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ブラック企業 の商品レビュー

3.5

122件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    31

  3. 3つ

    42

  4. 2つ

    12

  5. 1つ

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2013/04/18

世にはびこるブラック企業の実態にせまった一冊。 やっぱりサービス業がブラック企業といわれる所以のエピソードがいっぱいあった。手早く言うとパワハラ→精神疾患→退職ってな具合に追い込んでさらには鬱病を患ってしまうみたいな。でもなんでそこまでして正社員に拘るかなぁとも思いました。

Posted byブクログ

2013/04/13

著者の今野さんは、POSSEができた頃の話が『We』に載っていて、名前だけはずっと知っていた(「希望の持てる働き方をめざして」)。私もたまには『POSSE』(日本で唯一の若者による労働問題総合誌)を読み、いろいろ本も出してはるねんなーと思っていた。若いなーと思っていた今野さんも、...

著者の今野さんは、POSSEができた頃の話が『We』に載っていて、名前だけはずっと知っていた(「希望の持てる働き方をめざして」)。私もたまには『POSSE』(日本で唯一の若者による労働問題総合誌)を読み、いろいろ本も出してはるねんなーと思っていた。若いなーと思っていた今野さんも、ことしは30になるらしい。 タイトルの「ブラック企業」、かつては暴力団のフロント企業というイメージを持たれる言葉であったというが、今使われる一般的な意味は「違法な労働条件で若者を働かせる企業」ということになろう(p.11)、と冒頭にある。"若者"を取って、「違法な労働条件で働かせる企業」ではないかとも思うが、今野さんとしては若年労働問題に焦点をあてているから、こういう書き方になるのだろうか。 ともかくこの「ブラック企業」という言葉は、明確に企業の側の問題を表している点が、「ニート」だとか「フリーター」という言葉で"若者の側の意識や態度の問題"が語られてきたのと、違っている。 世の中の問題設定の仕方がそのようになっていたからということもあるのだろうが、POSSEが関わってきた労働相談の場面でも、明らかに企業の違法行為があってもなお、「自分が悪いのではないか」と不安がる若者が多かった、という。 今野さんは、ただブラック企業を見分け、そこへ入らないようにするという個人的解決だけでは不十分で、この「ブラック企業」が社会にどれだけの損失をもたらすか、社会として取り組んでいく必要があるのだと書く。それがサブタイトルの"日本を食いつぶす妖怪"にも表れている。 コンパクトにいろんなことが書いてあるが、"「キャリア教育」がブラック企業への諦めを生む"とか、"就職活動「支援」による「諦念サイクル」"など、会社というハコに入るためにぎゅうぎゅうとおこなわれているお導きは、結局のところは、就職活動をいつまでも続けさせ、若者の心を縛り、最後には諦めさせる、つまりは共通して現状のシステムの補完物になっている、というところは、多くの大学がおそらくこういう方向で学生を駆り立て、学生たちもまたひっしになっているであろうことが想像できて、そりゃ苦しいだろうと思った。 ▼大学4年生の時点で思うような就職先が得られなければ、もう1度留年して就職活動を行う、まただめなら奨学金を借りて大学院へ進学する。それでもだめなら、いよいよ自分には能力がないのだから、どんな労働条件でも受け入れるしかない。非正規雇用でも、トライアル雇用でも受け入れるしかない、といういわば「諦念サイクル」がこれ等の「対策」によって、形成されている。(p.227) ちょっと視野を広げれば、どう考えたって景気が悪いとか、わずかな椅子の椅子取りゲームで座れない人がほとんどだとか、そういう風景が見えないこともないのだろうが、いかに自分に力をつけ、いかに自分をPRしていくかという方向につっこんでいると、だめなのは自分、だめなのは自分、だめなのは自分…と、何度も何度もやられていってしまうのだろう。 「ほとんどの人は、ブラック企業の違法行為を追及しても、ブラック企業そのものを変えるという発想がない」(p.144)、「だから、本当に必要なことは、若者が鬱病にされたり殺されたしまったりする前にブラック企業の体質を改善することである」(p.145)、と今野さんは説く。 そのために必要なのは、一人一人が戦略的思考を持つこと、そしてブラック企業そのものを変えていくためには、労働法と団体交渉を利用すべきだと。「何が正しく、何が権利であるのかは、すべて戦略的に主張し、争うことを通じて実現する」(p.236)のであり、「労働組合やNPOへと相談し、加入し、新しいつながりを作ること」(p.238)、さらには「労働法教育を確立し、普及すること」(p.239)だと。 「ブラック」な~、そうやったかもしれんな~と、自分の働き方を振り返りつつ読み、この先の働き方をもにゃもにゃと考えたりした。 (4/2了)

Posted byブクログ

2013/04/12

ブラック企業の手口はほんとうに汚い。希望に満ちた若者の心を踏みにじるような組織だ。こんな企業が増えたら、日本はだめになってしまうよ。

Posted byブクログ

2013/04/11

すべてを理解したわけではないのだけど、個人のみならず社会全体に与える影響や、その対策が論じられていて、非常に関心を持てた。 読んでよかったと思えた本。

Posted byブクログ

2013/04/07

ユニクロ、和民、ウェザーニュース…。普段からよく利用するサービス業だが、中の実態は全くもってオウム真理教と何ら変わらないシステムである。日本の若者の受難を克服しない限り、この国の未来は無いと確信した次第だ。平成25年4月6日読了。

Posted byブクログ

2013/04/04

ブラック企業の特徴や、実例企業が出た背景から、対策にまで踏み込んだ書。自殺者や過労死を出した企業は実名を掲載している。  一番に有名なウェザーニューズや、ワタミ、大庄、SHOP99(現在はローソンストア100)など。これらの企業の経営陣のほとんどが問題が起きても反省していないとい...

ブラック企業の特徴や、実例企業が出た背景から、対策にまで踏み込んだ書。自殺者や過労死を出した企業は実名を掲載している。  一番に有名なウェザーニューズや、ワタミ、大庄、SHOP99(現在はローソンストア100)など。これらの企業の経営陣のほとんどが問題が起きても反省していないという事実がある。  現代病でもある鬱病になる人が今後増えていく中で、改善を求める事すら出来ていない実態がある。このような運営を見直す事がこれからの会社にとっての課題である。人はそれ程強くは無いのである。

Posted byブクログ

2013/04/04

ブラック企業、色んな場面が語られていてその全てを否定したくはないと思っております。長時間労働を強要され、先輩社員から罵倒されてという環境にコミットして入社している社員であればそれはブラック企業とは言われないでしょうし。

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2013/03/30

題名で購入。 終始著者の自論にイライラしながら読んでいた。展開されてる論調が、労働者の視点によりすぎている。 もちろん日本での企業と労働者の力関係では、企業が圧倒的に強いのは事実だけど、本書でも企業の視点も考慮して書かれても良いと思う。 普通にサラリーマンで長年勤めてきてい...

題名で購入。 終始著者の自論にイライラしながら読んでいた。展開されてる論調が、労働者の視点によりすぎている。 もちろん日本での企業と労働者の力関係では、企業が圧倒的に強いのは事実だけど、本書でも企業の視点も考慮して書かれても良いと思う。 普通にサラリーマンで長年勤めてきている人にとって、イライラするので読まなくていいと思う。

Posted byブクログ

2013/03/28

人間がブラックである以上、ブラック企業は無くならないとは思うのだが、気になったのは、社会へのコスト転嫁だな。いったいいくらになるんだろうか?試算はあるんだろうか?こういう会社を許してると、結局は国民負担になる。という点では法人税というのは高くてもいいのかな?って気もする(儲けてる...

人間がブラックである以上、ブラック企業は無くならないとは思うのだが、気になったのは、社会へのコスト転嫁だな。いったいいくらになるんだろうか?試算はあるんだろうか?こういう会社を許してると、結局は国民負担になる。という点では法人税というのは高くてもいいのかな?って気もする(儲けてる会社ってのは全部ではないが大抵良心的ではないものだし) ブラック企業の見分け方はいろいろあるけど大量採用は何かあると思って間違いない。新卒採用は全従業員の5%ぐらいが適当。だから、「若者多くて元気な会社」をアピールしてるところは怪しい。学生にはよさそうに見えるだろうけど。あとは通年で中途採用の募集広告出してるところもちょっとアレかな。IT企業に多いけど。 著作としては多少粗いところもあるが、POSEEのような団体がもっと世に知れていろんな抑止になる事を期待したいところ。

Posted byブクログ

2013/03/25

これはあくまで企業の話だから教員には関係ない、という気持ちを捨てて、教員こそこの本をサラッとでもいいから読んでおくべきだと思った1冊。 読んでいてすぐさま思い浮かんだのが、自分の職場の現状だったのもその要因の1つである。 教職員組合(日教組)の組織率の極端に低い現在の職場では、...

これはあくまで企業の話だから教員には関係ない、という気持ちを捨てて、教員こそこの本をサラッとでもいいから読んでおくべきだと思った1冊。 読んでいてすぐさま思い浮かんだのが、自分の職場の現状だったのもその要因の1つである。 教職員組合(日教組)の組織率の極端に低い現在の職場では、ブラック企業とよく似たような状況が若手教員にふりかかっているなと、そう思わざるを得ないことがたくさんある。 本書でも書いているように、やはり教員であってもそういった状況は社会的な視点からも許してはならないと思うので、若い教員こそその状況を打破するためにも教職員組合にきちんと加入することが重要なのではないかなと、そう強く思った。

Posted byブクログ