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炎上する君 の商品レビュー

3.6

188件のお客様レビュー

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2012/12/21

又吉さんの帯がうまいことをいってくれてる。読んでいるとぐいぐいひきこまれる。ありえないのにありえそうで、どこか自分を投影してしまう。読んでいると、どんどんどんどん西さんが好きになる。なんだこれは!

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2012/12/13

誰かに打ち明けることの出来ない自分の危うい部分が描れている気がした。 この危うさ、真剣に心配されたら興ざめだし、むしろ笑ってもらえて楽になる。それでもいいんだと語りかけてくれる様なお話だった。危うさと健全さのバランスを持って生きるのが難しさであり、楽しさだなぁ。。。

Posted byブクログ

2012/12/03

わりと自由に書いてて読んでて面白かった。 最後にある風船の落下であの台詞を言わせてしまう西さんラブ。 人間だいすきだな、西さん。そんな西さんがすき。 絶望するな。 僕達には西加奈子がいる。

Posted byブクログ

2012/12/03

SFチックな短編集。 相変わらず西加奈子の発想とか言葉選びはすごい。 解説を又吉さんが書いてるんだけど、帯の「絶望するな。僕達には西加奈子がいる。」っていう表現がまさにそれ。 駄目人間ばかり出てくるのに、駄目人間にはそれぞれに駄目さがあって、 そんな人たちにも温かみのある文章。 ...

SFチックな短編集。 相変わらず西加奈子の発想とか言葉選びはすごい。 解説を又吉さんが書いてるんだけど、帯の「絶望するな。僕達には西加奈子がいる。」っていう表現がまさにそれ。 駄目人間ばかり出てくるのに、駄目人間にはそれぞれに駄目さがあって、 そんな人たちにも温かみのある文章。 表題作の「炎上する君」は特におすすめ。

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2012/12/03

エイミー・ベンダー「燃えるスカートの少女」とか好きな人はきっと好き。 わたしはちょっとダメでした。 終わり方が唐突かつ不可解すぎてもやもや…

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2014/11/25

『世界は「選択」の連続である。切符を入れるのはどの改札にしようか、何両目に乗ろうか。珈琲を買う? それともミルクティーを? 会ったことのある人がいるが、声をかけるべき? 知らないふりのほうがいい? プレーンベーグルにするか、ブルーベリーベーグルか? 今度の日曜日は家でゆっくりする...

『世界は「選択」の連続である。切符を入れるのはどの改札にしようか、何両目に乗ろうか。珈琲を買う? それともミルクティーを? 会ったことのある人がいるが、声をかけるべき? 知らないふりのほうがいい? プレーンベーグルにするか、ブルーベリーベーグルか? 今度の日曜日は家でゆっくりする? それとも野球でも見に行くか? 素敵な時計をした彼とデートを? それともスタイリッシュな眼鏡をかけた彼?』 『携帯電話は、私と世界をつなぐ、唯一のツールであるような気がしていた。一日鳴らなくてと、三日鳴らなくても、それが私の手元にあるというだけで、私は今きちんと、世界の一員であると、思うことが出来た。』 『よし、辞めよう。家に帰って、こたつに入って、マンゴーを転がそう。ロロロロロ。』 『途中、百円自動販売機でカフェオレを買った。普通のコーヒーを買おうと思っていたのだけど、同じ百円なら、なるべくカロリーが高いほうがいい、と思ったのだ。』 『カフェオレは、甘い。その甘さだけが、私に優しい。私は、声をあげて泣いた。』 『何ものにも感動できない、いわば生きることへの不感症なのではないか、と、おのれを呪った。もっと、血が滾るようなこと、これがあれば死んでもいい、と思うようなこと、それを探していた。銭湯以外に。』 『物心ついたときから、私は、自分が女であることを呪っていた。女であるがために、容姿の品定めをされ、性欲の対象としてあらねばならない。そして、不細工であると宣言された者は、生きる価値さえないような待遇を受ける。私は、女、それも不細工な女であるということで、いわれのない迫害を受けてきた。小さな頃から、ずっと。ずっと。女であることを捨てたかった。だからといって、男にはなりたくなかった。女の品定めをし、無恥な性欲をもてあます、阿呆な男には。』 『浜中に会って、自分と同じ人間がいると思った。女であることを嫌がり、男になることを拒む人間。何にもなれない、たったひとりの人間。』 『恋愛のさなかにいる君、恋の詩をつづる君、恋の歌を歌う君よ。周囲の人間に、馬鹿にされるだろう、笑われるだろう、身の程知らずだと、おのれを恥じる気持ちにも、なるだろう。だかそれが、何だというのか。君は戦闘にいる。恋という戦闘のさなかにいる。誰がそれを、笑うことが出来ようか。君は炎上している。その炎は、きっと誰かを照らす。煌々と。熱く。君は、炎上している。』 『女は、猫と一緒なのよ。野良猫を見てごらんなさい。顔に怪我をしていたり、体に怪我をしていたりして、いつと、憎々しげな、怖い顔をしているでしょう。苦労すると、女もあんな風になってしまうの。でも、家猫を見て。愛されて、甘やかされているから、とても可愛らしくて、綺麗なの。女は、家猫みたいに、愛されるべきよ。』 『宇宙の真理より難しかったこと、それは、「自信を持つこと」だった。』 『どうして、まきちゃんを選んだの?』 『だって…、まきちゃんは栗色の巻髪で、背が小さくて唇がぷっくらしているし、大きな目がいつも潤んでいて、何よりおっぱいが大きいんだよ。』 『あなたは、栗色の巻髪でなくて、背が小さくなく、唇がぷっくらしておらず、大きな目でもなくそれがいつも潤んでおらず、おっぱいも大きくない「あなた」、ではなく、長身で、猫背ぎみの、下唇が薄い、すらりと切れ長の目の、まっすぐで太い黒髪を持った、少しの勇気と正義感と、多目の卑怯と嘘を持った、誰でもない「あなた」になった。きちんと。』 『誰もあなたたちを守ってくれないわ! 社会は、決められた価値観に私たちをあてはめ、それから外れようとすると、猛攻撃を加えてくる。そんな愚かな「地上」に、あなたたちは戻りたいっていうの?』

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2012/12/01

8人の孤独な主人公がそれぞれ生きていく希望を見つける短編集。不思議な話が多く特に表題の炎上する君は面白かった。きいろいぞうの頃と比べてかなり作風が変わったように感じた。世界は選択の連続であるという言葉とマンゴーが転がる擬音をロロロロと表現しているところが印象に残った。

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2012/11/23

たとえば どんなに冷たくても 最後は絶対に温かくなる 緩やかに でも 強烈に語りかけてくる それが西加奈子。 あり得ないほど、あり得そうな 不思議なストーリーに 主人公の心の中を映し出す面白さ。 その内容が どんなにシリアスでも 彼らが どんなに心を閉ざしていても 私...

たとえば どんなに冷たくても 最後は絶対に温かくなる 緩やかに でも 強烈に語りかけてくる それが西加奈子。 あり得ないほど、あり得そうな 不思議なストーリーに 主人公の心の中を映し出す面白さ。 その内容が どんなにシリアスでも 彼らが どんなに心を閉ざしていても 私は安心して読み進める。

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