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世界の経営学者はいま何を考えているのか の商品レビュー

3.9

210件のお客様レビュー

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2016/02/05

先日読んだ『ストーリーによる競争戦略』に書かれていた表現を使うとすれば、経営学というものには「法則はないが、論理はある」。すなわち、経営には"絶対"はないが、だからといって勘に頼りきるべきものではなく「何が理屈じゃない」のか、野生の嗅覚を深いレベルで理解してい...

先日読んだ『ストーリーによる競争戦略』に書かれていた表現を使うとすれば、経営学というものには「法則はないが、論理はある」。すなわち、経営には"絶対"はないが、だからといって勘に頼りきるべきものではなく「何が理屈じゃない」のか、野生の嗅覚を深いレベルで理解していることが重要である。 その論理を科学的に突き詰めていこうというのがアメリカを中心とした世界の経営学の潮流であり、膨大なデータから演繹的に論理を導こうとする。一方、日本の経営学はやや帰納的な側面があり、1社、あるいは少数の会社を徹底的に観察することによって、ひとつの論理を見出そうとする傾向にあるという。 ポーターであったり、イノベーションのジレンマであったり、リソース・ベースト・ビューとか…経営学をかじった程度の自分が知っている内容を取り上げてくれており、それを踏まえて世界の経営学の最前線について説明がなされている。 雑学的な要素が多く、”へぇ~”で終わってしまう話も多いが、「トランザクティブ・メモリー」とか「両利きの経営」など、これまで耳慣れなかった用語とその意味を知ることができてためにはなった。 書かれている文章が平易なので、肩肘張らず一気に読み進めることができる一冊である。 注意したいのは、筆者が巻末で述べているように「この本を読んだからといって『世界の経営学はこう進んでいるのだから、経営学はこうあるべきなのだ』と安直に思い込まないでいただきたい」ということ。 ドラッカーの例もしかり。アメリカの経営学者はドラッカーを読まないというのは、事実に基づいた実証的な話であって、それが良いことか悪いことか、読むべきかどうかという規範的な問題とは別の話であることを念頭に置いておきたい。

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2016/01/26

理論があるなら、予想が出来るのではないか。トップジャーナル掲載理論仮説の9%が実証されていないと言うのはやはり本書で言われる科学らしいものに留まってしまうんじゃ

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2016/02/03

経営学を学ぶ前に読みたかった一冊。経営学という学問が「社会科学として、まだ実際のビジネスに役立つ実学としてどうあるべきか」を考える"材料"を提供してくれる。著者がエッセー風と言う分、文章も読みやすい。

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2015/07/22

途中まで読んで積読状態だった。ドラッカーをありがたがっているのは日本ばかりなり。これだけ記憶していた。経営学のスピードの速さや裾野の広がりは学ぶ内容の変遷に繋がる。教育では不易と流行という言葉が多く使われるが,経営においての不易はどんなものなのだろうか。

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2015/07/19

やっぱ帰納的アプローチの方がおもしろい そういえばわたくし、経営学士です。 ということで話題になっていたときから気になっていたこの本を手に取りました。 英治出版というはじめて拝見する出版社さんですね。ちょっと調べたら社長さんの経歴といい、おもしろい会社さんだ。「イシューから...

やっぱ帰納的アプローチの方がおもしろい そういえばわたくし、経営学士です。 ということで話題になっていたときから気になっていたこの本を手に取りました。 英治出版というはじめて拝見する出版社さんですね。ちょっと調べたら社長さんの経歴といい、おもしろい会社さんだ。「イシューからはじめよ」とか、結構気になる本を出されているところなのね。 PART1と3が面白かったかな。 経営学には 経済学ディシプリン、認知心理学ディシプリン、社会学ディシプリンの3つの流派に分かれてるよ、という紹介があり、それを自分の学校のこの学科はこれかな、なんて当てはめてみるのは楽しかったです。 PART2に関してはそれぞれのコンテンツが淡々と述べられているのはアメリカチックというか、翻訳された本のようです。 最近読んだ本だと「スタンフォードの自分を変える教室」が近いかなあ。 PART3にも書いてあるけど 経営学では「特殊だからこそ成功している企業」に皆さんの関心があることが多いはずです。 というのが大きいのかな。 読んでみてやっぱり、演繹的アプローチより、帰納的アプローチの方がおもしろいなあと感じてしまいました。 この本の特色として、理論の数式的のものや条件などをとっぱらって文字エッセンスとして広く伝える、というものがあるだけに、その分信憑性、判断をするための情報に欠ける面は否めません。 「海外、特にアメリカの動きはわかった。その上で自分が何を知っていくかを採択していくことができる」というためには有益な本でした。 話が出てきた 「エビデンス・ベースト・マネジメント」ってこれ星野リゾートが導入しているものね。

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2015/06/12

世界のビジネススクールの最前線にいる経営学者が取り組んでいる研究を、エッセイ風にまとめている。 まず、世界の経営学に対して、①アメリカの経営学者は、ドラッガーを読まない、②世界の経営学者は、科学を目指している、③ハーバードビジネスレビューは、学術誌ではない(ので評価されない)とい...

世界のビジネススクールの最前線にいる経営学者が取り組んでいる研究を、エッセイ風にまとめている。 まず、世界の経営学に対して、①アメリカの経営学者は、ドラッガーを読まない、②世界の経営学者は、科学を目指している、③ハーバードビジネスレビューは、学術誌ではない(ので評価されない)といった3つの案外知られていないこと、加えて、④ポーターの戦略だけでは、もう通用せず、競争優位の短期化という外部環境の変化に、迅速に対応していく必要がある、といった点について述べている。 次に、企業が競争優位となるためには、イノベーションが必要で、企業に求められるのは両利き(知の探索と知の深化)の経営である、という点について、主に知という観点で述べている。知は、知と知から生まれるものであり、知の範囲の広さ、深さが重要である。知の探索と知の進化を進めるために、ソーシャルなどにより、知の探索を進め、組織学習などにより知の進化を進める必要がある。アントレプレナーが集積化するのも、直接コミュニケーションして、知の探索を進めるためである。ある経営戦略を導入したから業績があがった、という話をよく聞くが、戦略導入が直接の要因ではなく、その経営戦略を導入できる経営資源があったから業績が上がった、というのが正しい。知という経営資源の重要性がわかる。 また、①不確実性の時代の事業計画の立て方、②買収額の払いすぎの原理(思い上がり、あせり、プライド)、③コーポレートベンチャーキャピタルに求められる信頼性、④リソースベーストビューについての論争、についても、後半で言及している。

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2015/06/07

米国のビジネススクールで助教授として活躍する著者が、世界の経営学の最新の動きをわかりやすく紹介した一冊。「ハイパーコンペティション」といわれる変化の激しい時代には、ドラッカーやポーターといった古典だけでは環境に適応できなくなっていることをふまえ、世界の経営学者が日々、新たな理論を...

米国のビジネススクールで助教授として活躍する著者が、世界の経営学の最新の動きをわかりやすく紹介した一冊。「ハイパーコンペティション」といわれる変化の激しい時代には、ドラッカーやポーターといった古典だけでは環境に適応できなくなっていることをふまえ、世界の経営学者が日々、新たな理論を構築・検証する研究を続けており、本書を通じてそのダイナミックな世界の一端に触れることができる。 著者はまず今日の経営学の潮流を大まかに整理した後、個別のテーマに沿って解説しており、それだけで本が一冊書けてしまえるような多岐に渡る内容が盛り込まれているが、それらの中心にあるのは「知」と「組織」(あるいは「社会」(=ソーシャル))との関係性からイノベーションのメカニズムを明らかにしようとする動きであり、世界を視野に戦う日本企業にとっても、多くの示唆が得られる。 著者の意図は、古典的理論に盲目的に執着するのではなく、日々進化し続ける世界レベルの研究に、英語という障壁を超えて我々の目を向けさせることにあるが、同時に帰納的分析による新奇性をもった理論構築ばかりが重視される今日の経営学に対する批判も忘れてはいない。いずれにしても、世界レベルの経営学の「今」を良い意味で薄く、広く、素早く理解するには格好の一冊といえる。

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2015/05/05

世界の経営学の潮流の一端がつかめる。 著者のセレクションが素晴らしく、興味の湧くテーマが多かった。 統計的な取り扱いとか、数式ではなく自然言語定義によるトートロジーなど、学術チックな話は個人的には面白いと思った。 学際領域故の経済学・社会学・心理学のどれを基本思想とするかで、事象...

世界の経営学の潮流の一端がつかめる。 著者のセレクションが素晴らしく、興味の湧くテーマが多かった。 統計的な取り扱いとか、数式ではなく自然言語定義によるトートロジーなど、学術チックな話は個人的には面白いと思った。 学際領域故の経済学・社会学・心理学のどれを基本思想とするかで、事象の捉え方が異なるというのも興味ふかい。 確かに、自分が比較的取り扱う人材や組織というテーマは心理学や社会学をベースにしている気がするが、たまに扱う戦略やマーケ、営業改革などは経済学にベースとする部分が多い気がする。 実務の観点から見ると、最新の理論は、ちょっと高尚すぎて現場から乖離しているような気がしないでもない。 現場の悩みはもっとプリミティブなものだという感覚だ。 個人的には、経営学の理論がもう少し統一されて、現場のリテラシーが高まれば、最新の理論にチャレンジできる機会も増えるかなと思う。 とはいえ、経営学の一般法則は、やはり●●の産業においてとか、●●の経済状況においてとか、●●の競争環境においてとかの非常に細かい前提において成り立つものなのだと思う。

Posted byブクログ

2015/04/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

視点拡大にはなかなかよい。 ポジショニング戦略競争優位の長さが短くなっているのが実際に観察されているというのはおもしろい。 【世界の経営学者はいま何を考えているのか読了 ★4つ】 http://www.amazon.co.jp/dp/4862761097/ 基本的に「実務にオードドックな内容をしっかり押さえていることが重要」と考えているので、主食本としてはお勧めしないが、副食、引き出しを広げる本としてはよいかも。 あまり知られていない、経営学の最先端がわかる。「最先端」っていってもここ10年20年の話なので、普通の人が知っているのは、それよりさらに昔の経営学ということになる。 個人的に、記憶に残ったのは、以下2つ。 ・「戦略の賞味期限、持続的競争優位の期間が短くなっている」というのは、よく言われるが、それが、統計的に検証されているところ ・あと、積極的に攻撃的戦略を仕掛けていっている企業の方が好調というのも、統計的に検証されているらしい。 感覚とはあいますね。

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2015/04/10

国民性の距離を図ることができる研究があるのを初めて知った。実に興味深かった。 ホフステッド指数 GLOBE指数

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