」を、本書では「スクールカースト」と呼びます。 こう定義される「スクールカースト」。でもよくよく考えてみると、この「スクールカースト」なるものって学校生活の中でごくごく自然にあったことだろう。それに敢えて焦点を当てて論じたという意味で、この本には意義があると言えるだろう。 スクールカーストが発生する学校の「クラス」とは、全ての生徒がまったく平等であるという建前の下で扱われる集団だ。でもだからこそ、余計に地位の差、ヒエラルキーの差を作りたくなるものなのかもしれない。完全に平等であることに、もしかしたら人は耐えられないものなのかも。 ただ率直に言って、後半部分の教師の話には違和感しか感じなかった。スクールカースト上位の生徒をやたらと評価している教師が多いが(もちろんあくまで本書の中での話だが)、確かにそういう面もあるのかもしれないものの、だからといってスクールカースト下位の生徒を「損である」「能力が低い」と位置づけてしまうのも何か違う気がする。外から見れば地味に見える生徒だって、その中身は意外にも個性的で面白かったりするものだ。逆に上位の人の中にだって、そりゃ面白い生徒もたくさんいるんだろうが、薄っぺらい人間だって山ほどいるだろう。表に出てくるものだけで生徒を判断するなんて、それでも教師か!?と言いたくなる。 またこの本、途中から大学生や教師へのインタビューが多く挟まれるのだが、数少ないサンプルをさも多くの人がそう思ってるものだとして解釈しているところにも若干の違和感を感じた。

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2014/12/26

スクールカーストという、ネットスラング発祥の極めて捉えにくい事象に対して、社会学的観点で真っ向から立ち向かった前衛的な本。院の博士論文(修士?)の大幅加筆らしいけど、文章全体の青臭さと、大学のお偉いオッサン方にはない研究分野に対する情熱が感じられてそこが良かった。面白い。

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2014/10/02

分析は大雑把な印象ですが、今まで光の十分に当たってこなかった現象に光を当てたという意味で意義深いです。学校が好きなスクールカースト上位層が教師となり、これが再生産されている側面もあるかもしれないので、年代比較は重要だと思いました。

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2014/09/27

スクールカーストという概念モデルを提示したこと自体は意義があると思う。ただそれを一般化するには、インタビュー事例数が少ないのではないかと感じた。アンケート調査でもう少し分析してもある程度の説明ができるのではないか。意図的かもしれないが、インタビューの教員・生徒の字句に著者の主張が...

スクールカーストという概念モデルを提示したこと自体は意義があると思う。ただそれを一般化するには、インタビュー事例数が少ないのではないかと感じた。アンケート調査でもう少し分析してもある程度の説明ができるのではないか。意図的かもしれないが、インタビューの教員・生徒の字句に著者の主張がひっぱられている気がする。作者に全く責任は無いが、読了後の後味が悪かった。

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2014/09/13

非常に難しい問題である。現象としてはよくわかる。アメリカのTVドラマGleeのチア、アメフト部とグリークラブの格差のようなものが、実際に日本の学校の中にもある。上位のグループに属するか、下位のグループに属するかで、学校生活も違ってくる。「○○力」で捉えることも、階級差を助長するよ...

非常に難しい問題である。現象としてはよくわかる。アメリカのTVドラマGleeのチア、アメフト部とグリークラブの格差のようなものが、実際に日本の学校の中にもある。上位のグループに属するか、下位のグループに属するかで、学校生活も違ってくる。「○○力」で捉えることも、階級差を助長するようであり、多様な能力で人は判断されるべきであるが・・・悩ましい問題である。

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2014/11/08

スクールカースト…つまり、学校生活を送る上で教室内に必ずと言って良いほど存在する児童生徒たちの序列、ランク分け。本書はアンケートや教員・大学生へのインタビューなどを用いてスクールカーストについて少々粗くはありますが、考察されていきます。インタビューなんかは口調もそのままに記されて...

スクールカースト…つまり、学校生活を送る上で教室内に必ずと言って良いほど存在する児童生徒たちの序列、ランク分け。本書はアンケートや教員・大学生へのインタビューなどを用いてスクールカーストについて少々粗くはありますが、考察されていきます。インタビューなんかは口調もそのままに記されていますので、その方のランク以外のものも自ずと見えてきて非常に興味深かったです。当たり前のことかもしれませんが、「私」は一人しかいないので、小中高の時間に「私」という一通りのあり方で身を置くことが出来ません。結局他の学校や他のランク、他の見方や経験は、他人から話を聞いたりこうやって本を読むことでしか知ることが出来ないのだなあと、改めて思いました。

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2014/08/18

3つのアンケート調査(中学生、大学1年生、教員)から、教室内カーストの実態を検証しようとする試み。 カーストが存在し、いじめの温床になると説く。 カーストランクは、学校内にいる限り変わらないという。 また、カーストに入らない最下層もあるとか。 教師は、スクールカーストを受け入...

3つのアンケート調査(中学生、大学1年生、教員)から、教室内カーストの実態を検証しようとする試み。 カーストが存在し、いじめの温床になると説く。 カーストランクは、学校内にいる限り変わらないという。 また、カーストに入らない最下層もあるとか。 教師は、スクールカーストを受け入れて、利用している。 カースト把握が、学級運営に重要なのだ。 <アドバイス>の項がある。 昔のテレビドラマのような熱血教師は、もういない。 子どもたちを、個性と見るのか?教室を社会の縮図として運営するのか? 下層の生徒は就職しても困るだろう。 私もそう思えた。

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2014/08/16

著者は東京大学大学院在学中の学生である。本書は、学校の教室内で見られる生徒同士の明文化されない階層的人間関係について考察したものである。質問紙法とインタビュー形式を取っているせいか、データに対する考察が甘い印象を受けるが、著者はそれを自覚しており、今後の研究課題としている所に好感...

著者は東京大学大学院在学中の学生である。本書は、学校の教室内で見られる生徒同士の明文化されない階層的人間関係について考察したものである。質問紙法とインタビュー形式を取っているせいか、データに対する考察が甘い印象を受けるが、著者はそれを自覚しており、今後の研究課題としている所に好感が持てた。教職を志すものとして、またひとりの人間として、スクールカーストが生徒に与える社会的影響についてとても関心がある。緒についたばかりの研究が今後どのように発展していくか、期待することろだ。

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2014/08/04

確かに薄い本だと思うが、全く堅苦しくなく若い人にも読みやすい内容だ。著者もテーマも若い分まだまだ掘り下げる部分が多いが、未完成な研究課題があるほど読者としてテーマに興味が湧く。 自分の学生時代に抱いていたもやもやとしたものが何だったのか、読んで気づいたことが多々あった。あの頃に感...

確かに薄い本だと思うが、全く堅苦しくなく若い人にも読みやすい内容だ。著者もテーマも若い分まだまだ掘り下げる部分が多いが、未完成な研究課題があるほど読者としてテーマに興味が湧く。 自分の学生時代に抱いていたもやもやとしたものが何だったのか、読んで気づいたことが多々あった。あの頃に感じていた違和感を昇華するにも、またこの研究に対する好奇心からも、ぜひ次作を読みたいと思う。

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2014/07/28

帯文:”なぜ、あのグループは「上」で、このグループは「下」なのか―” ”教室を支配する「地位の差」に肉迫!” 目次:はじめに、第1章 「スクールカースト」とは何か? 第2章 なぜ今,「スクールカースト」なのか? 第3章 「スクールカースト」の世界、第4章 「スクールカースト」の...

帯文:”なぜ、あのグループは「上」で、このグループは「下」なのか―” ”教室を支配する「地位の差」に肉迫!” 目次:はじめに、第1章 「スクールカースト」とは何か? 第2章 なぜ今,「スクールカースト」なのか? 第3章 「スクールカースト」の世界、第4章 「スクールカースト」の戦略、第5章 教師にとっての「スクールカースト」、第6章 まとめと,これからのこと、…他

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