大きな音が聞こえるか の商品レビュー
『自分の尺度じゃ計れないものが、世界にはまだまだある。そう思えることは幸せだ』 「世の中、というか社会ってのは案外単純でさ。なりたいものややりたいことのちかくにいて、それが好きだって言い続けてれば、かなりの確率でそれに関わることができるんだ」 *・*・*・ アマゾン船旅の...
『自分の尺度じゃ計れないものが、世界にはまだまだある。そう思えることは幸せだ』 「世の中、というか社会ってのは案外単純でさ。なりたいものややりたいことのちかくにいて、それが好きだって言い続けてれば、かなりの確率でそれに関わることができるんだ」 *・*・*・ アマゾン船旅のとこがいい。旅の空気感。ポロロッカ、みてみたいなー。 選べる、という豊かさ。 旅の描写がとてもうまい。村山由佳のモロッコの話に似てる空気感。帰国後の感覚とかもリアルだし。 ただ、本当に残念なことに、泳くんが最後まで好きになれなかった。もっと小さい時に読んでたら楽しめたのかな?大好きな坂木先生の本なのに、本当に残念。 泳くんは恵まれすぎている、そしてそこでうじうじして、脱皮して、さとったていでいる。流されてるだけなのに。ってわたしには思えてしまって、なんかなーーーー。二階堂がむっちゃいいやつ。
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「八田泳、高校一年生。唯一の趣味は、サーフィン。ある日、泳は叔父が、ブラジル奥地へ行くと聞かされた。さらに、アマゾン川の逆流現象=ポロロッカで、波に乗れるという情報を聞き…。」 あー!楽しい旅が終わってしまった!泳が、ブラジルへ行くと決意し、いろいろなバイトをして、旅費をため、ブ...
「八田泳、高校一年生。唯一の趣味は、サーフィン。ある日、泳は叔父が、ブラジル奥地へ行くと聞かされた。さらに、アマゾン川の逆流現象=ポロロッカで、波に乗れるという情報を聞き…。」 あー!楽しい旅が終わってしまった!泳が、ブラジルへ行くと決意し、いろいろなバイトをして、旅費をため、ブラジルに行って帰ってくるまで、私にとっては、すべてが「旅路」だった。様々な「音」を聞き、景色や臭いを感じ、いろんな人に出会い、文化や言葉に触れた。そして、泳は、ぐんぐんと、大きな「音」をたてて、成長していく。新たな一歩を、踏み出してみたくなる一冊。
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『ワーキングホリデー』『ウィンターホリデー』『ホテルジューシー』に続き 坂木司さん作品4作目。 恵まれた環境に退屈しながらも 何をどうしたらいいのかもわからず 時間を持て余していた高校生「泳」。 ふとしたきっかけで、アマゾンのポロロッカでサーフィンをしたいと決意し そ...
『ワーキングホリデー』『ウィンターホリデー』『ホテルジューシー』に続き 坂木司さん作品4作目。 恵まれた環境に退屈しながらも 何をどうしたらいいのかもわからず 時間を持て余していた高校生「泳」。 ふとしたきっかけで、アマゾンのポロロッカでサーフィンをしたいと決意し その為に今すべき事を考え、行動し、沢山の人達との出会いで少しずつ成長していく。 泳と年齢は違いますが 26歳の時、このままいつか結婚し、平凡な人生を送るんだろうかと 半年間悩み続け、悩みに悩んだ末、会社を退職し、ワーキングホリデーにて オーストラリアへ旅立った私。 泳の旅立つまでの気持ち、旅立つ瞬間の気持ち、 日本ではありえない出会い、経験。 そして帰国してからの思いに、共感するものが沢山ありました。 『腐りたくないと思った。 このままじゃ腐ると思った。 だから初めて自分から動いた。 そうしたら、世界の色が変わった。』(by泳) 平々凡々な人生を送ってきた私が たった一人で海外に行き、生活してみて、一番強く感じたこと。 それは「どんなことでも、実際にやってみたら、意外と大したことない』ということ。 人間は、行動する前は、不安だったし、なんだかんだ理由をつけて 行動することを止めようとしたり、先延ばしにしようとするものですが いざ、行動してみると、想像していたより簡単なことが多いのです。 そして、行動することによって、周りの景色が動き出すのです。 自分で行動することで これまでの自分では想像もできない人に出会い 様々な経験をし、たった数日で見違える程成長した泳。 息子を持つ身としては、泳と自分の息子の将来を重ねてしまい いつか息子にも一人旅をさせてみたいと強く思いました。 いつも思う事ですが、人生において『人との出会い』が全て。 私はこれまで「この人に出会えてよかった」と思った人が何人もいます。 それが、どんなに幸せなことなのか、改めて痛感しました。 そしていつか、私も誰かにとって「出会えてよかった」と思われる そんな人になりたいと思います。 きっと、泳のように、このままじゃダメだと思ってはいても どうしたらいいのかわからず、ただ時間を過ごしているだけの若者って 今の時代、とても多いのかもしれない。 そんな若者達に、ぜひ読んでもらいたい一冊です。 坂木さんの作品は、若者が人とで出会い 成長していく過程のお話が多いですね。 登場人物も、曲者は多いけど、みんな温かくて優しくて 読後感がなんとも言えず好きです。
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つまらない大人にならないためには、つまらないガキをさっさと卒業すること。 それにしても、この英語タイトル、思わず年代を、感じてしまう。heartbeat!
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もうもう胸がキュウウウウウンっと熱くなったり切なくなったり。 悪い子じゃないけど、特にやりたいこともなくダラダラと日々を過ごしていた高校生のエイくんが、やりたいことを見つけて、そのやりたいことに近づくために頑張って、やり遂げて、そしてそのあとの興奮や何やかんや。 「楽しん...
もうもう胸がキュウウウウウンっと熱くなったり切なくなったり。 悪い子じゃないけど、特にやりたいこともなくダラダラと日々を過ごしていた高校生のエイくんが、やりたいことを見つけて、そのやりたいことに近づくために頑張って、やり遂げて、そしてそのあとの興奮や何やかんや。 「楽しんでるよ。違う景色が見えたよ。だってほら、自分が進む先に果てが見えない。」 「時間はずっと続いていて、さっきと今はつながっている。なのにあの日が、どかんと離れた遠い所みたいな気がするのは、なんでだろう。 俺は俺なのに。」 坂木さんの物語は、人の良い側面を照らし出す内容で、いつも心地よく、気持ちいいですね。
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渦に巻かれてどっちが上かわからなくなる感じ… 高2から20代いっぱい、ワタシの夏はボディーボードでいっぱいでした。少し大きいカッコいいボードの出始めのころで浜にはまだボード乗りの姿がまばらだったころのことを思い出します。 エイがポロロッカから見た波の上からの景色も、渦に巻かれてど...
渦に巻かれてどっちが上かわからなくなる感じ… 高2から20代いっぱい、ワタシの夏はボディーボードでいっぱいでした。少し大きいカッコいいボードの出始めのころで浜にはまだボード乗りの姿がまばらだったころのことを思い出します。 エイがポロロッカから見た波の上からの景色も、渦に巻かれてどっちが上かわからなくなって頭の中が真っ白になる感じも、旅から日常にもどった時のちょっとつまんない感じも、そのころのことを重ねて読むことができました。 エイと中華料理店の女の子、これからどうなっていくのでしょうね。
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面白かった! 現代の物語だけど、典型的な貴種流離譚ですね。出てくる登場人物がみんないい人。読み終わると旅に出たくなります。 ただ、今いい事言ってますよ!感や教訓めいたフレーズが随所にあって読んでいてちょっと疲れました…… 登場人物も主人公を含めてみんないい人過ぎるし。 大きく展...
面白かった! 現代の物語だけど、典型的な貴種流離譚ですね。出てくる登場人物がみんないい人。読み終わると旅に出たくなります。 ただ、今いい事言ってますよ!感や教訓めいたフレーズが随所にあって読んでいてちょっと疲れました…… 登場人物も主人公を含めてみんないい人過ぎるし。 大きく展開しない分、安心して読めました。
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二度とやって来ない若かったあのころ。主人公のような経験があったらどんなに楽しかったか。後悔とはちょっと違う、ほろ苦さと羨望を感じつつ、仮想世界で擬似的な経験を夢想しながら楽しんだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
坂木司の新作。厚いのでびっくりした。しかし、この装丁の美しいこと。字体もすごく好きだ。アマゾン川のポロロッカでサーフィンをしに行く高校生の成長物語。推理要素は一切なし。普通に青春物語。こういうのも書くんだね。主人公の泳が成長していくのが手に取るように分かる。しかし、こんな裕福で理解もある親を面倒くさがるなんて、贅沢だろ。でもそれは泳自身にも分かってるわけで。分かっててもどうしようもないことはよくあるのだ。私は海外に行ったことはないし、やっぱ怖いと思っちゃうから、一人で行った泳はやっぱりすごいと思う。この先、海外に行きたいかと言われれば、今のとこそうでもない。でも、いいなぁとは思う。二階堂がすごく好きだ。いい友達がいて良かったなーと思う。
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今まで読んだ坂木司さんの作風とちょっと違ってて、しかも長編で---楽しませていただきました。 ブラジルやアマゾンについての描写を読んでいると、垣根涼介さんのワイルドソウルとなんだかリンクしているかのようで、変に勘ぐってしまったりもしましたが・・・。 自分がどこに向かうのか、何もの...
今まで読んだ坂木司さんの作風とちょっと違ってて、しかも長編で---楽しませていただきました。 ブラジルやアマゾンについての描写を読んでいると、垣根涼介さんのワイルドソウルとなんだかリンクしているかのようで、変に勘ぐってしまったりもしましたが・・・。 自分がどこに向かうのか、何ものなのか、自分の存在意義とかを悩んでいたり、考えてしまったりするところが、ちょっとホテルジューシーのヒロちゃんっぽいと思って、そういうところに妙に「うんうん」と共感を覚えつつ・・・「大人なのに楽しそうなのは、なんで?」という論議のところもおもしろい!自分の価値観とずれてると理解できなかったり、そんなところまで思いが及ばなかったりするところとかも、おもしろい!! 結構、内面的に突っ込んだこと書いてる割には、笑えるツッコミが満載で思わず笑ってしまったりしつつ、ガツンとくることを言っておられる。 今までの坂木さんとはちょっと違う感じがしました。
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